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遠くで光る星がまたひとつ消えた
遠く、その星は気高く、何からも等しく距離をとりつつも異なる他者と適切に影響しあうことを歓び、宙に浮き続けることを美として極めようとしていた。その心は侍のように強くしなやかで精悍だった。
とても輝いて見えたそれがしばらく経ったらどうだろう。
気高さは安易な粉飾心に成り代わり、ホモソーシャル、同質的なもの同士の馴れ合いに埋没してしまった。
輝きは失われた。
残念でならない。
空を見れば光る星がひとつ消えた。
![](https://assets.st-note.com/img/1697382516132-e2vDzbWK8u.jpg?width=1200)
しかし私は空を見ることができる。
それもとびきり広い空を見たから、たとえ全部が見渡せないところにいても、あの大きな空を思い、本来的で根源的な広さを感じることができるのだ。
なんなら、見渡せないからこそもっとずっと広く感じる。
水平線のあるべき位置に小さな建物がひしめいていると、それがかえって空の大きさを引き立たせる。
かつて光っていた星はもう閉じた目のまぶたの裏でしか見ることができないが、目を開ければいつでも広い空が見える。
これを歓びとして美を極めよう。わたしの番がいよいよ来たのだ。
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