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人を頼る人は、弱い人でも無責任な人でもない

自立とは依存先を増やすこと、って熊谷先生のお話を初めて聞いたのは何年前だったか…頭の中にぼんやりあった自分の主張が「こうやって言えばいいのか」って妙にすっきりしたことを覚えている。

とはいえ現実は
「すぐ人に頼るな」
「自分でちゃんと責任もってやれ」
そういう言説にあふれているし、私もそんな風に言ったこともあれば、自分を詰めたこともある(笑)。

「わかりませーん」って言われると「考えた?」って言うし(今も)、「できませーん」って言われたら「・・・」って聞こえないふりもする(笑)

でもね、それとこれとは両立していて矛盾はしてないと思っている。

やり方がわからないのに一人でもんもんを考えて締切過ぎちゃう部下は、やっぱり「早くちゃんと頼れ」って思うし、一人で抱え込んで無茶しながら綱渡りしようとしている友がいたら、「言ってよ!手伝うし」って言う。
冒頭の
・すぐに人に頼るな
・自分でちゃんと責任もってやれ
とデフォルトで言われるような人はよい。たいていはめげないタイプだし、声上げてくれるから早めに発見できるし笑、その人たちに「当事者意識持ってやりきってもらう」工夫や関わりは別の話だから。

それじゃなくて、
・一人でやらなくちゃ
・私の仕事なんだから
・人に頼るなんて弱い人間のやること
…のように考えるのがデフォルトの人に向けて書いている。

大事だなと思うのは2つ。

①頼るタイミングが違う
②頼り方が違う

①について
かなりの方がひっぱってひっぱったあげくのタイミングで頼ろうとする。そして「え…もっと早く言ってくれたら」ってなる。
私で言えば、今後のキャリアを迷う人が「ある程度は自分で考えて方向付けしてからじゃないと相談できない」と言っている状態かな。そこに至るまでが大事なので「思い立ったらその課題整理をするために使って」なのだが。さらに!「〇〇資格をとるのでお金払いました」「辞めちゃいました」「転職内定しました」ってタイミングじゃなくて、その前にお願い…

たとえば…新しい仕事を振られたけど、ちょっと不安、として
→まずこの時点で「どういう気持ちでやればいいか」「どんな取り組み方が求められているか」のイメージをすり合わせてみる、とか
→その後も進めていくうえで「情報収集」「外から見たアイデア」のように材料を仕入れるために聞いてみる
→自分の意志決定に必要な「勇気」を得るために頼る

プロセスをなんとなく共有しておくと、自然な形で「〇〇なら知ってるから、頼って」なんて声がかかったりもする。

でも、良くないパターンは、自信がないからプロセスを隠す。こっそりやる。困ってないふりをする、だよね。私も遠い昔身に覚えがあるし、部下にもこのタイプがいたことがある。これはほんと誰にとってもよくない。

②についても、上にも少し書いたけれどもあくまで自分がやる前提で「材料ください」が大切。でももちろんそれさえわからないことはあるので「どう考えればいいですか」「全体設計の進め方教えてください」というような形もあり。でも「全然わからないのでやってくださーい」とか「無理です~」とかいきなり投げ出すのは違う(笑)。

もちろん頼る相手がずれていたら「あちゃー」ってなることはある。
たとえば「こんなこともわからないのか」といきなり叱責する人、やたら細かく逐一指示だししてコントロールしてくる人、これは相手が悪い。次から避けよう(笑)。あるいは対処法を変えよう。
でももし、あなたが何かを求めた相手が「んー、それ考えるのが仕事じゃない?」って言ってきたら、「頼り方があまりに丸投げだったのかも」ととらえなおしてみるといい。何か自分なりの案(出来不出来はよい)を持ってもう一度トライしてみよう。そんなことはよくあることだし、必要なプロセスだから。

いずれにしても、一人に頼って外れたからって「自分がだめなのか」「こんなこと頼るべきじゃないんだ」という思考にならないでね。そういう白か黒か思考が一番ダメだから(笑)。
相手にも状況があるし、気分もある。それとあなたのタイミングが合わなかっただけかもしれない。別の人に頼るほうがいいのかもしれない。それだけのことなので。

人に頼れるのは弱さではなく、強さだし、無責任ではないってことは強く主張しておきたい。仕事だけじゃないからね、もちろん。

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