見出し画像

F-noteのゴール

マーベル・スタジオの社長で、「アベンジャーズ」などの一連のマーベル作品(MCU)をプロデュースするケヴィン・ファイギ氏は、かねてから、「物語を終わらせることが重要だ」ということを述べている。

実際、MCU作品は「アイアンマン」から足かけ10年かけて「エンドゲーム」でシリーズを完結させ、そのお見事な「最終回」には全世界のマーベルファンが熱狂した。当然、僕もその中に含まれる。

これは彼が熱中した「スターウォーズ」の最初の三部作が、きちんと大団円を迎えて完結したことに影響を受けたという。始めたからには終わらせなければならない。これは、ズルズルと物語を続けて、尻切れトンボとなってしまうことを避ける意味でも重要なことである。


もちろん、最初から終わることを考えていたとは思えない。最初は一本一本の勝負だっただろうし、シリーズ化させることに力を注いでいたと思われる。大構想は描いていたかもしれないが、途中で何度も軌道修正をしただろうし、全く新しいアイディアを取り入れたかもしれない。

ただ、ある段階から、「ラスト」を意識したことは間違いない。ゴールが設定されたことで、「点」が「線」となって連なり、最後の数年の盛り上がり方は尋常ではなかったように思う。


また、「エヴァ」の庵野秀明監督も、今年公開された「シン・エヴァンゲリオン」の製作目的は、完結させることだと「ザ・プロフェッショナル」で述べていた。こちらも25年くらいの月日を経て途方もない労力をかけて、見事なラストを飾った。続くかも、という余地を残さない、完璧な完結であった。


これらの話と、僕のnoteについてを並列に話すのは大変畏れ多いのだが、僕自身、昨年の11月からnoteの毎日更新を始めて約半年。ある程度波に乗ってきた今、どのように「完結」させるのかを考え始めている。

別に早く止めたいというわけではない。毎日原稿を書いていることが楽しくて仕方がないのだが、それでも、このnoteの終わらせ方をどのようにするのかを意識しておきたいと思っている。


僕のnoteは、藤子F作品を考えうる多様な切り口で文章化させるということを、当初からの執筆動機としていた。

最初は計画性もなく思い浮かんだ順で書いていたが、どんどんとアイディアを出していくうちに、全てのF作品を一度は記事に落とし込む、という大目標を思いついた。そこで初めてゴールが見えたような気がした。「点」が「線」となる感覚が降りてきたのである。


この記事の時点で、藤子作品を考察する原稿は131本書き上げているのだが、藤子F先生の著作数は膨大で、まだ折り返し地点にも達していない。例えば大好きな「エスパー魔美」は、一本一本丁寧に考察しているが、全60作の内15作しか文章化を終えていない。

だが、これ以上藤子先生の作品が増えるわけでもないし、考察の切り口も無尽蔵ではない。まだ道は遠いが、着実にゴールに向かっている感覚がある。


いつの間にかnoteを書かなくなってしまった、というようなことは避けたいと思っている。そのためには、ネタは出し惜しみしないで、完結に向かいたい。

ひとまずは、藤子不二雄ランド(藤子先生初の全集)が301巻で第一部完となっているので、考察記事301本をゴール設定にして、できる限りの更新を続けたいと目論んでいる。

以上、完結させる、という個人的な意思を宣言した文章を終えたいと思います。


追記:この原稿を書き上げた後に、「ベルセルク」の三浦健太郎先生の急逝を知った。三浦氏は生前「自分の頭の中を生きている間に出しきれるだろうか」と述べていたが、残念ながら「ベルセルク」はその通りの未完となってしまった。無念です。合掌。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?