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良くなっているはずなのに

休職してはや10ヶ月、回復している自覚はある。
前より規則正しい生活を送れているし、気分の落ち込みや昂りもそこまで大きくない。
それでも、憂鬱な気持ちはいつまで経っても消えることはない。
記憶もどこか曖昧で、私は回復しつつある身体を持て余しながらぼんやりとした時間を過ごしている。

他人といるときの私は、まだそれなりに動ける。
だが一人でいるときは何かをしようとする気力が湧かない。
また、症状が今よりひどかった時期によく一人で遠出をしていたが、今はお金を使うことに罪悪感を感じてしまい、自分一人でどこかに出かけようとは思えなくなってしまった。

これは低め安定なんだろうか。
仮にそうだとしたら、こんな状態で復職なんてできるとは到底思えない。


双極性障害という病気はまた罪な病気で、躁状態が重いとき、つまり症状が重いときの方が多幸感が強いという悲しき性を持った病気である。
正直に言えば、躁状態が恋しくなることはある。あの積極性があれば、私はもうすこしまともに生きていける気がする。
けれど躁状態がそんなに良いものではないということも私はちゃんとわかってる。身内に手を出すような事態にはもう二度としたくない。

躁状態を麻薬に喩えている人がいた。
あの万能感や多幸感を鑑みると、言い得て妙だと思う。


復職、あるいは転職へのカウントダウンが着実に近づいている。
私はまだ自分の進路を決めることができないでいる。

ここ最近の順調な回復をちょっと呪いながら、今日も眠れない夜を過ごす。

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