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「全国ギャング・ドロボー連盟」初登場!『ねらわれたパーマン』/対決・全ギャド連①

少し前にパーマンの永遠のライバル・怪人千面相との対決について記事を書いた。1960年代の「旧パーマン」では、3作品に登場している。


個人としてのライバルは怪人千面相だが、集団としてのライバルは、日本全国の悪者が集っているという「全日本ギャング・ドロボー連盟」略して「全ギャド連」である。

改めて数えたところ、旧パーマンでは9作品に姿を現している。登場するごとに設定が固まっていくので、本稿では発表順に検証していくことにしたい。ちなみに1980年代の新パーマンでは「全日本悪者連盟」(全悪連)と改称している。

ではまず、全ギャド連が登場する作品をまとめてみる。

「全ギャド連」登場作品
『ねらわれたパーマン』「小学館コミックス」1967年5月号/大全集5巻
『〇ソ〇ロ・コンクール』「週刊少年サンデー」1967年30号/大全集2巻
『夜の魔王アカベロン』「小学四年生」1967年9月号/大全集4巻
『悪人名簿でギクリ』「週刊少年サンデー」1967年37号/大全集2巻
『コピーの秘密』「小学四年生」1967年10月号/大全集4巻
『パーマンをやっつけろ』「月刊別冊少年サンデー」1967年11月号/大全集2巻
『オカメ仮面』「小学五年生」1967年12月号/大全集4巻
『ギャド連花見』「小学五年生」1968年4月号/大全集4巻
『ギャド連大懸賞』「小学四年生」1968年6月号/大全集4巻


それでは記念すべき「全ギャド連」初登場の作品を追っていく。

『ねらわれたパーマン』
「小学館コミックス」1967年5月号/大全集5巻

「パーマン」も連載が進み、パーマンがみつ夫の部屋に頻繁に出入りしていることが知られていく。日頃パーマンに犯罪行為を邪魔されている悪者たちは、須羽家に着目し、不意打ちでやっつけようと計画する・・。

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冒頭、物陰からガン子に須羽家とパーマンについて、何者かが根掘り葉掘りと聞いてくる。パーマンが住んでいるのか、犬は飼ってないか、など。いかにも怪しい様子に、ガン子は怖くなって家へと帰る。

すると外から「パーマン、パーマン」と大声が聞こえてくる。パパが「パーマンはいませんよ」と玄関に出ると、何者かに木の棒で叩かれて気絶してしまう。「人違いだ、逃げろ」と何者かが去っていく。

その後も放火未遂をされるなど、迷惑を被るみつ夫の家族たち。普段からパーマンに不信感を抱いているママは、もうパーマンが家に来ないようみつ夫に伝言する。

もう須羽家に近づけないということで、パーマン2号を呼んでパーマンの基地を作ろうと提案する。出来上がったら悪者たちに教えて、狙ってきたところを逆に捕まえようという計画である。

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そんなパーマンたちを、憎々しげに隠れ家から見ている男3人。彼らは帽子とバンダナで顔を隠し、見るからに悪党という姿。そして口々にパーマンへの不満をこぼす

「あいつのために俺たち仲間がどんなに迷惑を受けてることか」
「そうとも。パーマンのためにビクビクして仕事をしてるんだ」
「こんなことじゃ、俺たちはいつまで経っても平和な暮らしが送れないぞ」
「我々の生活を守るために立ち上がろう!」
「悪者パーマンを倒せ!!」

人々の平和を守るパーマンも、日頃汚れ家業をしている面々からすれば、逆に自分たちの平和を乱す悪者ということだ。

こうした不満を抱えた悪者たちが所属している団体が、全ギャド連、すなわち全国ギャング・ドロボー連盟なのである。この3人は連盟から選ばれて、パーマンをやっつけることになったのだという。

本作では全ギャド連という大きな悪の組織があることが判明したが、その全貌はまだ見えないまま。


悪者3人は強敵パーマンをどうしたら倒せるか相談を始める。

その第一弾が、毒蛇をパーマンの部屋(みつ夫の部屋)に仕掛けて、噛ませて殺そうという作戦である。悪者たちは野球ボールに蛇を仕込んで、みつ夫の部屋の中へと放り込む。

みつ夫の部屋ではコピーのみつ夫が本を読んでいたが、そこへボールが投げ込まれ、毒蛇が現れる。コピーは逃げ回るが、ガブリと噛まれてしまう。「噛まれたあ!キャー」と悲鳴をあげ、それを聞いた悪党たちは満足して引き上げていく。

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一方のパーマンたちだが、最初にブービーが作った基地が木の上に草を敷き詰めただけの「サルの巣」だったので、パーマンが代わりに基地を作ることになる。

パーマンが作った基地は、地下を掘って作ったもの。部屋がいくつにも分かれていて、「ドラえもん」における「アパートの木」と同じような発想である。ところが、中に入ると、地盤が柔らかかったためにすぐに崩れてしまう。

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パーマンは一度家に帰るのだが、それを見かけた悪党たちが、毒蛇作戦は失敗だったと知る。パーマンは、これ以上須羽家に被害が及ばないよう、「パーマンは引っ越しました」と玄関に貼りだして、秘密基地作りの方に向かう。

ブービーが誰も使っていない物置を見つけてきたので、これを学校の裏山にある木の上に設置してパーマンの家にしようということになる。


悪者三人組の次の作戦は、時限爆弾を仕掛けた人形をパーマンに渡して爆死をさせようというもの。最初はガン子に渡して須羽家ごと爆発させようと考えるが、パーマンは引っ越したという張り紙を見て、ガン子から取り上げる。

パーマンの隠れ家を見つけた悪者たちは、こっそりと人形を家の中に置くことに成功するが、その後色々あって爆破作戦はいったん中止する。


悪党たちはサルであるパーマン2号に注目し、大量のバナナの房の中に爆弾を入れて、ブービーに拾わせて爆発させようと考える。爆破直前でまんまとブービーはバナナを拾ってしまうが、パーマンに持ち主に返すように言われて、悪党たちにところへと戻すと、その瞬間に大爆発。

黒こげになった悪者たちは捕まり、パーマンは再び須羽家への出入りを許されることになる。

ちなみに木の上に作った隠れ家は、中で居眠りしている間に落っこちて壊れてしまうのだった。

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さて全ギャド連の紹介は、まだまだ続くところだが、今回はここまで。次稿では一気に残りを見ていきたい。


「パーマン」考察やってます。目次へとパワッチ!


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