そろそろ枠を受け入れてきた人生から、枠を外す人生に向かおうよ。

55歳からの生き方、働き方
…そんなテーマで2週連続のセミナーをお引き受けした。

こういうと「会社員の男性向け？」と思いがちだけど、これは女性センターの企画で、参加したのは全員女性。会社員もいれば、じゃない人もたくさんいる。年代は50代から60代後半まで幅広かった。

2時間×2日間。
たいして時間はない。
どういう構成にしようか、と考えつつ結局はシンプルに。
これまでのふりかえり　と
ここからをイメージする　の2回。
でも私がやるのだから、一方的にお話なんてしない（できない笑）。

参加者は「今すぐ稼ぎたい」という人、よりも（そういう人はこんなまだるっこしい企画には参加しない）「この先を考えて今から何かしたほうがいいのでは」「そう言われると何も考えてないわ」のような方が多くて、一部「タイトルを見てなんとなくピンときた」って人も（潜在的な何かにヒットしたんだろうね）

ちなみにやらなかったことは
・ここからのファイナンシャルプラン
・老後はどう稼ぐのがお得か
ってことで（そもそも私には出来ないけど・セカンドキャリアってこのテーマが多いのよ、世間では・笑）
もちろん
・今すぐお得な仕事の選び方とか
・これから始める起業　なんて話もしない。そういう人はどうぞお引き取りを、って初回に言っておいた（笑）

初回。
今の自分をどんな人だと思っているのか、自分はこれまでどう生きてきて何を喜びに思ってきたのか、心躍る瞬間にはどんなことが必要なのか…
３つもワークを詰め込んだのだが、さすがミドルシニアの女性集団、初対面でもよくしゃべってくれるし、自己開示もできちゃう。
けれども聞いていると語りの中に出てくるのは、「自分を外側から見た形容詞」だらけ。それと「求められる自分を一生懸命やってきたこと」が大半。
もちろんそれを、苦しみではなく充実感や喜びの中でも語っているのだけれど、自分そのものが薄い。

これまでの自分の大切にしてきたこと、をボンヤリと言葉にしながら初回は終わり、次回までに「幼い頃の自分のあこがれの人」を考えてくる宿題を。

そして2回目。
これからを考えるために「自分が何を望むのか」を２つのワークで考えてみる。宿題から見えてくる「自分がありたい姿」を語りながら盛り上がる人たちもいれば、困惑する人もいる。そして「自分が（昔も今も）こうじゃないから、ただないものねだりしていただけで」と言う人もいる。何かを評価したい場じゃないのに、今の自分がそれをまっすぐ語ることなんてできない、と言わんばかりに、「外から見えている（と思っている）つまらない？自分像を枠にはめてしか」語れない人がいる。

最後のワークでは、ほぼ妄想ばかりを語ってもらう。
先のワークに描いた「そうありたい自分になって暮らしている日々」を具体的に置いたあとに、そこにつらなった日々に何が起きたかを妄想してみる。ええ、全部妄想なので、何をどう描いたってよい。
キャッキャしながら書いてしゃべる人、やたら具体的なプロセスを語る人（みんなに「もうそれやろうよ」と言われる笑）がいるなかで、固まってしまう人もいる。
「いや私なんて」「そんなこと言っても今がこんなだし」「親がどうなるか、それは私がやらなくちゃいけないし」みたいな言葉が口をつく。枠から出ようとしない。

うん。そうなる人もいるよね。
このワークを過去に何度もやっていて、いつもそういう話がでる。
時には「神の手」を期待するだけの（宝くじが当たって～になって～）みたいな話に終始する人が出る（ちなみにそういう「神の手」の話は禁止してある笑）。

いろいろ思うようにならなくて今ここにいる。
だから私なんて～なんだ。
…もし心からそう思って納得していたなら、こんなとこには来ていないはず。「ワークは苦手だから、聞くだけのセミナーだと思ってきたのに」という人もいたらしい。それでもこの場に来ているエネルギーは嘘じゃない。

そう思っている。

誰にも制約はある。引き受けている役割もある。
それを「やるかどうか」は実は自分のとこにボールがあるってことを、人は長年やり続けていると忘れちゃう。そのボール、投げ返すとか別のところに置くとかやるかどうかは自分が決めなくちゃ始まらないんだよ。
「どうせ無理だし」「今までだって無理だったし」
そう思っても、どうにかしたいという気持ちがあるなら、もう一回やろうとしてみるしかないよね。あなた自身が。

55歳という記号は人によって意味が違う。
それが60歳でも65歳でもいいけれど、ようは、期待される役割から自由になり始める年代ということ。期待される役割に応えることだけし続けていると、それがないまま「自分」ってやつで歩み出すことに不安や戸惑いが出てくるのが、この年代。だからその役割という枠を手放さずにしがみつく人もいる。その弊害は周りにでる。子どもや孫に干渉しすぎて自立を阻害する親や、退職した会社に顔を出して疎まれる人や、地域でなにやら威張っちゃう人や…ほんと、いろいろ。ええ、男女問わずの話ね。

お金が必要かどうか、介護が子育てが…いろいろ事情は違うけれど、それでも「自分のこと考える責任者は自分」なんだってことは、忘れないでほしい。そして、面白くしようって思ったら変わっていくのだということもね。

今までうまくいかなかったから、っていっても、あなたが諦めない限りあなたの人生は続くんだから。

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