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SDGsと償却年数

 固定資産の会計上の償却年数が、日本人に定着、浸透しすぎてSDGsの足を引っ張ってないですか?

 SDGsの17目標の内、№11「住み続けられる街づくりを」、№12「作る責任、使う責任」で資源やエネルギー等を大切にしよう、丁寧に使おうという趣旨が叫ばれています。

 一方日本は昔からスクラップアンドビルド先進国、新品、新築へのこだわりが強く、中古やリサイクルへの偏見は根強いものがありました。

 近年、かなり緩和されてきて、中古住宅やリサイクル品が普通に売買されていますが、それでも資産の耐用年数を計るのに会計上の償却年数が使われているケースが見られます。

総じて、

償却年数 <   現実の耐用年数

それもかなり現実の耐用年数が上回った形でのだいなり、そんな印象です。

 決して会計上の償却年数が悪いわけではないんです。資産の減価償却のため一生懸命働いてくれているんです。

 それをその資産の現実の耐用年数であるかのように上手いこと準用してしまっている私たちのせいだと思うんです。

 何故、会計上の償却年数を準用しているのか、
①会計上の償却年数に変わる現実の耐用年数一覧表的なものが無いこと、
②無いが故に止む無く会計上の償却年数を使っていること、
③現実の耐用年数=償却年数という思い込みが強いこと、

等が原因ではないかと思います。

 まだ十分価値があるのに、使えるのに、使うべきなのに、一定の年数が経過しているというだけで価値を価値として認めない、壊してしまう、捨ててしまう、これではSDGsは進みません。 

 この「資源やエネルギー等を大切にしよう」という点に関して言えば、現状では「我が国は他国に負けないようSDGsに取り組んでます」って形式的にアピールしているだけに見えてしまいます。

 本気でやるなら、
①直近の統計的調査等により公的に使える現実の耐用年数表を作成する、
②会計上の償却年数と現実の耐用年数は別物であることを声高にうたう、
③国民の従前の意識を変化させる、

この位の事を実行する必要があると考えます。


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