12/1 わたしの世界
昨日は忘れたいと願ったものを忘れてしまいそうになると痛みごと思い出すように掘り返してしまうことについて書いた。
その続きをここに綴ろうと思う。記事はあえて2つに分けた。こちらはかなり具体的な話になるから。
さて、本題。
頑丈に作り上げたかさぶたをはがせなくて、「そっか、もうこれで終わりなんだ」と思ったとき、私の気持ちを引き戻したのは「これが私の好きな自担だ」という思いである。
私の大好きな自担は"過去の彼"である、と今はまだ思う。
今の彼のことが好きだからファンを続けているし、その気持ちに嘘はない。じゃないと毎週末舞台観劇のために新幹線に乗らないし、未来の同担と自担の評価のために使用方法不明のグッズを何個も買うこともない。
でも私は"今の彼"の後ろに"過去の彼"の姿を透かして見ていると思う。
私の世界は私の見る世界であって現実とは違う。正しく言うと、私から見た現実は他者から見た現実と全く同じになることはない。
私の中の彼を取り巻く世界は2つに分断される。それ以前かそれ以後か。紀元前、紀元後みたいなそんなかんじ。悪い出来事をこうやって例えると怒られそうだな、なんて。
"今の彼"と"過去の彼"は紛れもなく同一人物である。同一人物なりに変わってしまった部分もあれば変わらないものもある。それは誰だって同じ。私だって昨日の自分とは考えていることが違ったりするし。
でも"今の彼"と"過去の彼"を同じ人だと思えないことがある。世界を2つに分断した出来事が大きすぎるためである。
アイドルを応援すること、それすなわち偶像崇拝。
視覚的にも聴覚的にも感覚的にも、様々な手段を使って集めた情報によって自分の中でしっかりと形作られているその偶像。何もかもわかりきっていると思い込むくらい多角的に捉えていたその概念をたったひとつでいとも簡単に壊してしまった。
大人になるにつれて変わりゆく立ち居振る舞いや交友関係、趣味嗜好。それらはすべて取り入れて自分自身で作り上げた偶像を更新していた。
それでもその件についてはあまりの衝撃に情報処理が追い付かず、アップデートできなかった。大好きな自担とああいった内容の不祥事を起こす自担が結びつかなかった。
それでもどうしたって過去には戻れない。たとえ過去にタイムスリップできたとしても、私の脳がそのままならば全く意味がない。だって私が苦しんでいるのは現実ではなく私から見た現実だから。
"過去の彼"と"今の彼"。それを分けているのは紛れもなく私自身で、その件を私が認識したことが起源である。極論彼自身のことなんて関係ないんだよね。
私は私。他の人のことなんてわからないし、他の人の世界なんてもっとわからない。自担も含め。
それを勝手に分かった気になっていた。彼はこういう人なんだって勝手に創り上げて、大事に大事にあたためていた。
過去と今、なんとなく距離が遠くなったような感じがするんだよね。もちろんいつだって一定の距離があるしそういう話ではなくて。
それも彼の世界までも勝手に自己のうちに入れて捉えていた部分があったからなのではないかと今では思っている。"彼の世界"ではなく"私の世界の中にいる彼の世界"なんだけど。(むずかし)
分かっていたはず(と思い込んでいた)のものが、ある出来事を境に突然分からなくなってしまった。自分の世界の中に取り込んでいたものが離れていってしまったような感覚。
だからこそぽっかりと穴があいたような感覚にもなったのかな。
私の中では別人のように捉えるようになってしまっていたとしても、実際は同一人物である。そんな突然別人のように変わる事なんてないんだよ。当たり前の事。
だから当然パフォーマンスや話してくれることなど全て”過去の彼”を感じるものになる。透けて見えるんだよね。って、透けて見えるという表現はおかしいんだけど。
でもこうやって透けて見えたときに同一人物であることを自覚する。自覚することで好きだと思える。それって過去の彼が好きってことなのかななんて思ってしまうのですよ。
自分の手で複雑に難しくしているのはわかっている。でもやはりなぜこうも違うのかって考えてしまう。
昨日この内容を書こうと思ったのには理由がある。一昨日載せてくれたブログに過去の彼が透けて見えたからだ。
と言うとややこしいのだけど。
彼は元々ブログを書くことも自撮りをしてそれを載せることも恐らく苦手である。ブログを更新する時間は基本的に夜遅くだったし、文章も短くてその件の前に写真を載せたのはその件の直前の一度きりだった。
そんな彼に対して、もっとちゃんとしろよと怒る人もいた。でも私はネット系のものが全てだと思っている人のことは苦手で、得手不得手はあるし他のことを頑張っているのもわかっていたから無理してやることはないよねって受け入れていた。もちろん写真を載せてくれたらうれしいし、動画も文章ももっと見たいけど。
だけどその件のあとからブログは18時更新、写真も載せる、分量も増えて心なしか文章力も上がったように見える。そして一昨日は愛犬とのツーショットを載せてくれた。
先にも書いた通り、ブログを書くことも自撮りをすることもそれを載せることも、おそらく全てあまり得意ではない彼がファンのためにという思いで全くカメラ目線が出来てない愛犬との写真を載せてくれたのだと思うと、過去からの切り替えを感じて前向きに"今の彼"を応援してみようかなという気持ちになった。
過去は変えられないけど未来なら変えられる。起こってしまったことはどうにもならないからこそ、それを無駄にしないように頑張ってほしい。
ふー、疲れた。結論までが長かった。
最初は昨日の記事もあわせてTwitterに140字で投稿しようとしていた。
それでも昨日の分がどうにもポジティブに変換できなくて、同じ傷を抱えた子たちのネガティブのトリガーになってしまうのは避けたかったからかなり膨らませて思っていること全部ぶつけてみた。
今しかない気持ちを大切に。
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