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セキュリティ・キャンプを通じてセキュリティ業界の人材問題を考える

第20回の放送は、選抜されたメンバーが高度なセキュリティ技術を学ぶことができるセキュリティ・キャンプ全国大会についての記事でした!セキュリティの教育分野のお話となるかなと思います。若いセキュリティ人材の育成について専門家松野さんとセキュリティ業界10年生の野崎さんにお話しいただいております。

ニュース解説

こちらの記事を解説いただきました!

―松野)セキュリティ・キャンプの全国大会が今年はオンラインで開催されるということで、参加者を募集されているようです。記事にもありますが、セキュリティ・キャンプは、情報セキュリティ技術に強い関心を抱き、技能を高めたいという意思を持つ学生や生徒(22歳以下の学生/生徒/児童)を対象とされています。第一回は2004年、かなり歴史が長いです。セキュリティ・キャンプには、全国大会のほかに、地方大会(通称「ミニキャンプ」)があり、場所などの問題で参加が難しかった地方在住者向けにその敷居を下げる役割を持っています。セキュリティ・キャンプには実は書類審査があり、誰でも参加できるわけではありません。狭き門を突破した参加者は数日にわたって高度なセキュリティ技術を学ぶことができ、その費用についても全額主催者により負担されます。参加者は選択コースと集中コースを選択できます。「選択コース」はすべてのトラック講義について受講したいものを選択可能。「集中コース」は、選択テーマに基づいて設計、実装、検証を繰り返す、とあります。自分に合った内容でセキュリティのスキルを伸ばしていくことができそうですね。

セキュリティ業界の人材問題を考える

―松野)セキュリティの人材不足が言われ続けて久しいと感じます。今回のセキュリティ・キャンプと管轄が同じ経済産業省の発表では、かつてセキュリティの専門人材が2020年に国内で193,000人が不足すると言われています。我々セキュリティの専門会社としても人材不足は日々実感していますが、セキュリティ・キャンプのように未来のある若い方からセキュリティ人材を輩出していこうという取り組みは素晴らしいです。
一方で日本全体の視野で考えた場合に、育成された人材が社会で活躍できるように支援していく必要があると考えています。これは主に民間の役割と考えていますが、私自身もセキュリティ・キャンプの卒業生を集めてセキュリティサービスを提供する会社を経営したことがあります。ただし現状ここには課題があり、セキュリティ・キャンプの卒業生と企業側が求める人材・人物像には少なからずギャップが生じていると感じます。
セキュリティのお仕事は、企業や国を守るという非常に社会貢献度が高い仕事ですので、我々も誇りをもって業務にあたっております。半面、責任の重さから人によっては高いストレスを感じてしまう可能性もあります。このような環境の中でも、モチベーションを維持して質の高い仕事をする必要があるので、優秀な人材であればあるほど迷いが生じてしまうのかもしれません。この社会的な課題については、たくさんの人がセキュリティのお仕事を選択できるように我々も企業努力を重ねていきたいです。


おわりに

松野さんと野崎さんのセキュリティ業界への想いというか、未来を見据えたお話が聞くことができ、とても心強く感じました。セキュリティへ興味がある方の参入障壁が低くなったり、セキュリティ業界がより働きやすい環境となるような活動が増えていくことを応援できたらなと思いました。

今回の放送はこちらから聞くことができます!

記 にしもと