2冊目【蟻地獄】を読んだ
【蟻地獄】
著者:板倉俊之
発行:リトルモア
これまたインパルス板倉俊之さんの本で、知り合いから譲っていただきました。
この本は、一攫千金の方法を思いつき裏カジノに行ったことをきっかけに犯罪に巻き込まれてしまう青年のお話。
今行ったのは私が勝手に要約しただけだから絶対足りない説明ではあるんだけど、本当に面白かったです。
私が1冊目に読んだ「トリガー」より面白かったなって思いました。
本の厚さ的には本当に分厚いんですよ、トリガーと比べ物にならないくらい。読書に慣れてない私に本当に読み切れるかなーって思ってたけど読み始めたらもう止まらなくて。就寝時、電気を消した後もちょっと読もうと思って携帯の光を使って読んでしまったくらい。
蟻地獄ってどんな生き物かわかりますか?
まあ名の通り蟻を地獄に落とすかのように穴に引きずり込んでしまう虫なんです。
その虫を主人公は捕まえて観察してたんです。
そしたらもちろんほとんどの蟻は地獄に落ちてしまうけど、1匹だけ助かった蟻がいた。
主人公は賢くて物語が進むにつれて悟ってるかのように冷静な青年ではあるんだけど、きっとその助かった蟻のことがすごい心に残ってだんだなって。
全然本文にそんな表現はないんですけど、わたしはこの蟻がヒーローに見えたんじゃないかなって思ったんです。
物語が進む時にところどころ比喩として蟻地獄に引き込まれる蟻の描写を使ってることがあります。
主人公は冷静な人間で一見世界に希望を持ってない人間ぽいけど、あの蟻のおかげでどんな逆境にもすこしだけ希望を持てる。
そのおかげですこしでも足掻こうと色んな策を考えてみようとすることができる。
なんかそれがすごい私には素敵な物語に見えました。
内容的には犯罪に巻き込まれて良いことなんてほとんどない数日間のお話なんだけど、そのおかげで胸糞悪くない、なんかどこか暖かいものがたりに見えました。
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