「マッドアートモビール（巨大）」2021年9月27日の日記

2021年9月28日 02:23

・数日ぶりに早起きをして上野の東京都美術館へ向かった。
・今日の仕事は休みを取っている。すなわち無敵ということ。

・元々の予定では、今日は都内の小学生たちが都美の展覧会を見学に来て、わたしたちはそれをファシリテートするはずだったのだけど、宣言が今月いっぱいまで延長されたことでそれが無くなってしまった。
・その代わりに、スタッフの方々のお声がけにより、わたしたちアート・コミュニケータだけでそのファシリテーションの練習会をやることになったのだった。

・今回ファシリテーション練習会を行った（そしてもともと子どもたちが見学に来る予定だった）展覧会は、現在東京都美術館で開催中のウォールズ＆ブリッジ展。

・ここで展示されている作品の中から、事前に指定された2作品の鑑賞会を、班に分かれて行った。

・1つ班は4、5人程度。1人がファシリテータ役となって他のメンバーが鑑賞者役。ファシリテータは作品の鑑賞を促して、鑑賞者から意見を集める。「描かれているのは春の風景だと思う。」『作品のどこからそう思ったの？』「桜が描かれているから。」『どこからこの花が桜だと思ったんですか？』『他に春を感じる箇所はありますか？』そんなやり取りを繰り返し、鑑賞者が感じた「客観（春だと思う）」と「事実（桜が描かれているから）」を行き来し、作品鑑賞への理解を深める試みを行う。

・この作品を介したコミュニケーションによる鑑賞方法には独特なメソッドがあり、わたしたちは3年間の活動を通じてその方法を実践と座学を繰り返して学んでゆく。

・様々な世代の方々が集まって複数人で鑑賞すると、自分では気づかなかった感性や発見がある。それに同意するしないは別として、とにかく鑑賞と感性の多様性に気づき、他人のそれを受け入れることがこのコミュニケーションの目的である。

・わずか2時間程度の練習会だったけれど楽しかった。単純に、普段オンラインでの講義や活動ばかりでなかなか直接会えない皆さんに会えたのが楽しいというのもある。

・帰る時間がちょうどお昼時だったので、同期の4人で一緒にお昼を食べに行くことにした。
・上野公園内のレストランカフェ「パークサイドカフェ」に行った。いつも目には入っていたけれど行ったことは無いお店だった。ここはペットが可なので、いつも外の待合ベンチに犬がいて、「犬だな～」と思って通り過ぎるお店という印象だった。

・外のテラス席が人気のようだけれど、今日は外で食べるにはやや肌寒かったので店内で食べた。奥行きが合って明るくお洒落な空間で気に入った。
・煮干しを使ったトマトパスタというよくわからないメニューがあったのでそれを注文した。

・そしたらこの見た目の料理が出てきた。
・手前の明度の低いモサモサは海苔で、その左隣には夢色煮卵。そこから時計回りにチャーシュー、焼きなす、水菜、たぶんオニオン。そして中心の茶色いのは多分焦がしネギ。この下にはトマトと太麺パスタが隠れている。

・煮干しの味もきいていて、これはパスタと言うより完全に汁なし太麺トマトラーメンだ。
・ちなみに全部の具材がとっても美味しい。でも完全に太麺ラーメンです。

・上野公園のど真ん中にある大きいレストランカフェがこんなに不思議な料理を提供しているとは知らなかった。

・それからわたしは銀座に移動した。夕方に友達と待ち合わせていたのだけど、2時間くらい余裕があったので、カフェでデータベーススペシャリスト試験の勉強をして時間をつぶした。時間をつぶすというか、今一番優先すべきはこの勉強なのだけど。

・友達と待ち合わせていたのは、銀座エルメスの8，9階のミュージアムで開催中のル・パルクの作品展に行くため。

・ジュリオ・ル・パルクは14色のパターンを幾何学的、数学的に配置した「実験的な（本人談）」作品で知られる。

・今回の作品展では、平面の作品だけで無く、モーターを使ったモビールや映像作品まで来日しており、大きな空間をまるまるひとつ埋める巨大なモビールも展示されている。

92歳でなお現役。ジュリオ・ル・パルクの日本初個展をメゾンエルメスでチェックhttps://t.co/NAIb4W35cv pic.twitter.com/ARvHPUcfJh
— ウェブ版美術手帖 (@bijutsutecho_) September 25, 2021

・これね。すごかった。

・もともと美術手帖のこのツイートでル・パルクを知って、これを見たくて行きたいなと思ったのだけど、行ってみたら作品があまりに、想像していた10倍はマッド過ぎて、まるでインターネットでたまーに見かける「人類には早すぎたアート」をそのまま見せられているかのようだった。
・先ほどのツイートの巨大なモビールも目を見張るけれど、同じフロアに展示されていたモーターを用いた作品や映像で展示されていた作品の世界観が異常な感性でできている。

・個人的には、初めてフランツ・Ｋ・エンドウのYouTube作品を見たときの気持ちに近いものがあった。

・あまりに圧倒されすぎて写真を撮ってOKだったかどうか聞き忘れたのが惜しいな。写真が残っていない。入場無料だから今度は1人で行くとしよう。