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B級映画に見せかけた超名作【ホラー映画を毎日観る人】(323日目) 「便座•オブ・ザ・デッド」

「便座•オブ・ザ・デッド」(2013)
クリスチャン•ジェームズ監督

◆あらすじ
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とあるオフィスビルの女子トイレで点検作業をしていた主人公が個室に入っていたところ、突如ゾンビが襲来し出るに出られなくなってしまう。絶体絶命の状況の中、別の個室に隠れていた女性と励まし合い、脱出を図るべく奮闘し、そして二人は自分自身と向き合うことになる。
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タイトルとパッケージに騙されました。

低予算で映像もチープだし、ゾンビのクオリティも低めですが脚本がとにかく素晴らしいです。
ほぼトイレの中だけで行われるワンシチュエーションでここまで面白くできるのかと感服しました。

ゾンビ映画にみせかけた泣ける会話劇です。
とんだ名作です。
現在、アマゾンプライムで配信中です。

R-15である必要は絶対にないです。

主人公はチャリティーのお金をくすねるし、先輩の金にも手をつけるし、別の個室にいたイーヴィーの携帯もパクってるし、学費でギャンブルをやっていたクズ陰キャです。しかしゾンビに囲まれる状況の中、個室に閉じこもりイーヴィーとの会話を経て自問自答し、びっくりするくらい成長します。

終盤にはこのどうしようもない主人公をなぜか好きになっている自分がいました。

主人公を演じるダン•パーマーが脚本も担当しています。

ギャグシーンは本当にくだらないしチープなんですけど発想が面白いです。女性ゾンビのブラジャーをパチンコにしてちぎれた指を飛ばしたり、イーヴィーから貰ったクスリでハイになってゾンビと楽しく踊る幻覚を見たり、全身にトイレットペーパーを巻いてガードしながら個室から脱出するなどおバカなことばっかりしてます。

ですがそれがあまりクドくなく、メリハリが効いているので飽きません。
洗面台の鏡に自分を写してゾンビの気をそらしたり、ハンマーで壁をぶち破ってイーヴィーを助けに向かうなど中々に熱いシーンもありますし、最後にイーヴィーが取る行動がそれまでの主人公とのやり取りもあってか非常に胸に来るものがありました。

低予算の割にはゾンビの数もそこそこいます。

最後はしっかり笑いで締めくくるし、あのエレベーターの絵は本当に憎らしいくらいに素敵です。
ラストの主人公の置かれた状況でまたワンシチュエーションの続編を撮って欲しいです。

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