見出し画像

聴けない人のパターン、聴けている人のパターン。

会社の研修に出たことのあるみなさん、グループワークとか、ペアワークとかやったことありますか。
わたしのやっている研修領域は、キャリアとかコミュニケーションとかが多いので、語りあい聴きあう時間はとても大切にしています。

理由はたくさんあるのですが、今日はそこじゃなくて、「聴けない例」と、「聴けている人の例」を紹介します。それでどれほど「その場の豊かさ」が違うかってことを、知ってもらえたら、そしてご自身の日常で使ってもらえたら嬉しいと思います。

さて、こんな場面。
「これまでの仕事で心に残っていること=頑張った仕事体験」を話そう~というペアインタビュー。わずか10分くらいの時間に過ぎないのだが、聴けない人はこんな感じ。

聴「心に残っている仕事…教えてください」
話「えっと、たいしたことじゃないんですけど、新規で始めた事業の協力者集めをしなくちゃいけなくて、短期間に100人のリストが必要で、なんとかやり切れたことかなあと。まあ…」
聴「そうですか。リスト集め100人…すごいですね」
話「まあでも、上司も手伝ってくれたんで」
聴「…あっと、ほかにありますか」
話「いやあ、あとは…先輩から引き継いだ仕事で、なんか上手くいってなかったみたいで、お客さんからクレームが来て、それが金曜日の夕方で上司がいなくて…対応が大変だったことかな。」
聴「先輩の引継ぎでクレームって、それ、酷いですね。」
話「そうなんですよ。でもまあ、お客さんがいい人でわかってくれて、今はけっこう上手くいってるからまあ、仲良くなれたんですけどね」
聴「へえ。さすがですね」

…まだあと5分ありますよ、みたいなタイミングで「しーん」ってなってます。一応頑張って聴いたみたいなんですけどね、この手のタイプ、ものすごく多いです。

さて、聴ける人に変わるとどうなるでしょう。ちょっとみなさん脳内でイメージしてみてください。

聴「心に残っている仕事…教えてください」
話「えっと、たいしたことじゃないんですけど、新規で始めた事業の協力者集めをしなくちゃいけなくて、短期間に100人のリストが必要で、なんとかやり切れたことかなあと。まあ…」
聴「そうですか。リスト集め100人…すごいですね。どんなふうにやったんですか?
話「まず上司が他でやったやり方を聞いて、そのパターンを即そのままマネしてやってみて、あと、自分で考えてやり方変えてみたりとか、周りに他にやった人いないか探したりとかして…上司も結構手伝ってくれましたよ」
聴「いくつもパターン試しているんですね?それはどんなタイミングで?
話「いや、上司に聞いてその日にすぐやってみてあんまり反応がよくなかったんで、夕方ちょっとアレンジして変えてみたんですよ。それで翌日は上手くいってたんだけど、よく考えてみたら隣の事業部でAさんが似たようなことを騒いでたなって思い出して、ちょっと聞いてみたら秘策があって(笑)、そんな感じで次々と…気が短いんで早く結論出したいんですよ」
聴「すごい!アイデアとか、行動力とかめっちゃありますよね?人に比べても早いほうとか?そう思いません?
話「そうかな(笑)、考えるより動きながら変えてくほうが好きなんだよね、多分。確かに行動は早いのかもしれないなあ。そういえば、先輩から引き継いだお客さんが、先輩が引継ぎ忘れてた案件でどうなってるんだ!?って激怒してきたことがあって、金曜日の夕方だし上司いないし困ったんだけど、とりあえず即訪問して、話聞いてできるだけの対応をして、完全じゃなかったんだけどまあ、それだけはやったんだよね。そしたら結構信頼されちゃって、仲良くなれてラッキーって感じだったこともあったっけ。」

冗談のように見えるかもしれませんが、これ、実際によくある違いです。
たとえばペアワークをしていると、奇数グループで一人余ったりするので、そういうときに私が入って相手役をすることもあります。終わったあとで「聴き手から他己紹介」のように、インタビュー内容をグループ内で発表しあうこともありますが、そうすると「話の厚み」が全く異なっているわけです(手前みそですけど、こちら聴くプロなので・笑)。でも中には本当に深く聴けているペアもあるのです。そういう人はちゃんと相手の話に興味を持ち、一歩深めて聴いています。

もうひとパターン書いてみましょうか。今度はこれまでの数年間をふりかえって、自分にとって楽しいとき、つらいときはどんなとき?というテーマでのインタビューです。

まず聴けない人の例

話「3年目には上司が変わって、そこ、人間関係が最悪でさー、つらかったなあ。でも翌年に自分が異動して、そしたら人間関係がすごくよくて、仕事が楽しくなったよね。そこから3年くらいたつかなあ。」
聴「わかるわー。上司って、ほんと影響あるよね」
話「そうそう。選べないしさ」
聴「人間関係は絶対条件だよね。楽しさの。うん、わかるよ」
話「やっぱそうでしょ?ほんとそう思うわ。異動できてよかったけど、また上が変わると心配だよ」
聴「そうだよねえ。人間関係、ほんとダイジだよね」

聴ける人の例


話「最初はまあ普通にやれてて楽しく…ってほどじゃなかったけど、でも3年目には上司が変わって、そしたら人間関係が最悪でさー、つらかったなあ。でも翌年に自分が異動して、そしたら人間関係がすごくよくて、仕事が楽しくなったよね。そこから3年くらいたつかなあ。」
聴「上司が変わった…どんなタイプの人だった?
話「えっと、細かくてさ、ネチネチ色々指摘する人だったなあ。」
聴「細かい人だったんだ~。で、人間関係最悪になったの?どんなふうに?
話「だからさ、全体ピリピリしちゃって、上司がいないときにみんなで悪口言ったりしててね、仕事を前向きにやろうって雰囲気がなくなっちゃったのよ。わたしそういう陰口いう人苦手なんだよねえ。」
聴「そっか。仕事を前向きにやっていきたいって環境じゃなくなったのが、いやだったんだ
話「そうそう。仕事の話をもっとしたかったんだけど無理で、だから異動できてほんとよかったよね。今のところ上司が任せてくれる人で、みんなも結構仕事好き!って感じで、厳しいところもあるけどいい環境で成長できるなって思う。ま、今の上司だからかもしれないけどね」
聴「そうか。成長できるって思えることがダイジなんだね

どこがどう違うか、自分はどうやっているか、思い返してみてくださいね。ほんとうに「あー!」って思うモッタイナイ場面がとっても多いのです。でも、うまく聴くと相手が嬉しいだけじゃなく、自分にもたくさんの発見があったり、相手との心理的な距離が縮まったりして、つぎにつながるよい信頼貯金にもなります。

そうすると「自分とは違う人」が苦手と思うより、
「違うからこそ聴いてみたい」ってなりますよ。
それで広がる世界は、かなり面白いですからね。

****

Twitter(@tmshibatano) 、Facebook(柴田朋子)でもいろいろ書いています。フォローお待ちしています♪

***

【お仕事の問い合わせはこちらです】
◆(個別)キャリアコンサルティング 対面orオンライン
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(90分) ※対面は主に名古屋市内
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
7700円(45分)×3回 ※フォーム上では「その他」を選択してください

【8月の予約可能日】
25日、26日、31日
※ここにない日程でも夜ならば可能な日もありますので、ご相談ください


サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡