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オープンキャンパスを大学の総力戦にする方法
戸板女子短期大学の最大のウリは「オープンキャンパス」です。
ただし、コロナ禍が去りつつある今でも、高校生のオープンキャンパス参加回数は2.1回と来校する大学数も回数も減ってしまい、オープンキャンパス以外での大学選びが上位になっている状況。
今までのホスピタリティや画一された内容のオープンキャンパスでは、多様化する高校生の価値観には対応出来ない、のが現状です。
コロナ前と比べて、来校者数、来校回数が減少してしまったこともあり、高校生のオープンキャンパス来校1回への営業だけでなく、情報不足をカバーする上でYoutubeやLINE、メールを駆使して前後でのアプローチをすることも以前のnoteで書きました。
チームといたんは 大学のアイコン
その上で戸板女子短期大学の根幹は、人を全面に押し出すブランド戦略になります。
特に、ファッション誌のような大学案内は1冊あたり合計200名以上の学生や卒業生を掲載することで 人=広報を表現しています。
こんなにたくさんの学生がいる大学は他にはなかなかないのではないか?というくらいです。
その上で、オープンキャンパスで大切にしていることは 在学生の参加を促進=大学としての総合力を見せることにあります。
チームといたんによる学生主体のオープンキャンパスは戸板女子短期大学の最大の売りになっています。
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オープンキャンパスは、広報部と学生スタッフ、教職員で作るもの?という大学が多いかもしれません。
戸板女子短期大学でも、HPやパンフレット、Youtube、WEB広告のクリエイティブだけではなく、アフターレポートでのイキイキとした活動で他の大学や専門学校だけではなく、高校や企業からもミーティング風景から見学にきたいとお声がかかっています。
つまり、チームといたんは 戸板女子短期大学の学生にとって、大学全体のアイコン化しているのです。
学生の強みを活かすオープンキャンパスが理想
ただしこのチームといたんは全員がなれるわけではありません。
入学式直後に、面談と選考を経て、学科で15-20名と1学年で50名程度。入学者500名の戸板女子短期大学の学生からしたら、といたんは10人に1人しかなれない狭き門なのです。
オープンキャンパスでといたんの先輩に憧れて入学しても450人の学生はオープンキャンパスで憧れのといたんになれない。
ただし、戸板女子短期大学の学生はチャレンジ精神が旺盛で様々なことに挑戦する学生が多く、それをホームページや大学案内で表現してきましたが、昨年からその活躍の場をオープンキャンパスへと広げていきました。
授業の発表の本番をオープンキャンパスで、そして新たなプロジェクトをオープンキャンパスをアウトプットの場としたのです。
服飾芸術科
ウエディングセレモニー(1年前期)90名
ウエディングレセプション(2年後期)60名
ウエディングドレスショー(課外プロジェクト)40名
デザインゼミ展示(1年後期)10名
学生美容家(課外プロジェクト)40名
国際コミュニケーション学科
セレステインホテルブライダル(課外プロジェクト)10名
エアラインカフェ(課外プロジェクト)30名
食物栄養科
フレッシュネスバーガープレゼン(1年前期)4名
いすみ市弁当プロゼン(課外プロジェクト)8名
サラスパメニュー開発プレゼン(2年後期)6名
カキ氷選手権(課外プロジェクト)15名
課外活動
サマーダンスフェス 300名
1年間の中でもこれだけのといたん以外の学生がオープンキャンパスに参加しています。
最大は夏のサマーダンスフェスで300名以上のといたん以外の学生が自分たちの“知らないオープンキャンパス”に参加して高校生やその保護者をもてなします。
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オープンキャンパスに参加しない学生がもたらす効果
高校生時に何回も戸板女子短期大学のオープンキャンパスに通い、といたんに憧れて入学したものの、オープンキャンパスに出ることがなくなってしまった学生がプロジェクトとして、特別な一日に高校生をもてなす意味はどこにあるのでしょうか?
効果は二つあると考えています。
ひとつは、在学生の大学に対するロイヤリティを高める効果です。
人は評価され賞賛され、認められることで成長し、モチベーションも上がります。戸板女子短期大学はマーケティングが上手い、と言われていますが、広報の根本に“人をいかに表現するか”という発想があります。
授業の中で成績として評価されている学生が、1年に一回のオープンキャンパスで高校生や保護者の方に広報的にアウトプットし、“評価”されることで大学へのロイヤリティが上がります。
「といたんにはなれなかったけれど、戸板女子短期大学に入ってよかった」
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もうひとつは、高校生へ多方面的な学生を見せることができることです。
ここ数年、高校生の興味や関心は多様化しています。流行が作りにくく、つまり価値観の多様化です。
「我が大学はこのような立派な学生を育てます」とステレオタイプ的マーケティングがZ世代の高校生には受けないのが当たり前です。
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チームといたんの学生は、明るくてプレゼンが上手くコミュニケーション力がある、それだけでは高校生を取り込むことが難しくなってきています。
そのために、コツコツ努力できる学生やきちんとした振る舞いをする学生、メイクが上手い学生、モデルのような学生、これまでオープンキャンパスでは見ることができなかった、といたん以外の戸板生を見せることで
自分も戸板に入ると居場所がある、私でも活躍できる場所があるんだ
と気付いてもらう効果があります。
といたんになる、諦めていた夢が叶った
今年オープンキャンパスを運用していく上で、嬉しかったことがあります。
夏に行った初企画のエアラインカフェ。
この日のためにオリジナルスリーブ(スタバで熱々を防ぐアレです)を作りたいと思い、服飾の学生に相談したところ、自発的にデザインを考え、国際コミュニケーション学科の全員が集まるゼミの中でプレゼンをする機会を自分たちでやり切りました。
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またそのエアラインカフェ当日に出来上がったそのスリーブにゼミ生全員が、まるでスタバのように高校生に向けて、手書きメッセージを書いてくれました。
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エアラインゼミのメンバーのほぼ全員がといたんでなく、オープンキャンパスで高校生に対応するのは初めての経験。それでも、模擬フライトを体験した高校生とイベント終了後にコミュニケーションが生まれ、「高校生と話せてよかった」と口々に言ってくれました。
といたんの学生が毎週のように“こなしている業務”(あえてそう言います)が彼女たちにとっては一日だけは叶った夢になりました。
他にもこれまで、ほとんど表にででこなかったメイクの得意な「芸術家肌」の学生美容家は、ファッション、ウエディングに続く、服飾芸術科の3本目の柱になっています。
今では、美容家の学生も自分が高校生時代にされてくれたように、高校生にメイクのアドバイスを行い、直筆の手紙を書いたりしています。
学生は場を与えられると成長する
自分は、今はポジションが入試広報部なのでオープンキャンパスがメインですが、3年前は1年だけ学生部にいたため、そこで学祭TOITAFes で新たに学生が活躍する組織体系を作っていました。
学生は役割と目的をはっきりと明示すれば自ら成長していきます。
最初は間違った方向に行かないように、かつ最終的なゴールを見据えてヒントをあげる。初年度は苦労しますが、翌年また翌々年まで学生のみでプロジェクトが進んでいけば、それが“仕組み”となり、大学の文化になります。
それについてはこの記事をご覧ください。
それがたまたま今はオープンキャンパスであるだけで、授業や課外活動、ゼミをオープンキャンパスに全体活用していることが、戸板女子短期大学のブランディングにつながっています。
最後までご覧くださり有難うございます。これまで20年間、コンビニやヘルスケアベンチャー企業でマーケティングやブランディングに携わってきた澁谷の経歴やストーリーはこちらをご覧ください。
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