#19幸せの語源

あなたにとって「幸せ」とは何ですか?

今年度から高校の社会に「公共」という科目が登場しました。私もこの「公共」という科目を担当することになりました。

冒頭の「幸せ(幸福)」や「正義」、「公正」などのように抽象的なことばが数多く登場します。生徒たちにとってこのような抽象概念は苦でしかありません。

そこで私がよくやることは、

そもそも「幸せ」とはどのように世間一般では定義されているのだろうか?

「幸せ」の語源は?

これらの問いを通して、すでに世間にあるものを見える化していく作業です。

すると意外な発見があり、議論が面白い方向に進む時があります。


「幸」の語源は「手かせ」や「刑罰」の意味。
やがて、「手かせ」をはめられる危険(刑罰にかかる)から免れたことを意味するようになり、そこから幸運、幸せの意味へと広がっていった。

「幸せ」という表記になったのは江戸時代以降で、元々は「仕合せ」と表記していたようです。「仕合せ」とは、さらに語源を辿れば「為し合わす」でした。「為す」とは動詞「する」で、何か2つの動作などを「合わせる」こと、それが「しあわせ」だという意味。

つまり、「複数人で行動を一緒にする」ことが「しあわせ」ということになる。

「しあわせ」とは状態ではなく
「しあわせる」という行動なのである。

誰と何をするのかが「しあわせ」
つながった人と何をするのか?

「幸せ」とは1人じゃ成立しないんだね。
では、ディスカッションを始めてみよう!


このように授業は進んでいきます。
「幸せ」と聞くと自分中心の思考になりますが、語源を知ることで、自分と誰かを意識するようになります。

一人で「公共」は成立しない。誰かと繋がることで成立するもの。公共という科目はそこまで考えさせるか。深いなぁ〜と感心しています。

これからはコミニティの時代。
幸せの語源を深く認識したいものです。

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