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【ライブ日記】ストレイテナー "Applause TOUR "@神戸国際会館こくさいホール 2021.2.21


ストレイテナーは大阪なんばHatchで観た”Drawing A Map TOUR”以来。
現在の状況になる前に参加し2019年を締めくくったライブなのでもう遠い昔のようだ。
(※毎度のことですが自分語りが大半の記事です)

1.雑記・ライブに向けて

とにかく楽しみにしていた。
年末から1月にかけてこのライブの為に大人しく過ごしたようなものだったから。

アルバム『Applause』は力強い音作りで、メンバーの個性がよく出た楽曲満載でとても気に入っている。
どんなシチュエーションで聴いても間違いがないストレイテナー指折りの名盤だと思う。
集計したわけではないが2020年の代表アルバムに挙げている人をよく見かけ評判も良い。
Applauseや他のアルバム、ライブ映像などを予習し当日まで過ごした。

近場なのでのんびり構えていたら、のんびりし過ぎて乗車予定より2本遅れて神戸三宮に到着 笑
さらにスマホの充電が不十分なことに気づかず、急きょ充電可能なカフェでしばらく待機するなどプチトラブル(?)もあったが、地理感がある分そこまで焦ることなく会場へ向かう。

神戸国際会館には何度か出入りしたことのある馴染みがある施設だが、ライブでは何気に初めて。
上階にある映画館、神戸国際松竹には度々お邪魔している。(アニメ映画が強いので)

全席指定のため入場は到着順だった。なので開演少し前に来ても構わなかったが、会場の雰囲気を少しでも長く味わいたかったので開場時間には並んで待っていた。

検温とチケット確認を済ませ物販ブースへ。ツアーのフェイスタオルをゲット。
キャッシュレス決済対応だったのが有難かった。

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2.ライブ開始

そうこうするうちに開演時間を迎え、お客さんがぞろぞろと立ち出す。
私含め大丈夫なのかと戸惑っている人もいたが、前方を塞がれると見えないのでほとんどのお客さんがつられて立見することに。
思わず一年以上できなかった久々のスタンディングライブとなった。
まぁ何かあれば私ともども連帯責任ということで。

出囃子は近年お馴染みの"STNR Rock and Roll"。手拍子でメンバーを迎える。
始まったんだと実感する時間もほどほどに、”叫ぶ星”でアクセル全開の開幕。
青いヘアカラーが映えるシンペイさんの力強いドラムさばきに圧倒される。抜群にカッコいい。
ひなっちの小気味よいフレーズに促されるように、周囲も思い思いに体を揺らしたり手を突き上げたりする。
私もすぐそうしたかったが、立見を想定していなかったことと圧倒されてライブにまだ入り切れていないことで、最初はどうにもぎこちないノリしかできなかった。

アルバムツアーはアルバム1曲目から始めるのがセオリーといっていいが「叫ぶ星」を持ってきた。
これにようやく気付いたのは少し冷静さが戻った大サビあたり。

♪ストレイテナー / 叫ぶ星
https://youtu.be/RippYp-45ek

1曲目はあわあわしていたが、続く”Ark”で「ようやくライブに来れたんだ…!これから心おきなくストレイテナーを聴けるんだ…!」という実感がふつふつと湧き上がってくる。ロックナンバーなのに涙腺が緩む。
イントロのエッジの利いたギターリフがたまらない。
ライブでより好きになった一曲。

対して3曲目はリリース時そこまで気に入っていなかったが前回ライブで聴きカッコよさに気づいた”Braver”。
一音ずつ踏みしめるように、ミドルテンポで尻上がりに盛り上げてくる曲。
この頃にはのりやすさもあって私もぎこちなさが消えていた。
ギターOJが立ち位置から大胆に離れて演奏していたのが印象的だった。

♪ストレイテナー / Braver
https://youtu.be/rvNlzyWVbGk


ここで一回目のMCタイム。
「神戸国際会館、こくさいホール…」。こくさいが二回ついた会場というのが妙に面白いご様子で、繰り返し言われるとこっちまでじわじわ面白くなってくる。
さっきまでクールな演奏をしていたのに一気にくだけた空気に変えてしまうのがこの4人の持ち味。

以降は夢中に楽しんでいて記憶が曖昧なのでダイジェストで。

Graffiti”で演奏再開。シングルで初めて聴いたとき、アルバムのオープニングとして繰り返し聴いたとき、そしてライブで。どれも曲の印象が変わってくるのが不思議だ。

♪ストレイテナー / Graffiti
https://youtu.be/MHOhlnUHfcw

そこから序盤なのに代表曲”Melodic Storm”を投入してくる。
深くリバーブがかかったイントロの単音フレーズが心地よい。
とはいえ「♪Blow! The melodic storm」と一緒に歌えなかったのはもどかしい。バンドも客席もみんなそうだろうな。

吉祥寺”ではホリエさんが近年出番が増えた青のテレキャスターに持ち替え。
ストレイテナーのギターといえばSGだが、バッキングに最適な太く鋭い音のこのテレキャスを重宝するのもよくわかる。
ただ歌に関してはサビの高音部分が結構きつそうだった。今日大丈夫なのかな?と少し思ったが、次の曲からすぐに調子を取り戻してそんなシーンがあったこと自体忘れさせた。
流石歴戦のボーカリストといったところ。

ちなみにはOJは今回最新のオーダーギターでほとんど持ち替えることなく演奏していた。
ハムバッカー搭載のジャズマスターシェイプで、愛猫の毛色をモチーフにデザインしたこだわりの一本だ。
https://twitter.com/OJ_Japan/status/1317054174417145856


そこからも”DONKEY BOOGIE DODO”などライブ定番曲を織り交ぜつつ、Applause収録曲を披露していく。
シンセサイザーを弾きながら感情込めて歌いあげる”さよならだけがおしえてくれた”。
影がある曲でホールの雰囲気にマッチしていた”Dry Flower”。
アルバム曲を初めて生で味わえた喜びと同時に、演奏し終えてしまい同じ曲はもうやらないんだという当たり前だけど受け入れないといけない寂しさがおそってくる。
ツアー全通するような行動的な人は、この寂しさを少しでも和らげて存分に堪能したいからそうしてるのかもしれない。

ライブも中盤から終盤にさしかかる。
盛り上がったセクションは幾度とあったが、”Death Game”から始めるロックナンバー3連続はめちゃくちゃ良かった。
シンペイさんのパワフルなドラムがここでも映えた。
ガラクタの楽団”と続き”シンデレラソング”でとどめを刺された。
シンデレラ終盤の畳みかけが最高。
正直に言うと大人しく聴かなきゃとかいう意識は頭から飛んでしまっていた。

♪ストレイテナー / シンデレラソング
https://youtu.be/hwVfk96veOw


再びMCで和やかに小休止し、本編の締めに入る。
スパイラル”、”シーグラス”などの聴きなれた曲を経て、ここで意外な選曲。
『Future Soundtrack』収録の”Our Land”。
高らかに歌い上げるボーカルにOJのギターが絡みあう。
じっくり聴き入る雰囲気を作り上げた本公演の立役者だろう。

その空気感のままエモーショナルな”冬の太陽”へ。個人的に一番好きな曲だ。
OJはこの曲だけはシングルコイル搭載の赤のジャズマスターで演奏していた。

そして本編ラストとなる”混ぜれば黒になる絵具”。
サビの歌詞は誰を想って書いたものだろうと想像を巡らせる。
日々の生活だけでなく音楽シーンでも色々と考えざるを得ない出来事がおそってくる中、こういう淋しさを込めた曲を届けてくれたのはファンをやってて良かったと思える。
音源ではフェードアウトで終わる曲だがライブverでは”ネクサス”のように、4人で出し切るように演奏を続けエンディングを迎えた。


メンバーはいったんはけてアンコールに控える。
本編だけで帰っても十分満足なくらいのライブだったので後はご褒美みたいなものだ。
しばらくしてツアーグッズをまとった4人が再登場しそのままMCへ。
ひなっちがベースも持たずお喋りに花が咲いてしまい止まらなくなっていたのをOJがとがめる一幕も 笑
ようやく演奏モードになりアンコール1曲目の”彩雲”に入る。

そしてラストはメジャーデビュー曲の武骨なロックナンバー”TRAVELING GARGOYLE”!
MCと前曲で和やかな雰囲気だっただけに完全に油断していた。
思わず声が出そうになるのをこらえ、何度も拳を突き出して一体感を楽しんだところでライブは終了。
規制退場を経て会場を後にした。

♪ストレイテナー / TRAVELING GARGOYLE
https://youtu.be/DkJJOP6bG9E

MCで触れた時間帯は忘れたが、関西のホールでライブをやるというのは以前から構想としてあり会場も押さえていたとのこと。
客席を空けない通常のキャパシティでライブができたらより素敵な空間になっていただろう。
こくさいが2回ついてるだけに2回目も!的なことを話していたので、いつか本当に実現してほしい。今度はマスク無しで心おきなく。


3.会場について・感想

どの曲かは忘れてしまったが、なんとなく一曲だけ座って聴いてみたところ、立見の時より鮮明な音になった気がした。バスドラムも響きに迫力が増した。
コンサートホールなので音響的に座って聴く前提で設計されてるからだろうか。
他の会場でもこうして聴く位置を変えてみると新しい発見があるかもしれない。

こくさいホールは壇上があまり高くなく、客席は階段状になっていてステージを見下ろす形だった。
3階席まであり、メンバーも触れていたがオペラのコンサートホールを彷彿させる。
今まで意識したことがなかったが、小型ライブハウスなら同目線、大型ならステージを見上げることが多い。(フェスもそう)
それで今回のライブが不満だったというわけでは全然ないが、「自分は目線を上に向けてステージを見つめる方が好きなんだ」と発見できた。

逆に好印象だったのは照明がどこか上品だった点。
ライブハウスやクラブでよくある目がやられるようなストロボで煽るようなことはなく、演奏を引き立てる心地よい光だった。
ロックライブだけでなくクラシックや堅い式典など多岐にわたるイベントを行う施設なので、「ハコの特徴」が出ていたと思う。
(劇場備え付けの照明かバンドスタッフが持ち込んだものかわからないので想像だが)
No Cut”ではステージ一面に星空が浮かぶ幻想的な照明もあった。


総括としては大満足。
細かいこと抜きにハイになる、勢いあれば良いでしょってライブも嫌いじゃないが今夜はそうではなかった。
ホリエさんの佇まいや声質のお陰か、テナーの雰囲気そのものが関係しているのか、ありのままを受け止めてしっかり楽しめたライブだった。


立派な舞台で選べないくらい見所があって、様々な感情が入り乱れる、私にとって特別な一日になった。
好きなテナーのライブと言えばこれ!と今後何度も思い出すでしょう。
ツアー開催を決断しそれを届けてくれた、ストレイテナーとスタッフに心から感謝したい。

♪ストレイテナー/New Album「Applause」/全曲ダイジェスト映像https://youtu.be/qVR3ySwNXfA

4.セットリスト

叫ぶ星
Ark
Braver
(MC)
Graffiti
Sunny Suicide
Melodic Storm
吉祥寺
(MC)
DONKEY BOOGIE DODO
Parody
さよならだけがおしえてくれた
倍音と体温
Dry Flower
Maestro
Death Game
ガラクタの楽団
シンデレラソング
(MC)
No Cut
スパイラル
シーグラス
Our Land
冬の太陽
混ぜれば黒になる絵具
【アンコール】
彩雲
TRAVELING GARGOYLE

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