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小さな山の中で家具職人をしている若者の話⑤ 夜に聞いた叫び声の正体は

前の話↓


田舎に住んでいる人ならわかると思うが、夜は案外うるさい。
閑静な住宅街とは都会のことだけである。

何がうるさいって、虫や動物の鳴き声が。
蛙の大合唱からヒグラシやら、鈴虫やら…。

季節を感じられて私は好き。
あと、寂しくないしね。


昼間ももちろんいろんな声が聞こえる。
セミとか鳥の鳴き声とか。


フィーヨゥrrrrr
と鳴く鳥がいる。


…(笑)


音を言語化するって難しいなあ。
特に日本語は母音が少ないし、カタカナだけでは表現しきれないね。


フィーヨゥrrrrr

と鳴く鳥の姿はまだ見たことがない。
声の方を必死に目を凝らして見るけど、見つけられっこない。
いつか知りたいなあ。なんて名前でどんな姿をしているのか。


ホーホケキョもいるし、シショーの話だとキツツキが木をつつく音も聞こえるらしい。


そんな虫や動物が沢山住んでいるこの山の向こうから、ある夜悲鳴が聞こえた。


『えっ!?なに?!』
私は焦った。


誰かが熊にでも襲われたか?!



それとももしかして…


実はここは姨捨山(おばすてやま)だったんではないか。
警察も病院もすぐには来られないこんな山の中、いろんな犯罪が起こり、森の中、闇の中に葬られているのではないか…。


だってこんな辺鄙な山の中、まるで女性の悲鳴みたいな声が!!!



『鹿だよ』とシショー。



キエェェン!!



え、鹿ってこんな感じで鳴くん…



続き↓

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