見出し画像

#10 【書評】科学的な適職

今日紹介する本は鈴木祐著 「科学的な適職」。

名前の通り、仕事選びに関する本である。

現在大学生であり、大学院に進学予定という就職とはまだ全く縁のない人間がこの本を読んでみてどう思ったかを紹介していこうと思う。

仕事選びの失敗はどうして起こる?

仕事というのは現代の人間にとって最も大切なものの一つと言える。仕事は人生のうちの3割を占めており、それだけ長い時間を共にするものだ。

そうであるならどんな仕事をするのかを決めるのは甚だ重要なことだ。自分のやりたいことや、得られる報酬、やりがいなど多面的な観点を考慮して決定する必要がある。

しかし、実際自分の仕事選びがうまく行ったと胸を張って言える人はどれくらいいるだろうか?実際大卒のうち3割は新卒入社後3年以内に辞めると言われているし(キャリアアップなどポジティブな辞職もあるだろうが、それだけではないはず)おおよそ三人に一人は自分に合った仕事ではない場合が多いということだ。

ではどうしてこんなことが起こってしまうのだろうか?本書によるとその理由は「視野狭窄」つまり、決断するときに視野が狭まっていることらしい。

転職と就職の失敗のおおよそ7割が「視野狭窄」によって引き起こされる

科学的な適職

となると考えるべきは、どうすればこの視野狭窄を防いで、なるべく広い視野で考えられるかということである。次からそれを考えてみよう。

幻想から目覚める

本書ではそのためのステップとして

  1. 幻想から覚める

  2. 未来を広げる

  3. 悪を取り除く

  4. 歪みに気づく

  5. やりがいを再構築する

という5段階で進んでいくが、全てやっていると膨大な量になるし、何より自分で本を手に入れて読んでみてほしいため今回は個人的に最も重要だと思う最初のステップ「幻想から覚める」を紹介しようと思う。

まず、世の中には仕事選びにまつわるたくさんの言説がある。「好きを仕事に」とか「性格に合った職業を」などあげ始めたらキリがない。

しかし、著者はそのほとんどが仕事選びにおいて意味がない、それどころかむしろ悪影響であると指摘している。

実際にさまざまな調査を通して調べてみても、このような言説の正しさを証明できるような結果が何一つ得られなかったのだ。

例えば、「好きを仕事にするべき」という言説に関しては、「大好きな仕事!」と言って行っている人よりも、「まあ仕事は仕事だよね」と割り切っている人の方が長い目で見ると結果を出しているという調査結果もある。

また、「給料で仕事を選ぶべき」という言説に関しても、確かに給料が上がれば、幸福度も上がるものの、ある一定の金額になるとその増加量が頭打ちになってくるという調査もある。

このように巷で信じられている仕事選びに関する言説と、実際の問題は大きく乖離があるといのだ。

まずは思い込みを捨てて、いろいろ調べてみる

このことからわかるように、我々は自分の仕事を選ぶ時でさえさまざまな噂に惑わされており、正しい判断ができていない。

もちろん、給料や自分の好き嫌いも大切な要素ではある。ここでいっているのはこれらの項目が無駄であるということではなく、その項目しか見なかったり、あまりに考慮する項目が少ないことがよくないということだ。

つまり、まずは何よりもさまざまな項目を調べて考慮してみるということだ。安直に誰もが気にする項目だけではなくさまざまな要素について意識を向けて調べてみることで冒頭で述べた視野狭窄に陥る可能性を下げることができるだろう。

今回はかなり内容を絞って紹介した。実際はこれ以上にさまざまな知見を与えてくれる書籍である。

ぜひ手に取って実際に読んでみてほしい。仕事選びに関するさまざまな悩みに答えてくれるだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?