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新幹線の喫煙ルーム廃止、車内ワゴン販売終了から見るJR東海の経営方針は?

東海道新幹線などで、喫煙ルームや車内ワゴン販売が終了するというニュースが出ています。

今回は東海道新幹線を運営するJR東海の有価証券報告書や決算説明資料を読み、JRの業績を確認しつつ、喫煙ルームやワゴン販売に関する会社の考え方を推察していきます。

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新幹線で喫煙ルーム廃止、JR東海の経営方針は?

JR東海の決算発表にて、喫煙ルームの廃止は言及されているでしょうか?

2023年3月期の有価証券報告書を見たところ、喫煙ルームに関する記載はありませんでした。

JR東海 有価証券報告書

ただJR東海の社内の話として、社員の能力を最大限発揮するための健康関連指標として、「運動習慣」と「喫煙率」に言及しています。

喫煙ルームを他用途に転用する意図はあると思いますが、基本的には喫煙者を減らす取り組みと思われます。

JR東海道新幹線の車内販売は縮小、しかし駅構内の販売は強化

次に車内ワゴン販売についてです。

2023年3月の決算説明資料および有価証券報告書を見ると、ワゴン販売については一切の記載がありませんでした。しかし駅構内や駅商業施設の収益力強化、高額商品への取り組みについては、画像付きで説明されています。

JR東海 決算説明資料

車内ワゴン販売そのものには言及されていませんが、駅構内や駅商業施設に力を入れる一方、車内販売を縮小する方針と思われます。

またワゴン販売については人手不足だと解説する記事もあり、一言でいえば経営の効率化と思われます。

JR東海の売上高と経常利益は?

それでは、有価証券報告書から過去5年間の営業収益と経常利益を見てみましょう。

2019年(平成31年)の営業収益は1兆8780億円、経常利益は6330億円でした。2021年(令和3年)はコロナの影響が最も大きく、経常利益マイナス2620億円。

2023年(令和5年)の収益は回復してきましたが、営業収益1兆4000億円、経常利益3070億円とまだコロナ前の水準には戻っていません。

JR東海 有価証券報告書

ここから先は筆者の予想となりますが、仮に営業収益がコロナ前の水準の1兆8000億円まで戻ったとしても、経常利益は6000億円まで戻らないかもしれません。

コロナ前と比較して、様々な原価が値上がりしている以上、その分利益が減ると思うからです。

今後JRグループの収益はどうなるでしょうか。また機会があったら調べてみたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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