![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50788091/fc74e0893b2951e0a96c0d7011425c7e.jpeg?width=800)
杉藤 俊雄 は××したい
を加筆修正して1本化しました。
アーカイブと混同して
ややこしいかもしれませんが、ご容赦していただければ幸いです。
エブリスタでマルチ投稿しています。
…
- 運営しているクリエイター
2022年2月の記事一覧
【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_43_高校生編 09
「君たち、こんなところでなにをしているんだい?」
声をかけられて、大川くんの意識が現実に引き戻された。甘い夢を否定するかのように、前方から自分の方へ駆け寄ってくる警察官が一人。年齢はぱっと見て二十代ぐらい。
朝靄が立ち込める山道。脇に流れる川の音がどこか不穏に聞こえるのは、自分が今、とても不安に駆られているからだ。だってタイミングが絶妙だから。まるで二人がここに来ることを見越してきたかのよ
【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_44_高校生編 10
結論から言うと、大人たちから思いっきり怒られた。
僕が杉藤家であることを差し引いても、かなりのマイナスで不興を買ってしまった。
なんで、勝手にいなくなったんだ!
と怒鳴られれば
「起きたら大川くんもいなくなったって聞いて、いてもたってもいなくなった」
と怒鳴り返すように言い、長く伸ばした前髪越しに瞳孔が二つに割れた瞳をぎょろつかせる。
そして、友達と一緒にバラバラに散って僕
【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_45_閑話 03
1999年から2000年に変わって数ヶ月。
もしかしたら、2000年に切り替わった瞬間に衝撃的なことが起きて、この世界は良い方向に変わっていくんじゃないか。そんな期待は、日々裏切られ続けて福田は疲れていた。
園生緑によって歪んだ愉悦を覚えて、燻ぶるような胸の痛みを誤魔化していても、人間は慣れてしまう生き物。結局痛みが勝ってしまった。
もう、良いよね? 貴子。
借りているアパートの