名探偵コナンから自己紹介を考える

自己紹介というものを、したことがあるだろうか。
とりあえず文章の始まり方としてこういうのがええんやろなと思って適当に言っているだけで、自己紹介やったことがないやつはいないと思うけど。

この自己紹介。
皆様、困ったことがないだろうか。

例えば、学校で学年が変わり初めてのホームルームで、自己紹介と一言、みたいな流れになる。
出世番号の早い順から、名前と一言を言わないといけないわけだが、この「一言」で何を言えばいいかに迷った経験はないだろうか。

だいたい、前の人が作った流れの「好きな本」とか「趣味」とかのあたりさわりないもを選んで、その場のお茶を濁すが、令和のこの時代。

正直、好きなものを言ってもコンテンツがありすぎて同志を見つけづらいし、オタクだとバレないように発言をしてみようと思っても、そもそもオタクになる前の記憶が無いから話すことが無い。

アグレッシブ記憶喪失を起こしているせいで、今後の会話に繋がりそうな一言なんて思い浮かばないのである。

そのせいで、就活の時に「簡単に自己紹介をどうぞ」て引くほど困って１分間黙ったことがある。放送事故。

なので、今回は、同じ失敗をしないように名探偵コナンの冒頭の紹介から、自己紹介に言うべきことを探っていこうと思う。

アバンという存在

ところで皆様、アバンという言葉をご存じだろうか。
アバンとは「アバンタイトル」や「プレタイトル」といわれるもので、アニメや映画で本編に行く前に流される（オープニングの前とか）ものである。
作品ごとに違って、前回までのあらすじや、本編の導入となるエピソードを流すもの、作品の伏線となるものもあったりと、多様だ。
このアバンで、名探偵コナンは自己紹介を行っている。

名探偵コナンのアバン

名探偵コナンのアバンは有名だ。
主人公、江戸川コナンの誕生に触れている、工藤新一の自己紹介。

アバンの内容はこうだ。

「俺は高校生探偵・工藤新一。 幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、 黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。 取引を見るのに夢中になっていた俺は、 背後から近づいてきたもう１人の仲間に気付かなかった。 俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら・・・ 体が縮んでしまっていた！
『工藤新一が生きていると奴らにばれたら、 また命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ』
阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は、 蘭に名前を聞かれて、とっさに『江戸川コナン』と名乗り、 奴らの情報をつかむために、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。
ところが、このおっちゃん……とんだヘボ探偵で、見かねた俺はおっちゃんになりかわり、 持ち前の推理力で、次々と難事件を解決してきた。
おかげで、おっちゃんは今や世間に名を知られた名探偵。
俺はと言えば、小学生に逆戻り。 クラスメートの歩や元太、光彦に少年探偵団を結成させられる始末。
ではここで、博士が作ってくれたメカを紹介しよう。 最初は時計型麻酔銃～（映画版だと、ここからその映画に出てくるメカが紹介される）
ほかにもいろいろあるけど、一番の武器はやっぱりここさ。小さくなっても頭脳は同じ。 迷宮なしの名探偵。真実はいつも１つ！

ちなみにこれは劇場版。

アニメだと最後が「たったひとつの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コナン！」になる。

ここでの自己紹介で言いたいことは江戸川コナンが工藤新一であり、高い知能を持っていることや黒づくめの男たちから身を隠していること、蘭や少年探偵団との関係性である。

この関係性というものを理解していないと、名探偵コナンは見ることができない。

コナンの背景を知らないと、現場に勝手にしゃしゃり出てきて場を荒らすクソガキなのだ。

つまり、物語を楽しむために必要な前提知識を説明することで、アニメ本編を違和感なく鑑賞することができるようにしているのだ。

つまり、自己紹介では、今後自分と付き合っていくにつれて、知っておいてほしい前提知識を言えばいいのではないか？

自己紹介を作ってみる

それでは、名探偵コナンのアバンに習って、自己紹介作成してみよう。

とはいえ、黒づくめの組織に追われたこともなければ、身体が縮んでしまったこともない。

そしてなにより大切なことは、名探偵コナンのアバンは「見ている第三者には知っていてほしいけど、アニメの登場人物たちには公開していない情報」なのである。

つまり知ってほしい人には知っていてほしいけど、知らないでいてほしい人には説明しなくていい情報を出す必要があるのだ。

途端に難しくなってきた。

例えば、持病はいろんな人に周知しておいて、いざという時に助けてもらう必要があるかもしれない。
だがしかし、人に助けてもらう必要がある持病や、命に係わる持病は持ち合わせていない。

せいぜい痔ぐらい。

だからといって誕生日なんてものは、自己紹介をする距離感の人間は、大抵知らなくてもいい情報である。

では、何が必要か。

私が導き出した答えはこうだ。

通勤時間は１時間の距離に住んでいます！！！！！！！！！！

面接で言っとけ。