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現場プランナーの必要ステータス5選

●(忙しい人向け)この記事の概要

▢  プランナーが現場で求められる能力を5つに大別。
▢「ルート把握力」「情報発信力」「進行管理力」「精密さ」「ゲーム知識」
▢  自分の長所・短所を知るヒントになれれば幸いです。

●  はじめに

はじめまして、SHIFTの立野です。
今回の記事では、ゲーム業界におけるプランナーの必要なステータスをまとめたいと思います。 

というのも、私自身が(非常に)プランナーとして就職活動をした際に、
強みとして出していた部分が実際の現場ではあんまり活かせない部分があったりと溝を感じるシーンが多くありました。 

なので、本記事を通して今後プランナーを志す人や今も頑張っている人が、
「こういう力があるといいのか」「自分はここが優れてそうだ」という自身のパラメータ分析ができる一助になれれば幸いです。 

●  現場で求められるステータス

実際にさまざまなゲーム会社で就業した経験から、主に以下5つのパラメータがプランナーとして大事に感じました。
個々の要素に関しては後述します。

1)ルート把握力
2)情報発信力
3)進行管理力
4)精密さ
5)ゲーム知識

1)ルート把握力

これはなにか一つの作業をするにあたって、何が必要でどう進めていくかを把握する力をイメージしています。ゲーム会社では、手とり足取り教えてもらって…という経験はあまりないです。
それは未経験であっても同様です。 

まず任せられる仕事を話し、やってもらったうえで、
それを修正して叩き上げて覚えていく…というものが多いです。
マニュアルもあまり整備されていないケースが多いです。 

ここで求められる力が「ルート把握力」です。
具体的にどういうことができればルート把握力が高いか、というと下記の認識です。 

Q. オムライスを作ってください

ルート把握力が高い

  • オムライスを作るなら、卵とケチャップ、バターが必要だな。

  • お皿も出して、フライパンは温めておこう。

  • ケチャップライスができたあと卵を巻くから、先に卵はといておこう。

  • ソースはケチャップか、デミグラスのどちらが良いかを聞いておこう。

ルート把握力が低い

  • オムライスなら卵が必要だ。卵をまぜておこう。

  • 次の工程はどうするのだろう。作ったことないし聞かなくちゃ。

ルート把握力が高いと、先々の工程から逆算する形で「今なにをすべきか」を意識できます。
ルート把握力が低いと、オムライスを作ると決まってから「次に何をするんですか」を聞く形になります。 

マニュアルが整備されていないのは、整備する余裕もないわけで「次に何をするんですか」を都度確認するようだと、あまり良く思われません。
だからといって、我流で進めてしまうと引き返せないタイミングでミスが発生したりします。 

そこで、自分がこれからすべきことと、求められているゴール地点を意識したうえで今がどの工程の作業になっているかの「ルート把握力」が求められます。 

ゴール地点までの全体を見通したうえで作業を進めれば、
先々に自分がつまずく問題点を先んじて確認してつぶすこともできますし、
自分の思い描いていたルートと、すり合わせすることで先々の分岐で悩むことも減ります。 

この力は、常にルートを意識することで底上げできますし、
職場経験を通じてテンプレになるケースを学ぶことで自然と身についていくかと思います。

2)情報発信力

これは「誰かに情報を伝える力」をイメージしています。
 例は以下です。

Q. 桃太郎とはどういうものか教えてください。

 情報発信力が高い

  • 桃太郎という若者が、3匹のオトモを連れて、鬼ヶ島の鬼を倒す昔話です。 

情報発信力が低い

  • むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。

  • おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川で洗濯をしにいきました。

  • おばあさんが洗濯していると川の上流から大きな桃がーー(中略) 

意識してほしいポイントは回答の長さではなく、何を求めているかになります。
「どういうものか」と聞いているのであって、回答としては昔話です。
「どういう話の内容かを語って聞かせてくれ」ではないです。 

ゲーム会社では多くの人と連絡し、情報共有しながら仕事を進めていきます。
とくに、コロナの影響でリモートワークが増えてくると、ますます細かい情報共有が大事になってきます。 

毎日たくさんの会議、メール、通知などが飛び交う中で、
相手の求めている情報をわかりやすくパッと伝えられる能力は非常に求められます。 

この能力は現場経験で養われるケースはあまりなく、個々人の意識的な努力が大きいように感じます。
「PREP法」や「5W1H」などのパターンなどもよく目にしますが、シンプルに「冒頭に結論、以降は補足」の2段構成を意識するだけで情報発信力は底上げされるかと思います。
最初に結論を書くとなれば「何を結論として書けば良いか?」と、
相手の質問に対する適切な答えを探すスタンスが習慣化しやすいかなと思います。

3)進行管理力

こちらは「スムーズに仕事を進められる力」をイメージしています。 
実際にゲーム会社で仕事をしていると実はさまざまな「納期」があります。

  • 自分が企画書を作らなくちゃいけない締め切り

  • デザイナーが素材を納品してくる締め切り

  • プログラマーが指定のゲーム部分を作り終える締め切り

  • プロモーションのため監修提出する締め切り

などなど。 

この進行管理をメインにしたPM(プロジェクトマネジメント)という職種もありますが、進行管理力はプランナーにも大切な素養のひとつになってきます。 

いくら自分が締め切りを守って企画書/仕様書を作ったとしても、
それを作成するプログラマーが締め切りを無視してしまったら、
できあがったゲームをテストするデバッガーの人が待つばかりになってしまいます。
それは結果的に「スムーズに進行していない」と判断されます。 

単に「自分だけしっかり仕事してればいい」で終わることなく、
周囲の締め切りを意識してどこでつまずいているのかを知り、ときにフォローし合うことできればその人は非常にプランナーとしても優秀な人材ではないかと思います。 

進行管理力はゲーム会社の仕事でなくても伸ばすことができる能力のひとつです。 

たとえば、友達との旅行の計画を建てるにしても「何をいつまでに必要か」を考えること必要です。
関わる人数が多ければ多いほど、進行管理力が伸ばせるチャンスだと思います。 

ひとつのゴール地点に向かって、道を整備しながら誘導していく経験が進行管理力の向上につながります。

4)精密さ

こちらはシンプルに「ミスなく仕事ができるか」の能力になります。 
ゲーム会社で仕事をしていると、何百桁もの数字や大量の文字を何度も何度も目にします。
それをわずかなミスも許さずに入力したりする作業が多いです。 

その作業でミスしてしまうと、不具合やバグにつながったりします。
毎日が爆弾解除をしながら進めるようなものです。

そこで求められるのが仕事の精密さになります。
誤字脱字、凡ミス、計算ミスなどが多いと「精密さが低い」と考えます。 

仮に作業スピードが早かったとしても、ミスが多いと手直しする時間の方がかかりますし「あいつはミスが多い」と思われればチェック工程が追加されるケースもあり、ますます時間がかかります。 

バグで迷惑をかけないよう精密さが求められる現場だからこそ、スピードよりも精密さが重視されます。 

この能力は、個人の意識を変えることでも改善はできますが
「ツール」「関数」「マクロ」などを使って機械的にデータを生成してミスを防ぐこともできます。 

「気をつけよう」と心に決めて取り組めば防げる、のではなく
具体的に「自分がミスをしやすい箇所」を分析し、それをどう防ぐのかを対策するほうがより効果があると思います。

5)ゲーム知識

こちらの能力は「どれだけゲームを知っているか」になります。
ゲームが好きな人は一番上げやすい能力のひとつかなと思います。 

ゲーム会社における仕事で「イチから新規のものを作る」というケースはごくわずかです。
多くの場合が、すでにリリースされている過去のゲームの仕様や施策を参考にしています。 

近年、ゲーム開発そのものが大規模化・長期化・費用増大といった影響もあり、多大な開発費をかけ、社の命運を背負った前例のないものを実行する…というのは少ないです。 

そうなると、現場では「〇〇のゲームの✕✕のようなイベントを作る」といった説明がなされます。
そのゲームを知っている人は「ああ、あれね」と理解できますが、ゲームを知らない人にはわかりません。
見たことない映画のキャクターを紹介されているようなものですから。 

一方、たくさんのゲームに触れている人は「〇〇のゲームの✕✕のイベント」をすぐに理解できますし、
深くそのゲームを知っている人は、そのイベントの良い所・悪い所を理解して改善するようにはたらきかけることもできます。 

ただ、実際の現場では自分の好きなゲームジャンルではないケースもあります。
それでもそのジャンルのゲームに自分を染め上げて、たくさんのゲームをプレイできる能力はゲーム会社で仕事をするうえで非常に大切な能力に感じます。

●  まとめ

本記事では「コミュニケーション力」「リーダーシップ」といった曖昧なものではなく、
具体的に求められる「現場力」を5つの要素で分けてみました。
ご自身のパラメータ分析や強みの再発見などに使ってもらえればと思います。 

一応、私も自己分析してみましたが…。
本記事でえらそうに語ったわりにはあんまりですね。もっと精進します…!


執筆者プロフィール:立野 健人
2020年にSHIFTへ入社。
入社前はコンシューマータイトルのデバッグからプランナーへ転向。
アプリゲームの開発から運営を経験し、現在はソーシャルゲームの運営サポートに従事。

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