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【シェア街インタビュー】「日本人の友達ができるかなんて心配無用、人としても自立しました」 Little Japanスタッフ・コーエンさんに聞く、外国人入居者としてのLittle Japanの魅力

昨年4月にアメリカから来日し、Little Japanで住み込みスタッフとして働いているコーエンさん。日本語、日本人、日本のカルチャーの面白さを、Little Japan暮らしならではの視点で語って頂きました。インタビューは英語で、ときおりコーエンさんから飛び出る日本語を交えながら行われました。

ひょんなことから興味を持った日本、そのカルチャーが僕には合っていた

まず簡単に自己紹介をしていただけますか?

コーエンです。これは僕の名字なんですが、日本人の方にとって覚えやすいようなので、そのまま使っています。「コーエン、代々木公園みたいに」って言うと一発で覚えてもらえるので(笑)。
出身はボストンの郊外で、大学では選択科目として日本語を学んでいました。そして昨年の4月に日本に来て、Little Japanが運営している御徒町のシェアハウス・Dongreeに住みながら、Little Japanのスタッフとして働いています。

日本語を学びたい、日本に来たいと思ったのはなぜですか?

大学1年生の時のルームメイトが日本人で、それをきっかけに日本語の授業を取り始めました。
3年生の夏休みには大阪に来て、一か月半ホームステイをしました。農家さんだったので朝早くに起きて桃狩りをするなど、とても楽しかったので、卒業したらまた日本に長期で来たいと思ったんです。

今回日本に来て最初の数か月は語学学校に通っていたのですが、授業のスタイルがあまり合わなくて。習ったことがしっかり身に着く前にどんどん授業が進んでしまったり、先生もコロコロ変わったりして。アメリカの大学では、スローペースながらも着実に習得できるようになっていたので、それと比べると違和感が強く、辞めてしまいました。

その代わり、今でも自分でこつこつ勉強はしています。教科書で学ぶのはあまり好きではありませんが(笑)、スマホに単語や漢字のアプリを入れて、毎日欠かさず復習しています。それでも難しいなと感じるのは、名詞と動詞の組合せですね。「風邪をひく」は、英語では”catch a cold”、つまり風邪を「捕まえる」ですけど、日本語では「引く」ですからね。こういうコロケーションを覚えるのは大変です。
でも日本で働きたいと思っているので、ビジネスレベルでも通用するように、今は日本語能力試験2級を目指して頑張っているところです。

日本に半年住んでみて、好きなところ、困ったところはありますか?

日本での暮らしはとても気に入っています。食べ物がおいしくて、交通の便も良くて、日本人はみんなきちんとしていて優しいですからね。僕は来日2日目に奮発して良い自転車を買ったんですが、東京はサイクリングするのにぴったりな場所です。
かたやアメリカでは、外食は高いし、車がないと生活できないし、僕的には楽しいと思えることが少なかった。きっと自分の好みや性格的には、日本のカルチャーの方が合っているんでしょうね。

ただひとつ難点があるとすれば、やはりお役所仕事ですかね。噂には聞いていましたが、何につけても書類とハンコ!全然ペーパーレスが進んでないですね。僕も印鑑を作って、銀行に4回も出向いて、それでも外国人慣れしていないものだから3時間もかかって、その日の予定が狂ってしまいました。デジタル化の時代だというのに、やれやれです(笑)。

仕事と出会いをもらえるLittle Japanは、僕の“favorite”な成長の場

今はLittle Japanで住み込みで働かれていますが、きっかけは何だったのでしょうか?

当初は、個人的に見つけた東京のホストファミリーのところで住むつもりだったんです。それが、来日直前にキャンセルされてしまって。
どうしようと慌てていたところ、Workaway(ワークアウェイ)という、ボランティアワーカーと宿泊ホストをつなぐプラットフォームサイトで、Little Japanの求人を見つけたんです。そこからシェア街代表の柚木理雄さんとの軽い面談を経て、晴れてスタッフとして採用して頂きました。

Little Japanでの生活にはすぐに慣れましたか?

今まではずっと家族かルームメイトと住んでいたので、そもそも今回一人暮らしをするのが初めてで。それを海外で、ともなれば自分にとってはとても新しい経験です。でもLittle Japanで働きながら暮らしていくなかで、経済的にも精神的にも自立してきているのを感じています。

それでも最初の数か月は、やはり日本のスタイルに慣れるのに少し時間がかかりました。例えば働いている時に、日本人が “punctual”(時間に厳しい)ということを改めて実感しました。でも、それはとても良い習慣だと思ったので、自分もそれに倣うようにしていたら、だんだん馴染んできたような気がします。

それから、はじめは「日本人の友達が出来るだろうか」と不安に思うこともあったのですが、Little Japanではそんな心配は無用でした。入居当初からスタッフの人が良くしてくれたし、色んな人が出入りする場なので、出会いも沢山あります。今では、穴場スポットに連れて行ってくれたり、旅行に誘ってくれたりする日本人の友達もいます。先日は、一日乗り放題券を使って日光に行ってきました。こういう乗り放題券は、アメリカにはないので、やはり日本ならではの楽しみ方ですね。

Little Japanのスタッフは数か月単位で卒業(退職)してしまう人が多いですが、その後も東京にはいる人が多いので、会おうと思えばいつでも会える。だから、いったん別れたらそれっきりの関係にならないところも良いですね。

こうやってLittle Japanを通して沢山の友情を築けるところ、これがやっぱり今の暮らしの“favorite”(お気に入り)なところです!

他にも、Little Japanや日本でやってみたいことはありますか?

すでに幅広い仕事を任せてもらっていて、例えば外国人の受け入れ窓口として、スペイン人、フランス人、フィリピン人の方の入居を担当しました。そして今では、自分がLittle Japanスタッフの中で一番の先輩になってしまってたので(笑)、これからも今まで通り、でも気を引き締めてやっていきたいと思っています。それと並行して、日本での就職活動もコンスタントに頑張っていきたいですね。

あとは、東京以外の場所をもっと見てみたいです。大阪のホストファミリーにもまた会いに行きたいし、郊外出身の自分としてはもうちょっと田舎な県にも親しみを感じます。ただの旅行ではなく、1~2カ月ほど滞在できたら発見も多いだろうな、と思い描いているところです。

Little Japanに「今後こうなってほしいな」という点はありますか?

すでに運営はとても上手く回っていると思います。スタッフはみんなホスピタリティ精神があって、対応も速いですからね。
僕自身も “Work smart, not hard”(がむしゃらではなく賢く働け)をモットーにしているんです。以前にアルバイト先のレストランで、ニンジンをもっと効率的に切る方法を店長に提案して、採用されたことがありました(笑)。Little Japanの皆さんもとてもフレキシブルに働いているので、今後もそれを大事にできると良いなと思います。
それと、皆さんイベントなどを企画するのも上手で、年末年始にはたしかパジャマパーティーがあるそうなので楽しみにしています!

Littlle Japanを面白そう!と思ったあなたは、ここでの生活を楽しめる

Little Japanに興味がある方、特に外国人の方に一言メッセージを贈るとしたら?

新しい暮らし方に不安を感じる人もいるかもしれない。でもLittle Japanに惹かれている時点で、ここでの暮らしを楽しめる素質があると思います。いわゆる「社交的」な人ですね。だから “Don’t be afraid to take the risk, give it a chance!” (リスクを恐れず、飛び込んでみて!)
ただ、日本に来るためには準備や手続きが山ほど必要ですからね、準備はしっかり、“be prepared!”です(笑)。
僕はしばらく日本を離れるつもりはないので、近々お会いできるかもしれませんね。皆さんお待ちしていますよ。

執筆:山口志帆
編集:はやかわ英明
写真:提供写真



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