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新型コロナウイルス関連の記事をまとめました
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2022年3月の記事一覧

東京都の新規陽性者数の動向 年代グループによる傾向の違い

東京都の新規陽性者数の動向 年代グループによる傾向の違い

 今年に入ってから今週末までの、東京都新規陽性者の動向です。左のグラフように、ゆっくりですが減少傾向です。前の記事にも書きましたが、感染力の増加、再感染、子ども→成人への感染の増加などが影響しています。真ん中と右は年代別のグラフです。右はY軸が対数目盛です。これまでと同様、10歳未満が多く、また減少が遅いのがわかります。

 次の図をみると減少の仕方によって、3つの年代グループに分けられることがわ

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3回目のワクチンは遅かったのか? 東京都の新規陽性者数の動向 2022/1~

3回目のワクチンは遅かったのか? 東京都の新規陽性者数の動向 2022/1~

 今日は、東京都の新規陽性者数の動向をお示しするとともに、オミクロン株の流行による第6波対策の問題点について考えてみたいと思います。

2022年1月以降の新規陽背者数の動向

 まず、図をお示しします。図1の左のグラフを見てください。低下傾向にありますが、他国と同様に低下速度はゆっくりです。子ども→成人の感染が増えたこと、不顕性感染者や軽症者が増えたこと、ワクチンの感染予防効果が低下していること

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オミクロン株に対するT細胞応答 ー 抗CD20モノクローナル抗体で治療中の多発性硬化症患者での研究 ー

オミクロン株に対するT細胞応答 ー 抗CD20モノクローナル抗体で治療中の多発性硬化症患者での研究 ー

 今日はこの論文をご紹介します。少し免疫について復習したあと、論文の解説をいたします。この論文から得られるいちばん重要なメッセージは、抗体が作られない状況でも、ワクチンによって新型コロナウイルスと戦うT細胞ができるということです。しかも、抗体より長続きするようです。

抗体が減少すると?

 ワクチンによって作られた中和抗体が血液中にたくさんあると、侵入してきたウイルスが抗体により排除されるため感

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オミクロン株亜種 BA.2はBA.1より重いのか?

オミクロン株亜種 BA.2はBA.1より重いのか?

新型コロナウイルスのオミクロン株亜種BA.2は感染性の高さが懸念されていますが、重症度はどうなんでしょうか。今いちばん気になることですね。ハムスターへの感染実験でBA.2の方がBA.1より症状が強かったという査読前の論文はありますが、ヒトではどうでしょうか。まだ確信できるデータは出てませんが、期待できる予備的なデータが出始めています。

Clinical severity of Omicron s

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