虚空の先の先
毎日変わらぬ1日が過ぎ去る。
初めは1日1日の中に煌めきを感じていたはずなのに、いつからか日常はモノクロに覆われた。それが悪いことなのかも分からないまま、いや、そのことを問題にすることもないまま、季節は流れていく。
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日々の喧騒は自分の中の色を剥ぎ取っていく。どんなに心に膜を張ろうが膜ごと吸い取られていく。自分が思っている以上に敵は強大だ。
そんなモノクロな日々にも色が戻ってくる瞬間がある。平日の仕事終わり、休日の自由な時間のアルコールだ。口から入り、喉から体に落とし込まれるアルコールは僕に色を落とす。モノクロだった景色はカラフルに色づく。もともとの色なんて、もう覚えてもいないが、色がついた世界は綺麗だった。
成長の先の自分が自分を失ってしまっては元も子もない。虚無だ。
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道は先人が通ってきたもの。道がなくなった時に自分がどう動くのか。
虚無の先を見つめ、自分で色付けていくことができるのか。
虚無に飲まれて、帰ってこなくなることはないか。
乗り越えたその先に、意味を。色を。
自分という筆で描き続けよう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。 本と友達になります。