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インチキ神父が生配信で悪魔とガチンコバトル!【ホラー映画を毎日観る人】(353日目) 「バトル•インフェルノ」

「バトル•インフェルノ」(2019)
ダミアン•レベック監督

◆あらすじ
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神父のマックスと相棒のドリューが壮絶な悪魔祓いの様子をお送りする“除霊の時間”はとある動画配信サイトで人気を誇っていた。登録者数は鰻登りだったが、そのチャンネルの実態は全てヤラセで被害者役などは全て役者を雇っていた。マックスは徐々に天狗になり、ドリューはそんなマックスへの心配が募るばかり。そしてある日の撮影、世界同時生配信ということでドリューは気合が入っていたが時間になっても被害者役が現場に来ないことから仕方なく婚約者のレーンに代わりを務めてもらうことに。いつも通りに配信が始まり、マックスも台本通りに進めていく。しかしレーンの様子があきらかにおかしく、台本にないことを口にし始める。そして近づいたスタッフを一瞬で火だるまにしてしまう。本物の悪魔に取り憑かれたレーンをマックスとドリューは救い出すことができるのか。
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“ヤラセ番組を撮ってたら本当の霊が出てきちゃった”

という意外とよくあるフォーマットではありますが

細部に渡り非常にレベルが高く、見応えがあって最後の最後まで面白かったです。

この手のフォーマットの作品はあまり盛り上がらないし低予算感が滲み出る印象だったんですけど
この作品はそれらを一切感じさせない素晴らしい映像と脚本でした。

スタッフが燃え盛るシーン
ここのインパクトがすごかったです。

90分という尺の使い方がとても上手く
導入から本物の悪魔が現れる生配信までが20分程であとはずっと戦い続けます。
我々視聴者も1時間の生配信をリアルタイムで見ているように感じます。
ほぼワンシチュエーションになりますが、マックスとドリューの回想シーンや世界各国の視聴者のリアクションが絶妙なタイミングで挟まるので間延びしません。

ライアン・グスマン演じるマックス

マックスが冒頭からかなり天狗で態度も悪く、いい気になっているので最初は好きになれず
視聴者から嫌われる主人公で大丈夫かな?
と思いました。

しかし物語が進むにつれて生い立ちやトラウマ、ドリューとの関係性などが明かされていき、悪魔に命じられたからではあるものの己の罪を洗いざらい視聴者に告白します。
それによってマックスがどういう人間なのかが分かり、最後は悪魔相手に命懸けで戦うマックスを一緒に応援してしまいました。

登場人物の描き方が上手いのでマックスにもドリューにも感情移入できるがすごいです。

この四足歩行のクリーチャーの造形にも
こだわりを感じます。

悪魔の名前や効果のある詠唱を「悪魔に関する電子百科事典」というインターネット上のサイトで調べているのも都合が良すぎると思いましたがそれすらもフリでした。

つくづく構成が巧みな脚本です。

前述しましたが中盤から世界各国で配信を見ている人達や群衆がちょいちょい差し込まれるので作品にリアリティが増して非常に良かったです。

大統領の息子、若い警官、コワモテ料理人、車がエンストしたお姉さんなどキャラが分かりやすいのも好感が持てます。

そして
その人達全員がラストのフリになっている
というのがまた上手いというか憎らしいです。

現在視聴できるダミアン•レベック監督作品はこの「バトル•インフェルノ」のみですがこれからも追い続けたいと思います。
この監督は要チェックです!

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