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番外編(1)。日系大企業の不条理と、2つの生き抜き方

前回までの記事で「ゆるい転職戦略」の1つの紹介が終わりました。
今回は、次の戦略をお知らせするための基礎知識として、以下について紹介します。
・日系大企業のよくある不条理
・日系大企業を生き抜く方法

本内容ですが、私の前職と、私の友人からのヒアリングも含めて4社ほどで共通するものをピックアップして紹介します。


日系の大企業でよくある不条理

●査定(成果評価システム)は、平均±1しか使われない
例えば、評価システムがA(最高)~E(最低)であったとしても、実際に運用されるのはBCDのみです。割合は、B:20%, C:78%, D:2%くらいでしょう。たまに、やる気を出させようと平均をBにすることもあります。この時の割合は、B:78%, C:20%, D:2%くらいになります。(98:2の法則)
同期と情報共有してしまうと、このあたりの実態が見えてきますね。

査定(成果評価システム)で1段階変わっても、収入への影響は小さい
査定システムの評価1段階で変わる収入の額は大きくても年収の3%くらいです。年収500万だとして、1段階で15万くらいですね。上位20%に入ってやっとそれくらいの違いです。

昇進に必要なのは、年齢(学歴) と 人並みの成果
残念ながら役職を得られる最低年齢が決められています。
そのため、メチャメチャ成果を上げた若手が居たとしても、並みの成果で生き抜いた中堅を抜かすことは不可能です。
20代で課長以上相当職なんて見たことがないです。社員リストなんかでも若手で課長なんていないという事がわかってしまいます。

仕事をさせるための上の言い訳は「ステップアップ」
実際には昇進には最低年齢が決まっています。つまり、現時点でこれ以上頑張っても昇進はしないという状況は明確なのに、上司は「一つ上の仕事をやらないと上がれないよ」「これもステップアップだから」という言葉を使います。が、昇進の必要条件である最低年齢までは絶対にステップアップしません

課長くらいまでは、みんな昇進する
時間をかければ、いつの間にか、みんなだいたい課長くらいにはなります
ゆっくり動くエスカレーターを想像して下さい。
そのエスカレーターには年齢(学歴)順に人が乗っています。
毎年、査定で平均点を取れなかった人(約2%)が、エスカレーターをたまに降ります。この降りた人の昇進は1年遅れることになります。が、1年後に評価を戻せば、エスカレーターに戻ることはできます。

昇進に差がつくのは40歳を過ぎてから
どうしてもポジションの数の関係上、部長くらいになるとその役職に就ける人は限られてきます。成果を上げてきた+上層部に気に入られた人がそのポジションに就きます。
また、大企業で育ってしまった場合、40歳以降ともなると、社内政治・社内のみに通用する仕事 の割合が増えてしまっています。
そのため、昇進レースに負けても、転職するのは難しいのではないかと推定します。

上層部のポジションが増えていく
組織再編と言う名目の下に、上層部のポジションが増えていきます。
実態は、仕事のやりやすさ・エンジニアリングファーストを考えた再編ではなく、上層部の方の友人を、そこそこいい役職にするためにわざわざポジションを作るのです。
こういったケースでは、会社は拡大をしているフェーズではなく、横ばいであるケースが多いです。よって対外的に魅力も低いため社員が増えません。+組織再編が多い企業は、完全に黄から赤信号です。恐らく誰も、組織再編によって誰にとっての何が良くなるかについて、回答ができません


日系の大企業を生き抜く方法

乗りこなす方法はいくつかあります。
以下の考え方で、それぞれの乗りこなし方を見ていきましょう。
「経験を積む」と割り切る
一生、大企業に働き続ける

「経験を積む」と割り切る
大企業の多くはやる気を好みます。また「手を上げれば、難しい仕事をやらせてもらえる」と言う点はおおよそ事実です。
大企業を「経験を積む」と割り切る場合は、積極的に手を上げて挑戦をすることをオススメします。挑戦の中で、自分なりの工夫を試して沢山失敗をしましょう。社員一人が大失敗したくらいでは、傾かないのが大企業の良いところです。ただし、大成功しても評価されません。

あくまで、将来、転職するときのエピソードとして考えてください。「こういうことを先陣を切って試した」、「人を巻き込んでこういったことをした」といった具合です。加えて「結果、こういう成果となった」、「結果、こういう失敗となった」という点も抑えておいてください。
これらはすべて、あなたの職務経歴となります


●一生、大企業で働き続ける

この覚悟がある場合のもっともよい方法は、赤点を取らないぎりぎりのラインで働き続けることです。前述の98:2の法則で、2(赤点)に当たってしまうと昇進や昇給に影響が出てしまいます。つまり、ここさえ避ければよいのです。
加えて、部の8割程度は同程度の評価しかつきません。この8割の中の上位でも下位でも昇給は一緒です。平均より少し下になるくらいを目指すのが快適で、かつ責任も負わずに、昇給も人並みにするという最も良い状態を続けられます。
そこを見つけることで、ワークライフバランスを保つ+副業もできるという状態になるでしょう。


まとめ

今回は、大企業における不条理と、その不条理の中でどう生き抜くかについて書かせていただきました。
大企業も変わりつつありますが、そもそも・・・
・不条理な制度の中で昇進した人は、制度の不条理に気づけない
・よって、是正する意味も感じない
と言う構図が成り立っています。よって、これらがすぐに変わることはあり得ません。

次回は、「ゆるい仕事戦略。」として、大企業で経験を積むを選んだ場合の、ゆるい生き抜き方について紹介をさせていただきます。


今回も、読んでいただきありがとうございます。
先週のアクセス数が100を超えたようです。これはすごい。。。
もう少し、頻度を上げて更新できるように頑張ります。


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