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【PMMの重要性】第一回 PMMとは??役割とPdMとの違い

はじめに

こんにちは。SHIFT DAAE部のサービスディレクターの佐々木です。

最近PMMという言葉を耳にすることが増えた方もいるかもしれません。PMM(Product Marketing Manager/プロダクトマーケティングマネージャ)とは、直訳ですと「製品のマーケティング管理者」です。意味は概ね想像できますが、では実際に何をするのか。聞き馴染みのないポジションですよね。事実、日本企業ではまだあまり導入されていないポジションですが、海外の多数企業ではPMMというポジションが広く認知され、また、日本でもSaaS運営企業を中心にPMMのポジションを設ける企業が増えています。

そこでこのコラムでは、日本ではまだ認知の少ないポジションであるPMMとは一体何なのか、どんな役割を果たすのか、これからのPMMと役割活動について記載をしていきます。

PMMとはどのようなポジションなのか

PMMは、PdM(Product Manager/プロダクトマネージャ)や、PM(Project Manager/プロジェクトマネージャ)などと同じくプロダクト・プロジェクトに属する管理系の職種です。プロダクトの成長に関わるとともに、主にマーケティングやカスタマーサクセスといったビジネスサイドの現場を取りまとめ、プロダクトの成長戦略を立案し、具体的に実行する役割を担います。一般的に、マーケティングやユーザーリサーチ、購買活動などを通し、ユーザーニーズを理解し、プロダクト価値の伝達を担保し成果をあげる責任者であり、プロダクトに対する方針・意思決定を主な業務として担います。

PMMとは顧客購買体験に伴う開発プロセスの変化によって生まれたポジション

スマホやSNS、動画配信、メタバースなど、お客様(顧客)の購買行動やライフスタイルが大きく変化した昨今、コロナ渦による環境面もそうですが、価値観事態も多様化してきています。企業は製品の提供だけではなく、自社の対象となるユーザーに対し、顧客がどんな道のりを辿って、どこで逡巡しながら、最終的に自社の商品やサービスを購入するに至ったかなどを含め、「購買体験」として提供することが増えました。

プロダクトがマーケットを意識し、プロダクト関係者が一体となってプロダクト成長戦略を考えること、そして実行することが、市場で勝ち残る要因となってきております。

ですが、従来の開発プロセスでは、プロダクト成長の重要性は理解していても、全ての部門に注力することが困難なことが多く、例えば、マーケティング活動が後手になり、おろそかになってしまうことも多々ありました。 プロダクトマネージャの製品管理についての定義である*プロダクトマネジメントトライアングルでも示されている通り、PdMが開発チームやビジネスに関わる部門全てを一人で取りまとめを行っていました。PdM一人体制の場合では担当しなければならない業務が多岐にわたり、リサーチから開発、マーケティング、セールスまで、全ての段階を一人で担当し、いずれの段階も同時並行で進めなくてはならず、例えば開発に手が取られて、マーケティングがおろそかになってしまうことも多々あり、役割が多すぎて手が回らない状況に陥ることが多発していました。

※筆者自作素材

そこで、プロジェクトやプロセスの垣根を超えた「横断的なマーケティング」に対して責任を持つ「PMM」というポジションが設置されるようになりました。PMMがいることで、PdMは開発に専念しつつ、PMMが同時並行でマーケティングやセールスにコミットをしていくということが可能になったのです。そうすることで、各領域での専門性を高めて、各施策単位ではない顧客体験からのプロダクト全体での戦略立案が実現でき、また、お客様により豊かな「購買体験」を考える「時間」を割くことが可能になったのです。

*プロダクトマネージャの製品管理についての定義。参考:The Product Management Triangle (by Dan Schmidt)
リンク:https://productlogic.org/2014/06/22/the-product-management-triangle/

PMMに必要な要素

プロダクトのブランド価値を高めるためには、開発やマーケティング・カスタマーサクセスなど、あらゆる段階の垣根を経て、プロダクト成長活動に取り組む必要があります。特に、グローバル展開をしているプロダクトや多角的なサービスを展開しているプロダクトでは、様々な考えや思想、価値観を持つ市場(ユーザ、事業)に対応をしなければなりません。また、純粋に市場に対する課題解決のために「何が売れるか」を考え「どう売るか」をもって解消するようなアプローチや方法手段を的確に一定レイヤー以上だけではなく、現場レベル(協力会社)までに共有し、推進していくことも重要です。

その他にも、要件定義や変更管理、要求管理といった管理能力も必要な要素ですが、開発目線というよりは、あくまで顧客目線で、マーケティングや市場調査などからの観点で管理し、調整を行うことが求められます。 また、「何が売れるか」を考え「どう売るか」を顧客目線に立って、お客様との良好な関係構築を担っていく、営業的な感覚も必要になってくるでしょう。 そのうえでお客様が何に困っているか等の先を読み「お客様が本来注力したいプロダクト体験」を考えプロダクトサービスをグロースしていく橋渡しをしていく。 一方で、分業をしているイメージでもあるため、ビジネス領域が好きで、ビジネス領域に関心が強い方であれば、PMMというポジションは市場に向き合うことに集中できるので非常に面白みを感じられるのではないのかと考えます。

このことから、PMMというポジションには下記のような要素が求められます。

  • 顧客行動を分析し、改善点や要求事項を導き出す力

  • 顧客価値やビジネス価値の共通認識を現場レベルまでに落とし込む力

  • お客様との良好な関係構築を担っていく営業力(セールス)

  • マーケティング・カスタマーサクセス・各種分析・リサーチの時間や物、金、リソースを最大限に活用する力

  • お客様を含め、関係者全員と良好な関係を築く力(笑顔)

  • PDMや現場を含め、調整をもって並走をしていく力

では、すべての要素が必要なのか???各領域完璧な必要はなく、各領域の担当者に対して横断的観点を持ち、議論し判断出来る事が大切です。これらの能力を発揮し、プロダクトマーケティングのパフォーマンスを向上させ、お客様の声を社内の各種マーケターや開発、オペレータなどに届けます。そうすることで、ユーザーやビジネスに対する価値の共通認識が、 一定レイヤー以上だけではなく、現場レベルまで落とし込まれ、プロダクトの向かう方向性の意識共有を図り、プロダクトの持つ価値を最大化することができるのです。

PMMとPdMの分業

PdMもPMMも、プロダクトの結果を担保し成果をあげる責任者であり、プロダクトに対する方針・意思決定が主な業務です。 プロダクト成長には、マーケティングや営業、法務、エンジニアリングなどを取りまとめ、様々な施策や管理、PJを推進していかなければなりません。同時に専門性・複雑性も増している現在、非常に多くの役割を求められます。先にも記載したように、PdMが一人ですべてを賄うこと困難になりつつもあります。PMMを配置することで、PdMの責任範囲を軽減することに繋がり、PdMとPMMが連携し、補完的に役割を担うことで、プロダクトの成長を促進させることができます。 実際、既にPMMを導入している企業では、今まで対応しきれなかった複雑性や専門性の高いマーケティングや顧客課題を着実に拾い上げ、プロダクト成長につなげた例も複数存在しており、現在では下記図のようにSHIFTし、他企業でも普及が進んでいる状況です。

※筆者自作素材


「ビジネスサイド」に関わる部門に責任を持つのがPMMとし、「開発サイド」に関わる部分に責任を持つのがPdMという一般的な分業です。ちょっとした体制変更ですが、PdMは開発サイドとPMMを繋ぎ、PMMはビジネスサイドとPdDMを繋いで行けば、専門性・複雑性を下げ、各段階で、プロダクト成長における本来注力業務に集約することが可能です。

また、上記図は必ずしもベストな体制とは限らず、一例でしかありません。ローンチ段階になってくれば、法務や提携先の業務も活発化してくる可能性もあります。そういったリスクや、PdMとPMM各々の得意領域、責任範囲をしっかりと協議し、常に並走できる「最強のパートナー」としてお互いを認め合い、プロダクト成長を促進していくことが非常に大事な分業だと考えます。

おわりに

本コラムでは、プロダクト課題解決を担うPMMについてご紹介しました。

多様化する生活者のニーズに応えるプロダクトの成長戦略が求められる昨今。日本ではまだあまり定着していないPMMというポジションですが「プロダクトの成長アプローチとして必須である」という意識も、今後少しずつ根付いてくるのではないかと思われます。 そこで、次回は日本で定着しないPMMの理由も含め、PMMの役割や責任についてもう少し解説したいと思います。

※トップ画像出典元:
フリー素材:https://pixabay.com/ja/illustrations/モバイル-スマート-フォン-1087845/

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執筆者プロフィール:Akihiro Sasaki
株式会社SHIFT DAAE部でサービスディレクターをしています。前職は分析コンサルタントです。よりよいプロダクト届けるために日々試行錯誤しています。

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