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U-NEXTでHBOドラマを観た(メア・オブ・イーストタウン/ウエストワールド/ラヴクラフトカントリー/Qアノンの正体)

メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実

年始のNHK「あたらしいテレビ」で岸井ゆきのと佐久間亘行が激推ししていたので一気に観てた。何が良いって1シーズンでバチっと終わるとこ。誰に何と言われようとドラマはちゃんと1シーズンで終わるべきだ。内容としてはケイト・ウィンスレット演じるイギリスの地方警官があるシングルマザーの死亡事件を追いながら自身の闇とも向き合っていくというもの。WOWOWのドラマ、もしくはTBS金曜22時ぽさが全体的にあって取っつきやすかった。

狭い町の中で描かれるこんがらがった関係性をひとつ解くたびに次の謎が現れ、ようやく踏み込んだと思いきやまたしても迷宮に、、という展開を一切無理なく整理しながらやってのけていた。観やすさが抜群。変に感傷的な方向にも振り切れ過ぎないし、サイコパスで逃げることもしない。住人それぞれの秘密が驚異的な交差を見せていく本格ミステリー。重いけど、ずんずん見てしまった。エヴァン・ピーターズ演じる相棒がいい味を出してる。




ウエストワールド season1

現在シーズン4まで制作されている人気シリーズ。アンドロイドたちが客人をもてなす体験型テーマパークを舞台とした、1973年の映画を原作とするドラマ。アンドロイドの自我やシンギュラリティなどオーソドックスなテーマを扱っている部分もあるが、同時に企業サスペンスとしての色合いも濃く、また時系列シャッフルなども用いてミステリー的な要素も多い。そもそも人かアンドロイドか、というかお前は誰だ、みたいな前提的な謎も沢山あった。

クリへムの兄貴とか、X-MENのサイクロプスとか、ヴァルキリーのテッサ・トンプソンとかいっぱい出てるけども、やはり圧倒的な存在感を見せつけてくるのがアンソニー・ホプキンスだ。これが唯一のテレビドラマ出演らしい。レクター博士とは全く違う、いやでも似てるのかなぁ、まぁそういう、道義が外れすぎてもう基本設定に備わってます、みたいな顔が本当に恐ろしい俳優。誰も信じないぞお前の事!ってなってもおかしくなさそうなのに!


ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路

ジョーダン・ピールが製作総指揮を務めるドラマ。アメリカが抱える黒人差別の歴史を、クトゥルフ神話や悪魔祓いオカルト妖怪伝説、果ては多元宇宙やスーパーヒーローやタイムマシンまでもを並列で描くかなりのジャンルレスな1作。実際の凶悪な事件や信じられないような残虐な差別をモチーフにしているので面白いと言い切るのは憚れるのだけど、凄まじい作劇だと思う。バケモノと人間、本質を見抜かないとどちらが真の恐怖なのか分からない。

特に素晴らしいと思ったのが6、7、8話。6話は大半が韓国語で紡がれ朝鮮戦争にまで話が及ぶ。7話はドリーミーでサイケな”パラレルの自分“を思う回でかなりテイストが違う。8話はこれぞジョーダン・ピール!なホラー演出。怪異との接触が何を起こすか、という。シーズン2ないのは残念だけどここまででしっかり完結はしてると思う。しかし主演のジョナサン・メジャース、次のアベンジャーズの大ボスだと思うと真っ直ぐな目で見られなかった。



Qアノンの正体 / Q: Into the Storm

最後はドキュメンタリー作品を。世界中でセンセーションを未だに巻き起こしているQアノン陰謀論。その起源となった匿名掲示板「8chan」の創設者や管理人親子、その他の関係者への取材を重ねながら陰謀論運動の内幕とその発信源となった正体不明の匿名投稿者「Q」の正体を探っていくという内容。最終的に真相らしきものを掴むカタルシスが用意されているし、日本が関わる展開や「2ちゃんねる」への言及もある。遠い話ではないと思える。

そのルポのテンポ感も相まって背筋凍る怖さと良くない面白さが混在してる。誰にだって陰謀論へと導く扉は開いているのだ、ということがよく分かるはず。小さな不満や世の中への苛立ちに対して何か理由をつけなきゃ収まらない、いつもはそうじゃなくてもそうとしか思えないタイミングがあるとしたら、、、そういう瞬間的な正しさ、いや"正しい"と思いたい気持ちをQは優しく迎えてくれるもんだから。精神疾患的な観点からも興味深かった。


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