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【屋久島を駆け抜けた日】

昨日は私の住む島根県松江市で
「国宝松江城マラソン」が開催されました。
"走る"という事が何よりも苦手な私。
マラソンを走れる方々って本当に凄い。
今日はそんな私が過去に1度だけ走ったマラソンのお話しを書きたいと思います。

時は2020年1月、まだ屋久島に住んでいた頃。
以前からいろいろな大会でマラソンを走っている
叔父と叔母に誘われ、無謀にも"屋久島ウルトラエコマラニック 25kmの部"に参加したのです。

『世界自然遺産を駆け抜けろ』
ポスターがカッコ良くて
何故か走れる気になってしまった…

最初は叔父と叔母の応援だけにしようと思っていたはずなのに、このチャンスを逃したらきっと一生マラソンを走ることなどないだろうという謎の屋久島MAGICにかかってしまい…2019年9月頃、意を決して25kmの部エントリー。

本番までまだ3ヶ月もあるし、走る練習をすればどうにかなるだろうなんて、チョコレートよりも甘い考えでいたわけですが、時の流れに身を任せすぎて、ほとんど練習することもなくあっという間に2022年1月。
自分のナマケモノ具合を痛感した3ヶ月。

しかも溜まった疲れがドンと出て、年末に持病の腰痛が悪化。普通に歩くこともままならない状態に。
1月に入ってもなかなか痛みは引かず、これは参加できないかもしれないと思っていましたが、大会3日前くらいにはなんとか小走りくらいはできるまでに回復。人生には気合いと根性でどうにかなることもある。大袈裟だけど。

『屋久島ウルトラエコマラニック』には100km.50km.25kmのコースがあって、私が走った25kmの部は島の西側、栗生・永田集落を結ぶ海岸沿いの道路、通称「西部林道」を走るコース。
そのうち約15kmは世界自然遺産地域に含まれる原生林。太古の森の中を走れるなんて屋久島ならではの贅沢ですね。

距離は1番短いけれど
アップダウンの激しいコース

遥々島根からやってきてくれた叔父と叔母に、「絶対に足を引っ張ります、ごめんなさい。」と心の中でお詫びしていざ本番!!

何かイベントや行事がある前日は、ほとんど眠れない私。この日もご多分に漏れず、かなりの睡眠不足のまま、朝早くシャトルバスに乗ってスタート地点に向かいました。

そしてこの記念すべき初マラソンになんと初仮装で参加しまして…そういう事とは縁のない人間だと思っておりましたので、私の初をどんどん塗り替える屋久島、やはり恐るべし。
叔父と叔母との相談の結果、ディズニー縛りということになりまして私は迷わずディズニーのピクサーシリーズで1番好きな映画『モンスターズインク』のサリーとマイクと一緒に走ることに決めまして、心強い味方と冷たい雨の振る中いよいよスタート。

頭にジェームズ・P・サリバン
腰にマイク・ワゾウスキ
足取りもまだ軽快♪

この日は結構寒くて、雨も降ったり止んだり。
永田浜をスタートとして西部林道に入る前までに、もう辛くて心が折れかけていた。早すぎる。

西部林道に入ってからは、アップダウンの連続で登ったり下ったり、登ったり登ったりちょっと下ったり…本当に辛い…心折れてほぼ無。

途中の休憩所で無心でバナナを食べる。
西部林道のお猿さん達に仲間入りした気持ち。
叔父さんに励まされながら頑張る。
辛すぎて哀愁漂う後ろ姿。
頑張れ!!647番!!

何度も車で走ったことのある"西部林道"。
走る(ほぼ歩いてる)とこんなにも長いのかと、一歩一歩踏みしめながらとにかく前へ前へ。
登りで歩く、下りで凄い走るを繰り返しながらとにかく前へ前へ。ずっと自分との戦い。
「進み続ければきっと辿り着く、人生と一緒ね。」
なんて壮大なことを考えながら、世界自然遺産地域を通り抜けました。

それからゴールまでの道程は寒さと疲れと忘れていた腰の痛みを思い出したりで本当にしんどかったのだけれど、励まし続けてくれた叔父さんと寄り添って走り続けてくれた叔母さんのおかげで、どうにかゴールまで辿り着きました。感謝です。

そして沿道でもらった声援と小さな女の子の「サリー、頑張れー!!」という応援が嬉しすぎて勇気を沢山もらい最後まで諦めず走れました。
"応援は本当に力になる。"
私も誰かを応援できる人でいようとそんな大切なことを誓ったマラソンでもありました。

ほぼ3年前のことなのに、こんなにも鮮明に思い出せるのは、それ程私にとって印象的な出来事だったからなのだと思います。
走り終わった後の達成感と寒さで震えすぎた身体と、帰ってからの温かいお風呂そして次の日の身体中の痛さはこれからもきっと忘れられない。
初マラソンが屋久島で良かった。
もう走りません…。。。

良い経験になりました。
何事もチャレンジ!!

 鮮明に蘇ったあの日の記憶。
屋久島で初めてのことを沢山経験して、私の人生観は変わっていきました。

最後までお読みくださり有難うございました。
それでは、また。

追伸、サリーとマイク有難う。

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