引っ越しの夜
扇風機「引っ越しらしいね」
ベット「ここに残されたという事は俺達はお役御免てことか」
扇風機「さみしいね」
勉強机「さみしい、、、けど僕は十分働いたよ、お兄ちゃんが1年生になった時からだからもう24年、ここんちの人すごく大事にしてくれたから、ひと休みしてもいいかな」
ソファ「俺なんてこんなにカッパカパになるまで使ってもらって、感謝しかねーよ、お父さんとお母さんの夫婦喧嘩の時はなんか飛んできたけどな笑」
洋服ダンス「私はお母さんの御嫁入りの時、福井から上京したんやよ、亡くなったおじいちゃんが選んでくれたんやって」
タオル掛け「転勤でお兄ちゃんが引っ越して、お姉ちゃんも結婚、妹ちゃんは看護師だもんね、20年前ここに来た時はみんなちっちゃかったのに」
鏡「そうか、ここで20年か、わしはお父さんが大学生の時に渋谷のマルイで気に入ってくれて、それからだからもう40年じゃよ」
本棚「そうですか、鏡先輩はこの中で一番家族を見てきたんですね」
鏡「わしはずっと見てきたよ、喧嘩もするし、運動も勉強も一生懸命じゃった、お金で大変な時もあったようだが、おかげで長く使ってもらえたのー」
ベット「みんな明日にはバラバラになっちゃうけど、また来世も一緒に役に立てたらいいね」
勉強机「ここんちみたいに明るくて元気な家族だったらいいな」
洋服ダンス「それまで私達もちょっと休憩しよっさ」
扇風機「そうだね、今までありがとう、みんなのおかげで楽しかったよ」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?