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低クオリティを楽しむ映画【ホラー映画を毎日観る人】(324日目) 「シーワールドZ」

「シーワールドZ」(2021)
グレン・ミラー監督

◆あらすじ
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休館中のシャイニングシー水族館で生き物の様子をチェックしていた獣医師が瀕死状態のタコを発見、すぐさま治療のために薬物を投与したところタコはゾンビ化しスタッフたちに襲い掛かる。その薬物はエデン動物園から届いたもので、同動物園ではその薬物が原因で動物がゾンビ化し人々を襲う事件が起こっていた。その後、タコのウイルスは水を経由し次々と他の生き物をゾンビ化していくのだった。
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同監督が手掛けた「ズーンビ」の続編というかスピンオフのような立ち位置の作品です。

前作は舞台が動物園、今作では水族館になります。
「ズーンビ」、「ズーンビ ネクスト•レベル」は未視聴ですが内容はかなり似通っていそうなので今作から見ても全然大丈夫です。

時系列には「ズーンビ」の騒動の後です。
こっちのジャケ写もかなりのインパクトです。

発想はシンプルだけどめちゃくちゃ面白いです。

従来のパニック映画だと凶暴化したサメなりワニだったりが人々を襲う作品が大半ですが今作は水族館が舞台なのでありとあらゆる生物がゾンビ化し人々を襲います。

サメやワニはもちろんのこと、魚、タコ、蟹、ヒトデ、イルカ、セイウチととにかくバラエティに富んでいます。

こういうシーンはワクワクします。

顔面に引っ付く殺人ヒトデや通気口を利用して館内を移動する神出鬼没な巨大タコは非常に面白いです。

残念ながらそのゾンビ生物達のCGはかなりの低クオリティで迫力不足は否めません。襲い掛かる際のグロ描写も一切ありません。せいぜい引き剥がしたら顔に傷と血糊がついてるぐらいです。

ラスボスのタコはビジュアル的にもかなり良かったです。

水を経由して他の生物に感染していく様子がほとんどなく、いきなりゾンビ化した状態で現れます。
感染経路について説明セリフだけで表現していたのでそのあたりをもう少し丁寧に描いた方が親切な導入になるのではと思いました。

あとびっくりするくらいにセリフがまどろっこしいです。

警官(A.B)の会話を例に挙げると

A「電話番号がわかった」

A「呼び出し中だ」

A「自動音声になった」

A「11時まで開かない」

B「じゃあ裏に回ろう」

みたいな感じで状況やらを全部セリフとして言ってしまうのでやきもきさせられます。

スタッフ(a.b)のやりとりは

a「スマホ貸せ」

b「自撮りでもするの?」

a「懐中電灯代わりだよ!」

b「わかってるよ、ジョークだよ」

a「笑えないジョークだぜ」

本当に笑えないです。

上記のような会話ややりとりが随所に散りばめられており、女性がサメに襲われている様子をリアルタイムで別室のモニターで見ているスタッフが「さぁ、早く!」「逃げて!」など見当違いの指示を出しているのも意味が分かりませんでした。

この状況で「逃げて!」と言われても無理です。

なんですけどおそらくこのグレン・ミラー監督の作品は今作のような面白い発想の中で繰り広げられる低クオリティなCGやまどろっこしい会話を「しょうもねぇなぁ」と笑いながら見るのが正解のような気がしました。粗を指摘するのは野暮かもしれません。

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ちなみに脚本を担当しているマーク•ゴッドリーブ氏が担当した他の作品を見てみると割りと似通っているというかこういうB級パニック系を得意としているのが分かります。

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