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完全ハンドメイドのエナジーバーお歳暮が出来上がるまで / SIDE PROJECT 『SOCIUS』②〜パッケージデザイン編〜

シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。いわずもがな、クリエイティブへの好奇心が旺盛で、「いいモノを作りたい」という欲求が止まらないクリエイターの集まり。

彼らがやりたいことを会社としてバックアップする制度があり、それを受けて立ち上がったクライアント案件とは全く無関係のプロジェクトを「SIDE PROJECT」と呼んでいます。

今回は、素敵なパッケージデザインをどのように考え制作したのか、アートディレクターの藤吉にインタビューしました。(取材・文:広報 松沢香織)

『SOCIUS』〜コンセプトメイキング編〜はこちらからどうぞ。


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いちアートディレクターが作るエナジーバーがお歳暮に

エナジーバーの味のラインナップ、コンセプト、ブランドネームが決定したのが2019年秋。偶然にも年末が近づいてくる時期だったので、弊社代表の加藤が会社のブランディングと絡めて「お世話になった取引先にエナジーバーをお歳暮として贈りたい」と伝えたことで、SOCIUSプロジェクトは新しい局面を迎えます。

藤吉:
実は当初虎企画(SIDE PROJECTとして会社に投資してもらうシステム)で2人の虎(決済権を持つCEOとCTO)にパッケージを作ることも提案していたんです。お歳暮で贈るなら、その時に頭で思い描いていたものがはまりそうだなと思って作ることを決めました。

まず最初のステップとして3つのフレーバーをそれぞれアイコン化したいなって。 メープルシロップ だったらカナダの国のマーク。八ヶ岳のハチミツだったら、ハチミツをとる棒(ハニーディッパー)をイメージして。もう1つのフレーバーは塩の結晶をイメージして四角にしました。



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エナジーバーの個包装パッケージ


シンプルで、かわいい...!半透明の袋からエナジーバーがチラ見えするようなデザインになっています。

藤吉は、エナジーバーを作ってくださった奥様の陽子さんが主宰する「O-Kitchen」のアートディレクション&味見を担当していて、O-Kitchenのお菓子といえば彼の手描きイラストが印象的です。

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藤吉によるO-Kitchenのアートワーク


SOCIUSでは、手書きイラストを採用しなかった理由を尋ねたところ「シフトブレインぽいから」というシンプルな答え。O-Kitchenとの差別化を図ったそうです。

そして、このかわいいアイコンに合わせたフォントマニアの藤吉が選んだフォントは、彼が大ファンであるTypeTypeの「TT Commons」でした。

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まったくの余談ですが、先日TypeType社のCEOサーシャさんが弊社に遊びに来てくださり、藤吉念願!の初対面を果たしたのでした。

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案件で使うタイポグラフィで悩んでいたところをサーシャさんに相談中


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藤吉:あと、小包装のパッケージの袋はめっちゃ探しました。
ジップタイプ で エナジーバーが入るような小さいサイズのものは全然市場になくて...。
やっと見つけたのが、実際に採用したこの、一番ちっちゃいやつ。

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藤吉:そういえばこのパッケージ屋さんが印刷も請負ってて、印刷できるものは特色12色の中からしか選べなかったんだよね。だから先にデザインしちゃってたら悲惨だった(笑)。そんな事情も相まって、アイコンは単色でシンプルになったっていうのもあるかな。

ちなみに、エナジーバー自体はこのパッケージのサイズに合わせてサイズ変更する必要があって。味によって作り方も違うから、それぞれ違う型を買い直しました。
例えば、フロランタンは平型でセル古型であとあとからナイフで切るんだけど、ドライフルーツが入っているタイプのものはシリコン型にギュッと詰めて焼いたりするんです。

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試作段階のエナジーバー。写真から香ばしさが伝わってきます


“やってみたおじさん” 藤吉の本領発揮。シルクスクリーンを使ったお手製ギフトボックス制作

エナジーバーの小包装のためのジップつきパッケージは完成しても、
お歳暮として贈るためには、ギフトボックスが必要です。シフトブレインのスタッフは2019年冬の時期、オフィスで工作をしている藤吉の姿を目撃しています。

藤吉は2019年6月からYoutubeチャンネル「TRY UNCLE “やってみたおじさん”」を運営しています(企画・撮影・編集すべてセルフです!)。


このチャンネルではデザインをテーマに、元々web畑ではなく手を動してクリエイティブすることが得意な藤吉にしか作ることのできない動画をアップしています。

ギフトボックスの制作はまさに、藤吉の得意分野を1000%活かせるクリエイティブとなったようです。

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藤吉直筆のSOCIUS BOXスケッチ。スケッチもキレイ

藤吉:まず、ボックスに関しては自分の理想をスケッチにしました。

スケッチにしてみると、理想のボックスを小ロットで実現するにはもう自分で作るしかないってなっちゃって。ちょうどその時期に小ロットの本作りでシルクスクリーン工房に通っていたのと、箱屋さんと箱作りのプロジェクト(下写真参照)でご一緒させてもらって知見がたまっていたので。なんとかスケッチ通りに完成させることが出来ました。

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左:シルクスクリーンで1点ずつ刷った本の表紙   右:ねずみBOX


そんな藤吉がハンドメイドで完成させたお歳暮ボックスはこちらです...!

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今までプライベートで数々の工作物を作ってきた藤吉なら当然とも思えますが、一般人からすると既製品かと間違うくらいの美しさ...!箱の素材への印刷は、藤吉自ら、シルクスクリーンの工房で1枚1枚刷っていったんだそうです。側面にはシフトブレインのロゴがしっかりと刻まれています。

(箱詰めと発送は私も携わったのですが、「こんなおしゃれで美味しいお菓子届いたら嬉しすぎるよね、ずるい...」ともらった会社の人にジェラシーを感じながら、封を閉じたのでした...。)

実際にお送りした取引先の方からは「こんなオリジナルでおシャレなお歳暮をいただけるなんて、びっくりしました」といったコメントをいただき、プロダクトからパッケージまで完全オリジナルのお歳暮を楽しんでいただけたようでした。


新しい挑戦ができる SIDE PROJECT

当初、SOCIUSプロジェクトは藤吉と及川の独自のものでしたが、プロジェクトが進むにつれ、会社のSIDE PROJECTのひとつとなりました。

それによって今までO-Kitchenでやってきたお菓子作りに、「シフトブレインのブランディングをどう組み込むか」という新たな目線を持てたことが、藤吉としてはチャレンジングでありがたいことだったそうです。

藤吉:O-Kitchenとしてお菓子を作ってると、焼きたてをみんなに食べてもらったら超満足しちゃうんだよね。だから今まではパッケージとかあまりこだわりはなくて、もうなん なら焼いて切って大きい袋に入れて、そのままはいどうぞって感じで食べてもらえたらそれでいいみたいな。

だから今回、エナジーバーを作って食べてもらって終わり、ではなくて「会社の取り組みとしてブランディングを意識して、それをどうアウトプットするか」という、その先まで全て設計していくことに挑戦できたのは、よかったかなと思っています。


そして、このSOCIUSの挑戦の流れはまだまだ続きます!
藤吉のアイデアの泉は湧き続けていくばかり。例えば、エナジーバーを会社の外でも販売するためのミニブースやユニフォーム、動画の制作など、エキサイティングな企画を練っています。
またカタチになりましたらここで報告させていただきますね!


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