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夏のナッツで千葉のビーチがワイキキになった記憶。

実家から「食塩不使用ミックスナッツ」が大量に送られてきた。

co-op(生協)の商品で、手のひらサイズの袋にアーモンド、カシューナッツ、くるみ、などなどが配合されている。それが20袋くらい入った箱。油も塩も入れてないのに、素材のうまみだけでたしかにうまいです。

わたしは「ナッツ」と聞くと、必ず思いだす記憶がある。

20代の頃、数年間だけ千葉に住んでいた時期があって、友人と3人で海に遊びにいったときのこと。
海水浴シーズンが終わりかけでそんなに混んでいなかったが、水着のお客さんはまだまだいて、砂浜に等間隔でそれぞれが陣取っていた。

われわれは、べつに泳ぐわけでもなく、ブラブラと男3人で水際を歩いていたら、2人組の女子が座っていて。

横から見ても「ひまです」というオーラが丸出しだった。もしナンパ目的な男が通りかかったら、もう間違いなく声をかけるに違いない、と思わせる女性たち。なんだろう、すごく話しかけやすい雰囲気。

と思っていた矢先、海の家から金髪で背の高い男子がノッシノッシとやってきた。背は高いが、細身で白い肌。クセッ毛なのかパーマなのか、うねった髪を揺らしながら右手には何か小袋を持っている。続いて、もうひとり、ふたり・・・。
でも、知り合いではなさそう。

次の瞬間、先頭の金髪男子が右手の小袋を女子に差しだしながら、すかさず「ねえ、ナッツ食べる!?ナッツ!!」と元気よく声をかけた。

わたし「(ナッツ!?)」

女子たち「ナッツ!?」

「一緒にナッツ食べヨウヨ!!」
声に外国なまりがある。どうやら、外国人のようだった。金髪は地毛だったのかも。

女子たち「なに、ナッツって笑」

女子たちにとって金髪外国人はどストライク、というわけでもなさそうだったが、苦笑いしながらもナッツを食べていたような食べていなかったような、そこらへんの記憶はあいまい。

とりあえず、飛び込んできた新たな価値観に「外国人のナンパだな~~~!!」と、えらく感心した。
軟派とか硬派とか、慣れてるとか慣れてないとか、そういうのは置いといて、とりあえず、もし自分が街中できれいな女性に声をかけなきゃいけないミッションとなったとき、「ナッツ食べる!?」の選択肢は、もう120%無いわけで。

家の中でもクツを履くとか、昼休みにワインを飲むとか、異国の文化の違いは多々あるけど、ナンパの仕方にもこんなに違いが表れるものなのかと。

この手法が良いのか悪いのかは分からないけど、「ナッツ食べる!?」はわたしのなかで、千葉のビーチが一瞬だけワイキキに変わったダントツで鮮烈な記憶なのです。

奥さんにこの話をして、もし自分だったらどう思う?と訊くと「導入としてナシではない」とのことだった。
なるほどー。これはプロ(?)の方々に正解を訊いてみたいもんだ。

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