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『彦根に帰ってきた人は地元への愛が深い 』【湖東プラン】2021年参加者レポート①

はじめに

滋賀県内であれば過去に仕事や旅行などで訪れた事はあったが、彦根はじっくりと来た事はなく、彦根城やひこにゃんのイメージしかなかった。今年になって始めたトレッキングで伊吹山には数回訪れており、途中に彦根を通り過ぎるが、意外と近いのだなと感じていた。

コロナ禍という事もあり移住イベントがオンライン開催のみだったが、たまたま目にとまったオフラインのイベントという事でどちらかと言えば衝動的に応募。現地の雰囲気であったり、現地の人の感触を実際に感じられる機会が移住に対してのイメージを強めてくれるものと期待して参加。

JR能登川駅にて集合し、マイクロバスにて移動。参加者は私ともう一人だったので、車内の広い空間を持て余し気味だったが、快晴に恵まれ、山林の紅葉も色づいておりちょっとした観光気分で1社目の株式会社AUC様に到着。

1社目

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まだ新しい建屋で総務の三俣さんに出迎えて頂いた。奥からは体格のよい男性2人、𡧃野社長と多鹿営業部長が登場。
地元TV番組の取材VTRを拝見し、間接的な企業説明を受け業種が土木・建築の企業である事が確認できた。未来には自分たちの仕事が遺跡のようになるよう丁寧な仕事を心掛けているとの事だった。山や川など自然の多い土地柄故、インフラの老朽化や自然災害が多くなってきた昨今では重要な仕事と思える。

特に印象に残っているのは、社長と従業員の皆さんの信頼関係だった。社長は従業員がいてこその会社という事で福利厚生、社員教育に力を入れ、従業員もそれに応えるように難しい資格・免許の取得をしている。特に産休後の復帰などもしやすい環境というのは女性にとってもありがたい職場だと思う。
創業当時は大変な苦労もされたとの事だが、当時勤めていた会社の先輩がついてきてくれたという話もあり、元々人を惹きつける魅力や人柄があるのだなと感じた。

生活面の事でも少し触れ、彦根付近は雪の心配はそれほどない、災害も少ない、自然が多くて過ごしやすく、車が無くても支障がそれほどないとの事だった。

最後に急遽事務所内を案内して頂いた。土木・建築業というと現場での仕事がメインというイメージだったが、役所などに提出する資料の準備も大切な仕事という事で膨大な紙の束を見せて頂き、土木建築業に対して思い描いていたイメージが変わる事となった。

1社目を後にして再びバスへ。しばらく山林を走り、多賀大社を横目に見つつだんだんと景色は町中へ。やがて古民家風の建物が連なる通りへ出ると、そこは彦根城のお膝元。

2社目

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2社目はその彦根城下、キャッスルロードにある千成亭様の伽羅というお店を訪問。その際に株式会社いろあわせの北川代表も合流。料亭のような雰囲気の店構えから店内に入ると、玄関で井伊直正の赤揃えの甲冑に圧倒された。座敷の個室へ通され、お肉のいい香りが漂う中、総務人事部マネージャー種田様に企業PVを拝見させて頂いた。

彦根市内と近辺でブランディングの違う多店舗展開をされているが、企業の目標としては売上よりも地元に愛される店づくりをしたいという気持ちの方が強く伝わってきた。
よくある形としては効率や数字を求めた結果、品質を落とすという例がある。しかし、自社で持つファームで育てた牛を、加工から販売までワンストップで行っており、店舗は増やすが品質は絶対に落とさないという信念が読み取れた。これもお客様の笑顔の為なのだろう。
しかも自社ファームでは牛の体調をIOTで管理し、厳選されたものしか出さない徹底ぶり。老舗ながら進化や成長を疎かにしない姿がお客様に愛される所以だろうか。

約1年前に移住されてきた従業員の山本さんのお話を伺う事ができた。
元々彦根の出身で、芸能活動の夢を見て大阪・東京、さらには海外へも行ったが地に足がついていないと感じ、地元へ帰郷。縁があって千成亭へ就職。元々芸能活動をされていた事もあり、接客も良く山本さん目当てのお客さんもいるそうだ。

都会から戻ってきて、不便な所は無いかという質問に少し考えながら「無い」といった答えが印象に残っている。
実際、都心部の方が物質的な豊かさはあると思うが、それよりも琵琶湖の景色が好きだからというシンプルな理由での移住の決意は清々しく羨ましさすら感じた。話をしている時の明るい表情が、今の生活を楽しんでいる何よりの証拠だと思った。

千成亭さんを後にし、いろあわせの北川代表らと共にキャッスルロードを移動。社長自身も彦根出身でUターンしてきた一人だそうだ。コミュニティスペースへ移動の間、町の紹介を細かくして下さり、町に対しての愛が溢れんばかりにひしひしと伝わってきた。特に近くの洋食屋さんの名物ハンバーグとオムライスが合わせて1000円いかないという話に驚いた。

コミュニティスペース

コミュニティスペースは元々は古民家だったのだろう。懐かしい雰囲気の間取りの中、従業員の方がパソコンを並べて仕事をされていた。畳や昔父親の実家にあったような大きな木の机、床の間、ギッとなる床板などこういう所で仕事をするのも案外悪くないのではと感じた。

コミュニティスペースで今日一日の出会いを反芻しながら、皆さんに感じられたのは地元への愛が深いという事だった。その土地の為に何かしたい、何か貢献できている事が都市部よりも実感しやすい事が、その土地に住む、はたらくという事の醍醐味なのではないかと感じた。

この日にお話しが聞けたのは元々彦根や滋賀県県内を地元とする方がUターンしてきた話だったが、実際に他県から来た方などからも話を聞いてみたいと思った。

最後に

地方ではたらく選択肢は、難しく考えず好きな場所でもっと気楽に生きてみてもいいじゃないかという事かなと感じた。もちろん、デメリットもあると思うが、地方で暮らしたいという気持ちや、土地を愛する情熱があれば何とかなるんじゃないだろうか。

最後に、夕日が沈む琵琶湖に連れていって頂いた。意外にも本日最初の琵琶湖訪問が一日の締めくくりになり、滋賀県民は最終的に琵琶湖に行きつくものかと思った。穏やかな湖面を見て静かに流れる時間の中にいると、一日の終わりにこういう時間が欲しいと思った。

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