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そりゃおじいさんも怒るよね。という事故を見た。

会社帰りに横断歩道で青信号を待っていたら、反対側の道路で事故が起こった。

交差点の手前で赤信号になって停車したバイクがいた。小型のバイクで、運転手は6~70代くらいのおじいさんだった。そのバイクの横を、停まるつもりのないスピードの車がブーン!と通り過ぎ、その際にバイクの横側に接触してしまった。

接触、といっても音は「バーン!」と交差点全体に響きわたる大音量だったし、おじいさんは瞬時に右足を抱えて痛そうにした。

当然、車はバイクに触れたことに気づき、急ブレーキで停まったのだけれど、そこからが違和感で。

なぜなら、10秒20秒経っても車から降りてこない。

近くの歩行者がバイクの運転手に声をかけた。それでもまだ降りてこない。横断歩道の信号も青に変わり、わたしが渡り始めても、まだ降りてこなかった。

たぶん、1分くらい降りてこなかった。もう、横断歩道も渡りきるところで、わたしのほうがバイクの方に近くなった。声をかけたほうがいいかな・・・と思っていた矢先、ようやく運転手が車から降りてきた。

降りてきたのは、白いワイシャツを来た50代くらいの細身の男性。
おもむろにバイクへ”そっと”近づき、「・・・大丈夫ですか?」と小声で声をかける。

「大丈夫なわけないだろ!」

とおじいさんは怒鳴った。

いや、そうだよな。
周りの人間全員が、心の中でおじいさんとまったく同じセリフでツッコんだはず。

なぜ、”そっと”なんだろう。そして小声なんだろう。
こんな場面はだいたい「急いで」「あわてて」「すいません!大丈夫ですか!?」と車から出てくるものだろうと誰もが思う。

怒鳴りながらも「イタタ・・・」と足を抱えるおじいさんをみて、初めに近づいた歩行者が「まずは車をあちらに寄せましょう」とフォローして両者は移動をはじめた。

あの間はなんだったんだろうなあ。
事故を起こして取り乱してしまい、気を落ちつかせていたのかな。
もしかしたら、手際よく、すでに救急車と警察に連絡を入れていたのかもしれないのだけれど。

だけれど、です。
けが人を放置してしまったその印象は、まるで他人事かのような、「ぶつけたのオレですか?」と責任逃れのように見えてしまった。

気をつけなきゃいけない。

車で事故を起こした場合、どれだけ慌ててもまずは歩行者やバイクの救助にかけつけよう。

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