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われら日本人は働くことに不器用なのかもしれないね。

「空腹に勝る調味料はない」ってことばあるよね。
たしかに、極限に腹が減っていると、ごはんに塩をかけただけでもウマい。

もちろんその逆もしかりで「満腹は、どんな料理もまずくなる」。

一流シェフが手掛けた1万円もする伊勢海老のテリーヌも、A5ランクの和牛にぎりも、もぎたての果実で作ったスイーツも、「ああ、もう食えねえ〜」って状態で提供されても、ひとくち食べて「あ、うまいっす、たしかにうまいっす、でも、これ以上はちょっと…」と完食はできない。

目の前の料理を存分に味わうために、お腹を減らすことは、あたり前のようで、もっとも重要だ。

そんなの、睡眠欲だって同じだ。
12時間も寝て「そろそろ起きよう」とリビングに向かった矢先に「もっと寝ろ」と、布団に押し戻されても眠れない。眠りたくない。

そしてそれは仕事だって同じで、働いて働いて働きつづけている状況で、「もっと働きたい!」と思わないのはあたり前。

「働きたい欲」はとっくに満たされている。
それでも「はたらけー、はたらけー」と仕事を提供いただけるものだから、「いやもう腹イッパイっす…」となる。

逆に無職のときの、あの「働きたい欲」といったら。

焦りもあるんだろうけど、再就職するやいなや社会人1年目のように初心に戻り、謙虚に、素直に仕事をこなすことができる。まさに「空腹に勝る調味料はない」ってところだね。

「仕事をして給料をもらう」って、本来は人間にとってもっと尊い行為のはずだ。

やたらめったら働いて、結果的に給料をもらう楽しさを忘れているのだとしたら、意外とわれら日本人は働くことに不器用なのかもしれない。

働いている人のなかには、まいにち過酷に働いて、もう満腹でゲップが出てる人もいる。

逆に働いてない人のなかには、働きたい欲が限界まで高まっていて、お腹がグーグーなっている人もいる。

お金が少なくなってもいいから、いまはとにかく働く時間を減らしたい人。
いまはとにかく、働いて働いてお金が欲しい人。

この両者の凸凹のバランスが上手に取れる社会になれば、世の中はもっとたのしく働ける人が増えるかもしれないね。

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