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言葉にできない、そんな夜。#23[5/2放送分]

前回放送分はこちら↓

当記事ではEテレの番組「言葉にできない、そんな夜。」について書いていきたい。
この番組では、上手く言語化できない瞬間をどう言い表すか模索していくが、それに倣って私も各テーマの言語化を試みるものである。

なお、番組の詳細については公式ホームページをご覧いただきたい。


1.圧倒的片思いの気持ち

彼女について語る貴方は完璧なまでに綺麗で、そこにほんのちょびっとでも私が付け入る隙なんてなかった。
でも、だからこそ、私は安心して貴方を好きでいられるの。
振り向いて。振り向かないで。
その狭間で揺れながら、私は今日も人知れず独りよがりの愛を育てる。

たちばな朱音

蛙化現象ではないが、相手が振り向かないからこそ安心して片思いできるという場合もあるのかな、と思って書いた文章である。
吉澤嘉代子さんの「究極の恋は自分不在の恋である」という言葉にも影響を受けている。

また、他に紹介された文章で気になったのは、やはりハチクロである。

他人から見たらどんなに情けなくても
みっともなくても
彼(真山)を想うこの気持ち
たったひとつが
冷たくて明るい私の宝物だった

羽海野チカ「ハチミツとクローバー」

ハチクロは全て読了したが、山田から真山への一途な片想いはハチクロの中でも見所の一つだったように思う。
個人的には、山田が商店街の5人組(=好きではない相手)に告白されたときに、「私が商店街の皆に告白されて困惑しているように、真山も私のことをこう思っているのか」と気づき一歩成長するところが印象的だった。(これは番組では触れていない話だが)


2.とくに何もせず大型連休が終わったとき

確かに体は休んでいたけど
気持ちだけは空回り

たちばな朱音

仮に体は休んでいても、気持ちが急いていると結局なんだか休まらないという趣旨だ。

番組で紹介されていた中だと、永井紗耶子さんの以下のフレーズが好きだ。

時間貴族だったな。

永井紗耶子 番組書き下ろし

一言「時間貴族」と表してくれると、何もしなかった自分も不思議と許されるような気がしてくる。


3.眠れない夜の気持ち

さっきまで一緒にぽつぽつとお話していたはずの隣人からは、いつの間にか寝息が聞こえる。ああ、ついに夫も"あちら側"へ行ってしまった。
ひとり暗闇に取り残された私は、寂しくなって「ねえ」と声をかけてみるけれど、隣からはやっぱり規則正しい吐息しか返ってこなかった。

たちばな朱音

最近は眠れない日が多いから、毎晩こんな感じだ。
夫が先に寝てしまうと、なぜか置いて行かれてしまうような気がする。

趣旨としては、番組内で紹介されていた下記の文と似ていると思う。

母親も寝てしまって
あとはただ自分一人が
荒涼とした夜の時間のなかへ
取残される

梶井基次郎「のんきな患者」

ジャニーズWESTの桐山さんが「取り残されたから僕だけの、有意義な時間だ」という意味合いも読み取れるのではないか?という趣旨の話をしていて面白いなと感じた。
実際に眠れない日々を過ごす身としては、圧倒的な寂しさの前にそういった前向きな捉え方は残念ながらまだできそうにない。
それでも、この考え方にあやかって、少しでも心安らかに過ごせることを祈りたい。


今回も色々と考えさせられる良い回だった。
本日の22:45~の最新回も楽しみである。

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