19日目:酒とわたし
精神科の薬と酒の相性は悪いらしい。
だから今の私はほとんど酒を飲まない生活をしている。
だが、実はつい1ヶ月前までは酒がやめられなかった。
飲むのはほろよいなど度数弱めの缶チューハイ1缶程度だが、それでも飲酒習慣をやめられなかったのは、きっとえもいわれぬ焦燥感を少しでも誤魔化したかったのだと思っている。
また、正直薬と一緒に酒を飲んでもどう相性が悪いのかよくわからなかったというのも、やめられなかった理由の一つだと思う。
けれどこれはあくまで私の場合で、個人差等々も色々あると思うので、精神科の薬を飲んでいる方はくれぐれも真似をしないでほしい。
薬を飲む前の私は、割とお酒が好きだった。
大学時代は井の中の蛙というか、周囲の友人が皆お酒に弱かったから、自分はお酒に強い方だと勘違いしていた。
社会人になって、記憶がなくなるまで潰れてしまったことで、幸か不幸か自分の限界量を知ってからはそう無茶な飲み方をすることはなくなった。
落ち着いた飲み方をするようになってからは、日本酒にハマった。
フルーティな甘めの日本酒が好きで、獺祭や醸し人九平次、鳳凰美田などを好んで飲んでいた。
白ワインも好きで、こちらは銘柄はわからないけどなんでも美味しくいただけた。しいて言うならこちらも甘めのものが好きで、おたるシリーズをよく買っていた。
最近めっきりお酒に酔わなくなったなあと思う。
それは単純に量のせいか、お酒に頼らずとも良くなったからか。
酒に酔う頃は人見知りで、お酒がないと上手く人と話せないと思っていた。
だからお酒の味なんて味わう余裕なんてなかった。とにかく笑顔で、相手の機嫌を損ねないよう明るく振る舞わないといけないと思い込んでいた。
酒を飲まないと維持できない関係なんてそもそもいらないのだと気付いた今、ようやく酒そのものを楽しめるようになれた。
肩肘張らずに味わうお酒は、思った以上に色々な表情をしていた。
またお酒を飲める日が来たら、そのときは何を飲もうか。
そう考える時間も、案外楽しい。
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