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9日目:休み下手と悪魔の話

フェネック文章力向上月間
Day9 癒しを感じる時間


私は休息を取るのがとにかく下手くそだ。
一人でいると、妙に急かされるというか、とにかく何かをしていなくてはいけない気になる。気が休まらないというか、ただぼーっとすることができないというか。
自分の中の自分に「お前はグズなんだから、せっかくの時間を少しは有益に使えよ」と罵られることもしばしば。

そこで「溜まった雑務を終わらせてスッキリしてから休もう」と思い立ち奮闘する。しかし大抵その雑務が終わるころには、タイムリミットが来て休めなくなってしまう。
そこでまたもう一人の自分が耳元で囁く。
「あーあ。お前がのろまなせいで、また時間を上手く使えなかった」


それでも辛うじて、趣味に集中しているときだけは、悪魔のささやきは聞こえなくなる。
例えば編み物をしているとき。好きな音楽を聴いているとき。本を読んでいるとき。丁寧に紅茶を淹れるとき。とっておきのスイーツを食べているとき。カフェやプラネタリウム、美術館や水族館を楽しんでいるとき。シルバニアファミリーやミニチュアで遊んでいるとき。夫をふにふにしているとき。

その中でも、一番「休息できているな」と感じるのは、親友と電話しているときだ。

親友とは、1回に4~5時間くらい連続して通話しているが、無言の時間も結構多い。実際、今日も何回か寝そうになった。(ごめん、友よ……)
それでも許される空気感と、一人ではない安心感が心地よさを生む。
もし、もう一人の自分が近づいてきたときは、親友と話して打ち消せばよい。人見知りの悪魔は、私が別の人間と話しているときにまでは近寄れないようだ。


夫と過ごすのもそれはそれで良いのだが、大抵仕事の話になるから、癒しとはまた違う時間になってしまう。
仕事の話をされるときは、個としての自分は消え失せ、夫の先輩になってしまう自分がいる。夫に愚痴聞きの役割を期待されているのは十二分にわかっているが、休職中の今、仕事の話を聞かされるのは結構しんどい。

彼女とはバックボーンが近い。なおかつ基本的な価値観も割と似ている。
互いの求めているものがわかっている(……と思いたい。私の方は向こうを理解できているかいまいち自信がない)し、相手に過剰には求めないからこそ、大きな安心感を持って素で過ごせるのかなと思っている。


とはいえ、一人でもリラックスして休息できるようにはなりたい。
そのためにも、親友といるときの私を、一人きりのときでも召喚してみようと思う。そうしたらきっと、あの悪魔は私に近づけないだろうから。

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