「にわかファン」がいるから、裾野が広がる。
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
ラグビー日本代表、本当にお疲れ様でした!!
ラファエレ・ティモシーイケメンすぎだし、
田中史郎さん渋すぎだし、
中島さんダウンタウンの松ちゃんに激似だし、
松島速すぎだし、
福岡も医者になりたいとか凄すぎだし、
流大と姫野は国歌斉唱で泣きすぎだし、
ボール持つたびに「リィーーーーーーーチ!」
とか呼ばれるキャプテン・リーチ。
あなたが誰よりも日本人だ。
日本を導いてくれて、ありがとう。
ニュージーランド生まれ、北海道育ち。
最高じゃねーか。(どっちも行ったことないけど)
この1ヶ月でラグビーの魅力に気付いたよ。
ラグビーが面白い。
もう一回。
ラグビーが面白い。
NHKの豊原謙二郎アナウンサーの、
「にわかファンが増えた」発言。
良くも悪くもネットを中心にバズってますね。
素直に認める人もいれば、
にわかファンに対してマウンティングをする人もいる。
でも「にわかファン」はスポーツではよくある話。
(英語では"jump on the bandwagon"っていう)
弱小チームが突然大躍進を遂げるとともに、
どっから湧いて出てきた?
と言わんばかりに増幅する人たち。
近年では、NBAのウォリアーズが際たる例。
2013年前までは、日本でウォリアーズを知っている人なんて、
ほとんどいなかったのに、
今は日本人がみんなウォリアーズファンなんじゃね?
って勢い。
でも、これでいいの。
ウォリアーズのおかげで、
日本でのNBAファン人口は確実に増えた。
だから「にわかファン」をバカにしないでくれ。
自分が好きなスポーツを好きになってくれたんだから、
ドヤらないで、
暖かく仲間に迎え入れて欲しい。
なぜなら、僕たち「にわかファン」を取り込めるかが、
そのスポーツの発展を左右しているから。
「にわかファン」が増えること、
つまり裾野が広がることは、
「競技人口が増える」ことを意味する。
つまり、良い選手が出てくる確率が上がるということ。
アメリカがラグビーでパッとしない理由をよく聞かれる。
でも答えは単純。
アメリカではラグビーの裾野が広くない(=人気が低い)から、
身体能力の高い人はみんな、
アメフト→NBA→MLB→サッカー→テニス
みたいな感じになる。
つまり身体能力の高い人にとって、
ラグビーはそもそも選択肢にない。
それに比べ、
ラグビーの強豪国は、
ラグビーが国民的人気スポーツ。
身体能力の高い選手がラグビーを始める。
これが埋めがたい「差」となって現れる。
だから日本がこれからもっと強くなるためには、
厳しいトレーニングを積むだけでは限界がある。
裾野を広げ、ラグビーの人気を高め、
身体能力の高い選手が、
野球、サッカー、バスケ、テニスではなく、
ラグビーを選んでもらうように、
マーケティングを展開していく必要がある。
原石を集めるしかない。
そういった意味で、
元日本代表の五郎丸選手の、
コメントはさすがだと思った。
「そうですね。ファンもそうですが、ボランティアの方、地域の方、ラグビーに縁のなかった方達がラグビーに携わって盛り上がってくれたこと。本当に感謝したいと思います」
誰にも応援されない切ない時代。
全然勝てない暗黒の時代。
ラグビーの魅力を誰よりも知っているからこそ、
それに気付いてくれなかった日本人に対して、
全然応援してくれなかった日本人に対して、
歯がゆい気持ちは絶対にあったのに、
その状況に対して「感謝」って言葉を使った。
俺だったら、
「日本の国民のみなさんがやっとラグビーの魅力に気付いてくれて嬉しいです」
みたいな上から目線コメントを、
結構リアルに残してたと思う。
元々ラグビーファンだった人は、
「にわかファン」たちを、
そうだろ?ラグビー最高だろ!!
って暖かく迎え入れて欲しいし、
ラグビー協会は、
ラグビー熱が冷めないうちに、
にわかファンを取り込む施策を、
矢継ぎ早に投下しないとだし、
今回のW杯がきっかけでラグビー好きになった人は、
これをきっかけに日本のトップリーグを見てみたり、
するといいと思う。
で、ビジネスにどう役立つの??
これまでビジネス(マーケティング)の世界では、
ブランドロイヤリティー至上主義、
つまり「にわか」ではなく「本物」のファンを大事にしよう!
みたいなとこがあって、
「購入回数が多い顧客を大事に」
「継続の方が新規顧客獲得よりコストが低い」
が信じられてきたけど(もちろん正しい部分もある)、
バイロン・シャープ氏の著書"How Brands Grow"で、
この神話が音を立てて崩れ落ちた。
画像にもあるように、
売上の大部分はライトユーザー、
つまり「にわかファン」が占めていたということが、
データで証明された。
売上の最大化においては、
深さより広さ。
フリークエンシーよりペネトレーション。
が大事ということ。
またマーケティングには、
Leaky Bucket(穴の空いているバケツ)と呼ばれる考え方があって、
該当するカテゴリーから、
毎年一定数の人数がいなくなるという考え。
(穴の大きさ=水が漏れる量=カテゴリーから出ていく消費者の人数)
この出ていく水の量(消費者)の、
埋め合わせをしながら成長をしていくには、
当然出ていく以上に水を入れなければならない。
だから「にわかファン」を取り組むのは、
とても理にかなっている話。
なんか遠くから「穴を塞げば良いじゃん」
という声も聞こえてきそうですが、
それはまた別の機会に。
こうして考えてみると、
結構当たり前なんだけど、
この本が出版された当時は、
(僕も含め)結構みんな驚いていたし、
グローバルでは結構な議論が巻き起こっていた。
目からウロコを落としてみたい人は、
読んでみてください。
終わり。
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