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短編セリフ無しマンガ:リスと夫さんとホウキの話


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そう、ホウキ壊れました。

ホウキなんてどうでもいいし、この壊れ方はボンドつけて直すとか無理だし、ゴミ箱行きで構わないんです。

でもただこのホウキ、2003年に自分で買ったんですけど、その時を今でも覚えてるんです。

同棲してた元彼の家を出て、ひとり暮らしを始めました。

超ボロくて家賃が安く、でも十分な広さのこのアパートを、自分で見つけたことは今でも誇りに思えます。

その時は、とにかく必死でした。
元彼との関係を終わらせるには、自分が出て、自分ひとりで生活を始めないといけない、必死でした。

自分が住みたいと思った地域の道全部を数時間かけて自転車をこぎ回り、やっと見つけたアパート。自分ひとりで住むアパートを見つけたときは感動です。

イタリアン街で市場に近くとても活気ある素敵な地域です。年取ったイタリアン夫婦の大家さんが一階に住んでます。

(日本のように不動屋さんを通してアパートを探す、借りる、というのも可能ではあるけど、一般に取り扱い物件が高級で高価です。掘り出し物を探す場合は、1人づて、2大家さんが直接物件に貼り出してる広告を見つけること。3ネット。。。)

普通に生活するにはいろいろ足りない物があって、自転車こいでホームセンターへの往復。 少し不便だけど自由を手にしたというか、そんな自分にとっては晴れ晴れ幸せな時期。

例えば、冷蔵庫も調理ストーブもしばらくありませんでした。

唯一持ってたのは電子レンジ。

市場で見つけた里芋とかオクラに感動し、レンジかけて塩振って食べてました。(というのも、前に住んでたところはこの市場から遠く、また普通のスーパーには売ってないので珍しかったのです)

ぎょえっと思うかもしれないけど、私にとってはそれがとても美味しかった。気楽な一人になれて超幸せ。

そして、話戻ってホウキ。
元彼のホウキは使いづらかったので、あんなんじゃなくて、「絶対」良いのを買わないと、と思ったんです。少し奮発したんです。

実際物が良かったようで、使い勝手良かったし、長持ちしてました。ダックさんがリスを追っかけてなかったら、まだまだ使えてたことでしょう。


p.s.
ダックさんにどうしてそのホウキがあったのかを説明すると、全く同じものを探して買って来てくれました。


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