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日本バスケ版ユースチームの育成事業モデルについて

昨日の投稿読んでいただいた方はありがとうございます。出来るだけコンパクトに定期的に続けていきたいです。

読んでくれたバスケの友人から、「選手にハングリーさを求めるなら、給与アップやセカンドキャリアなどの補償を考えるべき」とコメントを貰いました。

概ね同意ですし、セカンドキャリアは日本では大きな問題とされていますが、まだまだ自分は勉強不足だと感じさせてくれました。あまり詳しくないですがセカンドキャリア支援の会社さんもたくさんありますよね。
また少し調べて別の機会で触れられればと思いますが、あくまでキャリアは自らの経験から広がっていくものだと個人的には考えているので、前記事でも書いたように過保護な親切では、引退して燃え尽きている選手には続けられない印象があります。
本当はスポーツを本気でやっていく中で、その経験や周りとの関わりから、次のやりたいことを見つけて、燃え尽きないことが重要じゃないかな思いますが。

育成で稼ぐ方法

今回はもう少しビジネス寄りの話を書きたいと思います。
※前回もそうですが、実際に育成のビジネスを経験しているわけではないので、あくまで一意見ととらえていただければと思います。でも近い将来携わりたい内容だからこそ、noteに考えをまとめ、コメントいただきブラッシュアップしていきたいです。

早速ですが、日本でこれからユースが普及する中で、主な収入源、メリットが以下になります。

収入源
①会員(生徒)からの入会費や年会費、月謝、ユニフォーム、備品販売等。
②スクールやユースチームに対するスポンサード。
③「移籍金」「育成金」「エージェントフィー」の獲得。
④海外からのバスケ留学受け入れ事業。
その他メリット
⑤トップチームのプロモーションと、入場者獲得手段。
⑥ローリスクで有力な選手が獲得できる可能性。
⑦地域貢献性と存在意義の創出。

これは主にサッカーの世界で言われているようなことだと思っています。何か漏れてたらすみません。

大体は、まあそうだよね。って内容だと思いますが、いくつか触れていきます。

①会員(生徒)からの入会費や年会費、月謝、ユニフォーム、備品販売等。

ユース、アカデミーの根幹となる部分で、安定且つ長期的に戦略を立てて、続けていかないといけない領域です。ここが崩れたら始まりません。

既に、関東のB1クラブでは1000人もの生徒がいるチームもあるとか。どのようにブランディングされてるのか一度お話を聞いてみたいです。

③「移籍金」「育成金」「エージェントフィー」の獲得。

ここはなじみのない方もいるかもしれません。

「移籍金」は、主にユース選手とプロ契約を結び、その契約が残ってる時点で他チームに移籍する場合、選手からチームへの契約不履行に対する補償金の考え方です。ただ、勿論選手が払うのではなく、移籍先のチームがこれを補償します。

サッカーでは有名な制度で、欧州リーグの選手は数十億以上の移籍金が動くこともありますよね。ただ日本の場合は、NBA内で移籍金という仕組みを採用していないことと、そのNBAがトップリーグであること。も関係し、そこまでの金額にはなっていないのが現状です。
※詳しくは次回書きます。

「育成金」はその名の通り選手を育成したチーム、組織に支払われるお金です。これは主に、若い選手が国際移籍をした際に支払われるもので、その育成に掛けた投資額と期間に応じて、移籍先のクラブとの交渉。決裂した場合はFIBAに仲裁に入ってもらいます。

FIBA Internal Regulation - Book3
79. Where the proposed transfer is linked to basketball, the new club and the club of origin shall agree on a compensation for the development of the young player. In the case that they are unable to agree on such compensation the Secretary General shall fix a reasonable compensation. Such compensation shall be based primarily, but not solely, on the investments made by the club(s) that have contributed to the development of the player and shall take into account the aspects as per article 3-77.

バスケに関係し、実施された移籍では、新しいクラブと元クラブは、若手選手の育成についての補償に合意するものとする。それらクラブがその補償を合意できない場合、事務総長は補償を合理的に調整するものとする。その補償は基本的に、選手の育成に寄与したクラブによってなされた投資に基づき、規約の3-77の側面を考慮に入れるものとする。※筆者訳
※77は若手選手の移籍における注意事項みたいな内容です。

「エージェントフィー」は、移籍時に交渉力の乏しい選手に代わり円滑に、選手の利益を守りながらクラブと交渉を行うエージェント(選手の代理人)に対して、選手が支払うお金です。

明確な決まりはないですが、明確には選手の年俸の10%以下になります。

セルビア、モンテネグロを中心とする東欧では、クラブのお抱えエージェントが存在し、自チームの選手をお抱えエージェントが移籍させ、発生するエージェントフィーをクラブと折半するというような方法が盛んです。

正直、グレーな領域だと思います。国際移籍に関わるエージェントは必ずFIBAライセンスを取得する必要があります。そして、そのライセンスはクラブやリーグの関係者は取得できないようになっております。

しかし、世界的にはライセンスを持たずに選手を代理したり、上記のようなスキームをクラブと結ぶ現状があり、結果としてクラブ育成事業を成長させているのは事実です。

エージェントに関してもまたの機会で書きたいと思ってますが、日本にはこれらの移籍に関するマネタイズ基盤が欧州に対し、整っていないがために、育成に力を入れることへのリターンが受けずらいという問題がございます。

④海外からのバスケ留学受け入れ事業。

日本モデルにおいて、マッチしそうなのはこのポイントだと思っています。

日本人選手は成長を求めて、アメリカのスポーツスクール等に留学する選手も近年増えてきています。

そして、アジアではフィリピン、中国は勿論ですが、人口増加、経済成長に合わせてシンガポールやインドネシアでもバスケ人気が高まっているとのことです。(実際に行って観てみたい。)

またBリーグはアジア戦略の一環で、来シーズンよりアジア枠と称し、従来の外国籍選手の人数制限に加え、アジア人枠を設けることを既に決定しています。

これらの要素から、もしBクラブのユースチームの育成レベルが向上し、Bリーグ自体の収益性もさらに成長すれば、アジアの国々より日本にバスケ留学に来たいという選手も現れると思っています。

日本型の育成事業モデル

日本のBクラブにおいては、①②の基盤強化がもっぱらの課題ではありますが、それらのためには、育成モデルなどのブランディングが必要不可欠です。(トップチームと一緒ですね。)

手っ取り早いのは、有名or実績のあるコーチを獲得し、ユース大会で実績を残すことに尽きると思いますが、前回記事で述べたようなストイックな教育モデルや、最新施設の活用、他スポーツも本気でやってみる。などのコンセプトがあれば、大いにプロモーションになると思います。

前回記事の内容からさらに言えば、私は「ここのユースに入れば世界へ挑戦できる」というようなアプローチも良いかと思います。それにより、③のようなアップサイドの収入も期待できます。

現時点では、アメリカのアカデミーへ行く日本人選手は増えましたが、高校や大学生の年より、欧州やそのほかのリーグのプロチーム、又はその下部組織に移籍できる体制が整えられれば、他クラブとの大きな差別化になるでしょう。


今回の内容は、指導者やユース組織のマネジメントの他に、優秀なエージェントの存在が不可欠になってきます。ここについては別の機会で自分の考えを書ければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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