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不織布バッグに紙ストロー!東ティモールが取り組むゴミ対策のいま    (東ティモール事務所インターンブログ「ロロサエ ティモール #8」)      


Botarde(ボタルディ:テトゥン語でこんにちは)、東ティモール事務所 学生インターンの堀内です。11月より月2回投稿させていただいたブログも、早いもので最終回となってしましました。最後は、東ティモールのゴミ問題についてです。

まちに溢れるゴミたち

東ティモールでは、当たり前のようにゴミを道にポイっと捨てている光景を良く目にします。道路には、たくさんの生ゴミやペットボトルはもちろんのこと、赤ちゃんのおむつまで道路に落ちています。実は、ディリ市内にも所々にゴミの収集所はあり、家庭や職場で出たゴミはそちらに持って行くようになっています。しかし、収集所から溢れたり、収集所の中ではなく外にゴミが置かれたりと、管理が行き届いているとはいえず、とても不衛生です。時折ゴミ収集車が来ますが、長時間気温30℃越えの中に置いてあるため、ひどい匂いがしています。また、日本ではゴミを出す前に細かく分別することが当たり前ですが、東ティモールでは分別せず、全てのゴミが一緒に捨てられています


ゴミ収集所。野良犬がゴミを漁っている。


海岸に溢れるゴミ

ディリ市内で出たゴミの行方

ディリで収集されたゴミは、隣のリキサ州にあるティバールに集められています。このティバールは、昔はディリ州の西の端であったため、ゴミ焼却所に選ばれたそうです。ディリからリキサへの海沿いの道を車で走っていると、白いもやが見えてきます。私は、霧が出ているのかなと思っていたのですが、それは、なんとディリのゴミを燃やしている煙でした。ティバールにそのような場所があると聞いてはいたのですが、こんなにも見た目ですぐに分かるほど煙が出ていることに驚きました。高い濃度のダイオキシンが発生していると思われ、職員や周辺住民の健康被害が心配されます。また、ティバール周辺の海は見た目はきれいなのですが、ディリに比べ魚があまり獲れないそうです。それに対しディリは、生活汚水が大量に海に流れているためプランクトンが多く、魚が多いのだそうです。皮肉なものです。


遠くからでも分かるゴミ焼却場からの煙

プラスチックゴミ対策

昨今、世界ではプラスチックゴミによる環境汚染が問題視されており、日本も含め、多くの国で対策が考えられています。東ティモールにおいては、3年以上前、ちょうどプラスチックごみ問題がフォーカスされ始めた頃に、すでに政府が一度対策を講じました。スーパーのプラスチックの買い物袋をキャッサバで作られた買い物袋へ突然変更したのです。すぐに前の買い物袋に戻ってしまいましたが、私は東ティモールに環境への意識があり、すぐに対応を試みたこと、そして国民の際立った反対も無かったことに驚きました。

 東ティモールは小さい国であるためか、政府が決定したことはすぐにトップダウンで実行されることがあります。それが良いことか悪いことかは分かりませんが、それは、COVID-19の感染者が出た時点で、すぐに政府が強制的に国境を閉鎖したことにも表れていると思います。そして、私が3年ぶりに戻ってきた東ティモールでは、スーパーではプラスチック袋は有料になり、エコバッグを活用する人が増え、また、紙のストローになっているレストランが増えていました。


スーパーで売っているエコバッグ
紙ストロー

リサイクルに向けた取り組み

現在東ティモールでは栃木県芳賀町の廃棄物処理業者「ドンカメ」と国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」で、ヴィケケという県でゴミの分別収集や資源化の支援が行われています。生ゴミ類は有機農業への活用、不燃物ゴミは”エコステーション”に収集し、将来的にはリサイクル業者に買い取ってもらい収益にしよう、という試みだそうです。

東ティモールは手つかずの自然がいっぱいです。その美しい自然が、これからもそのままで在り続けられるよう、少しずつゴミ問題が解決していくことを願っています。


アタウロの海


東ティモールの東端にあるジャコ島の海

 

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東ティモール事業 
学生インターン 堀内好恵

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