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言葉にできない、そんな夜。#29[6/13放送分]

前回放送分はこちら↓

当記事ではEテレの番組「言葉にできない、そんな夜。」について書いていきたい。
この番組では、上手く言語化できない瞬間をどう言い表すか模索していくが、それに倣って私も各テーマの言語化を試みるものである。

なお、番組の詳細については公式ホームページをご覧いただきたい。


1. あなたにとって親友とは?

他人なんてどうでもいい私が、思わず境界線を踏み越えて口出ししてしまいそうになるくらい、親友に対してはどうしてか自分事のように動向が気になってしまう。

たちばな朱音

「親友」というテーマを綺麗に書くのは簡単だが、親友たちに対する正直で汚い気持ちを表現してみた。親友諸君、どうか引かないでほしい。

紹介された中では、島本理生氏の文章が興味深かった。

「環菜が男の子たちと
付き合い始めるまでは、
私が一番そばにいたんです」
その言い回しには
同性特有の複雑な愛情が感じられた。
思春期の女子の親密さというのは、
どちらかといえば疑似恋愛に近い。

島本理生「ファーストラブ」

ジャニーズWESTの桐山さんが言及しているとおり、中学生くらいの頃、女子はとにかくペアになってくっついていたなと思う。
私はそれが理解できなかったので中学校では浮いていたが、大人になってからその疑似恋愛じみた友情を体験し、かつてわからなかった気持ちが理解できるようになった。
人生とは不思議なものである。


2. ふと我に返った瞬間

熱に浮かれたしあわせな頭にぶっかけられた氷水

たちばな朱音

ふと我に返る瞬間って本当に一瞬なので、それをイメージして書いてみた。

町田そのこさんの「あまりにも突然すぎやしない?」という回答には同意見である。
意図しないタイミングで熱が冷まされるので、本当に勘弁してほしいところだ。


3. 何かを諦めたときの気持ち

休職の診断書を受け取った瞬間に感じたのは、ああ、これでやっと荷を下ろせるという気持ちだった。
出世の期待を抱きながらがむしゃらに走るのは、本当に辛かった。
どうせ届きやしないのに、短い腕を必死に伸ばして頑張っていた。
私に出世の道は閉ざされた。だからもう、頑張らなくてもいい。
それなのに、どうしてこんなにも胸が苦しいのだろう。

たちばな朱音

休職の診断書をもらったときの実際の気持ちを表してみた。
「出世せねばならない」という気持ちから走っていただけなので、無理する必要がなくなって良かったはずなのに、それでもなぜか苦しい気持ちがあるのはどうしてなのだろうと常々思っている。


紹介された文章では、町田そのこさんの書き下ろし文に共感した。

きっと星に手が届く。
そう信じて積み上げた石段を降りると決めたのは、自分自身だ。
けれど、振り返ってしまう。
あと十六段、いや九段で届いたんじゃないか、と。
遠くなった星は、ひときわ美しく輝いている。

町田そのこ 番組書き下ろし

諦めたはずなのに、もう少し頑張っていれば届いたんじゃないかと考えてしまう気持ちがよくわかる。
夢は頑張り続けた先の結末を教えてくれないから、自分の決断が正解だったのかどうかがわからない。それがすごく怖いと思う。



「親友について」はもう少し掘り下げたいので、別の機会で記事にしたいと思う。
次回の放送も面白そうなテーマなので、楽しみにしたい。


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