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君は自分の価値に気づいてるか?ミレニアル・Z世代の活躍の道筋

私たちが社会の中で活躍していくには、つまり社会に価値を認めてもらいそれを戦略的に活用していくためには、我々自身がその価値を再び自覚しなければならない。

私たちミレニアル・Z世代の価値とは、どこにあるのか?その価値に無自覚な人々も多いのではないかと考えた。

私は1996年生まれの初代Z世代。あと一年早く生まれていたらミレニアル世代だった。ミレニアルとZ世代、どちらの感覚も共有しているとも言える。

ミレニアル世代とは何か改めて説明すると、平成初期(1989年~1995年)に生まれた世代のこと。インターネット環境が整ったころに育った最初の世代で、パソコンよりスマホやタブレットを駆使する。 小学生の頃に家族旅行の経験が多く、旅行にはアグレッシブな傾向がある。

Z世代は1996年以降に生まれた、スマホネイティブ世代。幼少期の頃にはすでにスマホやSNSが普及していた。

ミレニアル世代・Z世代は、それ以前の世代とは異なる価値観を持っていると言われている。デジタルであることが当たり前であり、物を所有することよりも、体験をすることに喜びを感じる。

このミレニアル世代・Z世代というのが、ビジネスの上で見過ごせない存在となっている。アメリカの場合、1989年以降に生まれた世代が全人口の3分の1に達しようとしていて、今後は強い購買力のある層になる。

急速に変化する経営環境

コロナでリモートワークが普及し出したこともあって、経営基盤をITで置き換える流れが急速に進んでいる。いわゆるデジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼ばれるトレンドだ。

経営基盤をITで置き換えるというのは、単に業務支援ツールをインストールするということではない。まずは、データが鍵になる。IT化によって様々なところでデータの取得が可能になった。顧客のサービス利用データ、商品の在庫や売上などのデータ、社員の働く環境のデータ、市場環境を把握するデータ、ありとあらゆることがデータ化されている。そして、データに基づいて経営判断が行われる。

DXによって、あらゆるところでデータを取得する体制を整え、そしてそのデータを読み解き、さらにあらゆるところで改善を実行する。そして、今の時代に合わせながらビジネスモデルを再構築するのが、DXの本質的な目的だと言える。

日本はIT化が遅れていると言われていたが、変化できないものは市場から取り残される。コロナでリモートワークの普及の後押しもあって、ついに堰を切ったようにDXが進んでいるようだ。

もう一つ重要なのは、カスタマーエクスペリエンスの追求だ。顧客データを活用することによって、より一人ひとりに適したサービスやマーケティングが行われるようになった。また、顧客の接するチャネルが急速に増加したことによって、様々なチャネルを横断的に一貫性を持ってカスタマーエクスペリエンスを提供する必要がでてきた。

サブスクリプションというビジネスモデルの登場によって、顧客と企業の関係は、一度の買い切りから継続的なお付き合いへと変化した。そこで重要なのが、企業の世界観や価値観に顧客が共感してもらうこと、いわゆるブランドだ。

単に機能的な面やコストだけで評価するのではなく、企業の価値観というのが重視されるようになった。

経営層とミレニアル・Z世代のギャップ

このようにして、既存の企業がミレニアル世代・Z世代の市場を開拓するときに、経営者との世代ギャップという問題にぶつかる。経営者世代は大抵の場合、5~60代であり、生まれたときにインターネットが存在していなかった。インターネットが一般に広まり出したのが2000年前後とすると、彼らがインターネットを使い出したのは40歳前後になる。スマホを使い出したのはさらに10年後であり、感覚的にインターネットやスマホという物を理解できていない。DNAの中に組み込まれていないのだ。

また、車、時計やマイホームを買うことがステータス、目標になっている世代であり、所有することにこだわらないミレニアル・Z世代とは価値観が違う。

従来の経営層が、ミレニアル・Z世代をターゲットに商品やサービスを開発しようとしても、価値観を共有していない、ITを感覚的に理解できないために、そこに超えるのが難しいハードルがあるようなのだ。

ミレニアル・Z世代が活躍するチャンスはここにある

既存の経営層の課題として、ミレニアル・Z世代との世代間ギャップがあるということは理解していただけたと思う。そこを埋められるのが、私たちミレニアル・Z世代だ。

私たちには当たり前に思えることも、世代が変われば当たり前でなくなる。私たちの当たり前の感覚を共有してあげることが価値になる。

活躍したい若者がいるなら、ぜひこのギャップに着目して欲しい。経営層は多かれ少なかれこのギャップに課題を抱えているはず。この橋渡しをぜひ買って出て欲しい。会社の広報でTikTokを担当するとか、SNSを活用するとかそういうのも良いが、データを活用することの重要性や、顧客の立場になってみて感じるサービスの違和感などを突き止めて、上にイシューとして上げていけばきっと活躍のチャンスが訪れるに違いない。

日本の人口構造が抱える独特な課題

ミレニアル世代・Z世代が今後の消費の中で重要な役割になることは間違いないが、日本の場合は一つ難しい課題を抱えている。それが少子高齢化である。

日本の世代別人口比率をみてほしい。アメリカと比較してみると、アメリカが上の世代ほど少なく鐘型でバランスが取れているのに対し、日本は年配者が多くの割合を占める。また、年齢が高い方が収入が多い傾向があり、高齢者層の購買力が強い。

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この何が問題であるかというと、ITを活用してミレニアル・Z世代に向けて市場を開拓していく重要性も理解しているが、今メインで収益に貢献しているのはITに抵抗のある団塊の世代であるという矛盾だ。

完全にIT化を進めてしまうと、取りこぼしてしまう年配層が存在するので、結局どちらの手段も残して、ビジネスが複雑化したりコストがかかってしまう。この舵取りが難しい。上にイシューをあげる時には、経営層はこの課題も頭にあることを入れておこう。

ミレニアル世代・Z世代の価値を生かしてビジネスを考えられないか?

このギャップを正しく埋める再現性のある方法を見つけて、仕組み的に解決できるならビジネスとして成り立ちそうだ。

もちろん、既存のプレイヤーは存在している。例えば、女子高生や女性大生による、若手女性向けのマーケティングコンサルのようなサービス。(なぜ、女子大生・女子高生マーケティングはあるのに、男子大生・男子高校生マーケティングはないのか?)

一方で、しっかりと経営にアドバイスをしながらDXを進めていくのは、ITコンサルタントという職種が存在している。アクセンチュアやBCGといったコンサル企業が、数年前からかなり積極的に採用を進め、仕組み的に様々な企業に解決する方法を提供している。

ただのITコンサルはだいぶ飽和してきたので、最近ではブロックチェーンなどの最先端領域×DXのような会社も出てきた。

これらの既存のビジネスモデルの課題は何か?この隙間をついて解決できるビジネスモデルが考えられないか、というのがアイディアの出発点になりそうだ。

まとめ

今の日本の産業が抱える、経営層とミレニアル・Z世代購買層の年齢ギャップによる価値観の違い、急速なIT化についていけない経営層、日本の歪な人口構造による既存顧客と新規購買層の両立の難しさなどの問題を伝えた。

これらの問題を理解した上で、活躍をしたいミレニアル・Z世代はぜひ自身の価値を発揮していただきたい。活躍の一つの道筋にはなると思う。

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