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バイクが好きなわけを確認してみました

日向にいるだけで、
春を感じるようになった。

あなたもやわらかな日差しを受けて、
そう感じているかもしれない。

でも、
もしかして、あなたがバイク乗りなら、
もっと強烈に季節を感じているはずだ。

それは、自分全体で、自分の外と繋がって、
自分とその世界が一体になるような感じ。

なぜなら、
不安定だけれども、カーブを抜けるとき
自分の意思と体が一体になって、
自分全体で、車体をひろひらと左右に傾けられる、
コントロールできるからなのかもしれない。

今年の桜はまだだけれど、
春を感じようと、久々友人と、
京都と奈良の県境にある、月ヶ瀬まで走った。

まだ肌寒い6時前に出発して、
そして、7時前には、待ち合わせ場所の
阪奈道路の入り口にあるRSタイチ前、
バイク乗りには有名な会社だ。

阪奈道路は、大阪と奈良を結ぶパイパスのような道
40年ほど前は、バイクと車の走り屋でいっぱいだった。
そして、事故が頻発し、終日バイクは通行止めとなった。
今もその名残で、バイクだけ午前6時以降しか通行できない。

もっと昔、有料道路だったその道には、
道路の最高地点に、料金所があったことを、
今では、知らない人も多いかもしれない。

そんな歴史のある道だが、
今でも交通量は多く、主要な道であり続けている

料金所跡を超えると、すぐ急なくだりのS時カーブ。
そこを気持ちよく抜けると、
アップダウンのあるほぼ一直線の道が続く。

奈良盆地に入るあたりからは、今は高架になっている。
高架からは、真正面に奈良の街が一望できる。

その上を良いペースで走りながら、
空を見上げると、雲がゆっくりと流れて、
まるでバイクが止まっているのか、
飛んでいるかわからなくなる。

15℃の気温は凛として、全身に心地よく、
心に溜まったネガティブな感情が流されていく。

真東に見える、若草山に真っ直ぐ向かっているその道は、
いつもなら、朝の光で眩しいはず。
でも、今日は薄雲が光を和らげてくれていた。

その雲たちの隙間からいくつもの光芒が
奈良の街に降り注がれている。

程なく柳生街道。
カーブを抜けると、瞬間的に気温の変化を感じる。
その次のカーブを抜けると、今度は、菜の花の香り。

川に沿って走る道からは、澄んだ水の流れが見える。
透明で緑がかった色。
そして、空の青も映っている。

バイクは、自分全部でコントロールできる。
そして、自分全部で何かを感じられる。

今度は、どこに行こう、何を感じるか
どんな人と会えるか。

バイクの不安定さと、自由が
新たな体感と気づきを得る手段

それって、自分の人生の歩き方そのもの。

あっ!
だからバイクが、僕は好きなんだ。



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