【シェア街住民インタビュー】折り紙の可能性と僕がシェア街にいる理由 勝川東さん(後編)
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【シェア街住民インタビュー】折り紙の可能性と僕がシェア街にいる理由 勝川東さん(後編)

今回も前編に続き、「難しいから面白い!東大折紙」の出版で中心的な役割を担った関係住民の勝川東(かっつん)さんにお話をうかがいます。後編では、かっつんさんのシェア街とのかかわり方や、今後の展望についてお届けします。聞き手は、「文章でご飯を食べたい」と考える住民ライターの空峯千代さんが務めました。

シェア街は好き、だからこそ良い距離感で

かっつんさんがシェア街に入ろうと思ったきっかけは、どのようなものだったのでしょう?

僕は2020年の11月半ばに1ヶ月間、Little Japanに住んでいたんです。シェア街の存在を知ったのは、入居を決めたときですね。地元の千葉県柏市が好きなことも手伝って、街づくりの勉強をしようかな、と思っていたタイミングでした。

シェア街が「オンラインで街をつくる」と謳っているのを聞いて勉強したいと思ったこと、かつLittle Japanに1ヶ月滞在して、素敵な方々と会っていたことで、「これは縁だな」と思いましたね。一方で、抜けようと思えばいつでも抜けられる、失うものがないカジュアルさも感じていました。

シェア街に入ってみて良かったな、ということは。

いろいろあるのですが、僕はLittle Japanには前向きな人が多いと思うんです。それも、単に肯定してくれる前向きさだけでははない。
例えば、折り紙の講習会をLittle Japanでやらせてもらいましたが、dentou庵というきょてんでは、僕含めてみんなが「こういう情報がありますよ」と書き込みをしています。そのようにうまく稼働しているのは、シェア街に前向きな人がいるからだと思います。

もう1つとして、シェア街を軸にあらゆるオンラインコミュニティーを考えるようになった点があります。
シェア街のあり方や、Slackなどを通じたオンラインでのコミュニケーションを基準に「どうやったら持続するのか」について見るようになりました。具体的には、柏市でも「オンラインでやりとりを続けよう」という取り組みがあるので、シェア街を参考にさせてもらっていました。

dentou庵にいらっしゃるというお話がありましたが、今後シェア街でしたいことはありますか?

正直、今は具体的には定まっていません。やりたいことができたり、流れてきたりしたら、と思っています。
僕がやりたいことは、どこまでいっても折り紙なんですよね。
だから、シェア街は好きだけれど、どっぷりとは浸からない。今くらいの感じがちょうど良いな、と思っています。
伝統工芸が好きで、興味はありますが、それも折り紙にくっついた問題関心なんです。折り紙の延長で、その射程に入らないことに無理に手を伸ばすまでには至っていません。強いて言えば、この先も、自分の興味関心に合えば何かやる、という形になると思います。

私は個人的に、折り紙を折るのが苦手なのですが、今後改めて折り紙の講習会を開くことはありますか?

社会人になったこともあってすぐにできるとは言えませんが、やりたいです。
折り紙講習会をやったのは昨年12月26日が最初で、その経験がとても良かった。あれがあったからこそ、今も続いています。
この前は、柏の葉の学童施設でも開きました。柏の葉は教育に力を入れていて、折り紙が好きな人が多く、非常にいい場所なんです。こうしてお話をもらっているのは、最初に開催したのがLittle Japanだったからだと思っています。

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シェア街にいる理由とは

かっつんさんは折り紙に情熱を注がれていますが、その中で重きを置いているところはどこですか?

一番は、折り紙を追求することですね。
教えるのは楽しいと思うし、誰かが何かをできるようになるのを見るのは達成感があり、たまらなくうれしいです。けれど、元から学校の先生的な人間ではないので、他人に教えることよりも、自分が突きつめることに関心があります。
講座を開くことや商品化を進めることに関しても、価値を普及するための一環として、という部分があります。自身で価値を生み出すアートとは、別軸なんです。

あくまでツールなんですね。

はい。教えたい、という気持ちが軸ではないんです。

教えることを通じて、折り紙の普及につながればと。かっつんさんは、自分の世界をどんどん構築できる人なんですね。

そうなんですかね。あまりそういう印象はないですけれどね。

自分の世界を持っている人なんだな、という印象があります。

自分が大好きなだけだと思います(笑)。
けれど、誰かとずっと一緒にいられる関係性を持つことが好きな人は、本当にすごいと思いますね。
僕も友達はいますが、関係を意識的に続けたい、という気持ちはないんです。結果として続いているだけ。世界ってそういう風に動いているのかな、と自分ではよく思っています。だからこそ、みんなすごいんだな、と。

自分の世界が有りつつも、コミュニティーで他人と関わろうともしているんですね。

それはよく思うところなんですが、居心地が良いからコミュニティーにいつづけている、というところがありますね。自分が全く無理をせずに、「あいつは折り紙がすごいから」「東大を出ているから」ではなく、人格を好いてくれたり、折り紙を好きでいてくれたりして、付き合っている人がいる。
要は、僕がそこの人を好きになっているし、一方で、受け入れられているんだろうな、ということがわかる。だからこそ、僕はシェア街が好きです。他の友達に対しても言えるのですが、好ましい状態になっているし、別に抜ける理由がないんですね。
僕の元々の行動指針として、「辞める理由がないならばやればいい」と思っています。
元々僕は正直、コミュニティーに所属することは手段だと捉えています。それはシェア街に限らず、大学時代の「躰道」という部活も「武道が上手くなりたい」というところから来ているので。

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シェア街も、オンラインコミュニティーの勉強になるし、自分の幅が広がるかも、という思惑がまずあって、そこからみんなと仲良くなっています。そのコミュニティーに属していると楽しいし、世界も広がるからいろいろなコミュニティーに入っていますね。地元もそう。そうじゃないのは家族くらいなのでは、と思います。

私も、シェア街に入ったきっかけはメディア編集部です。始めはライターとしてのスキルアップが目的なので、近いものを感じます。

おっしゃる通りだと思います。

「シェア街で過ごすこういう時間が好き」「この人と話をするのが好き」というのはありますか?

ありますよ。この前、Little JapanでKazuki Fujiiさんと話していて、馬が合いました。勝手に話が広がるし、波長も合う。気を使わなくていいけど、距離感もちょうどいい人がたまにいるんですよ。
Fujiiさんとは初めて会ったときに資本主義の話になり、2時間ぶっ通しで話しました。シェア街内外を問わず、気の合う人が何人かいて、自分の考えをすり合わせるような時間は楽しいですよね。
ただ、そういう時間だけが好きな訳ではなくて、しょうもない話をたけるさんとするのも好きだし。あとは無言で、ただ気の置けない人と別々の作業をしながらただ近くに座って、そこにいるだけ、みたいなのも好きです。基本的に、僕は他人が好きなので、それぞれに対して好きな時間があります。

自分の中で"これ"という世界がありつつ、交流が好きなんですね。

そうですね、話すことは好きです。自分が話すことも好きですし、相手の考えを聞くのも好きです。自分が知らないことも相手から出てくるし、自分の世界が再構築されて、考えがアップデートされる感覚があると楽しい。先程のFujiiさんのこともそうですね。そういうことがあってもなくても、話すと楽しいですね。

ステンドグラス×折り紙の可能性

今後、誰かや何かとコラボしてみたい、ということはシェア街内外でありますか?
というのも、お話を聞いている中で、私が大学時代に夏目漱石のジェンダー論を書いたときのことと紐づいたのでお聞きしました。当時、私は文学のみをテーマとして書くよりも「ジェンダー論と組み合わせることで新しい何かが見つかるのでは」と思い至りました。それで、折り紙を追求する中で、「折り紙に何かを加えることで新しい道が追求できるのでは」と勝手ながら思ったんです。

いくらでもありますね。一番興味があるのはステンドグラスです。
最近は皮や金網、金属など、紙以外で折れる素材があるんですよ。
例えば、折り鶴を開くと、幾何学的な模様ができます。この模様の変わり目に三角形のガラスを入れ込んで、蝶番をつけることで、ステンドグラスで鶴の基本形ができるわけです。
僕が単純にステンドグラスが好きだ、ということもありますが、キレイで、畳むとより幾何学的な模様もできるので、やりたいですね。
それから、折り紙の教育効果にも着目しています。STEAM教育の具現化に折り紙が最適なツールだと思っています。
あとは環境問題とも結びつけられるし、芸術では、あらゆる作品ジャンルの作家さんとつながれたら、と思います。今までは、美術館で作品を見るだけで十分でした。しかし現在は、作家さんの芸術作品を通して、折り紙の必然性や可能性、そもそも「芸術とは何か」を追求したいな、と思っています。

ステンドグラスはすごく良いですね!あれば購入したいくらいですが、そういうものは芸術のためのものとしてあって欲しい、という気持ちもあり、複雑なところです。

量産化できないので販売は難しいな、と思っています。
それとは別に、触ってみてほしいですね。吊るして空中で実際に畳んでもらえれば、みんな感動すると思うんですよね。概念としては折り紙だけれど、こんなの動くんだ、と。そのように作品を作って、いろんな人に感動して欲しい、という気持ちがあります。

できるかは分かりませんが、ステンドグラスの折り紙で作られた、ミニルームみたいな展示があるといいですね。

やっぱり触ることが大事ですからね。何も考えずに遊んでもらって楽しいから、というところからすべて始まると思います。


【クレジット】
編集:Atsushi Nagata Twitter / Note / Youtube
執筆:空峯千代 Note
写真:提供写真

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