マック理論とあみだくじ
運を天に任せるとは言うけれど
内定をいくつかもらった学生が、迷って先生へ相談すると「あみだくじで決めなよ」と言われた……という話を聞いた。ソースは忘れた。
この学生は腹を立てたわけでもなく、先生も茶化して言ったわけではないようだった。
ここで、先生の意図を想像してみる。
と、その前に。
「お昼ごはんなににする?」
友人に聞かれたとき、「なんでもいい」と答えてしまうことはないだろうか。
夕飯の献立を決める時にも同じ家族に聞いても「なんでもいい」。
この「なんでもいい」はよく考えると奥深く、「私がなんとなくいいなーって思っているもの一覧の中のだったらなんでもいい」なのだ。
だから、実際に、中華料理にしようというと、やれ油っぽいなど味が濃いなど反対される。
「マックはどう?」
これはマジックワードである。
マクドナルドはどうかと聞かれると、人はもっといい案があるだろうと思い、それなら、お蕎麦食べに行こうだの、エスニック食べに行こうなど提案が出てくる。
最初からそう言えばいいのに、なぜか比較対象がないと、人は明確な意見が出ないものなのだ。
これがマック理論である。
つまり、冒頭の進路をあみだくじで決めろというのは、本当にそれがいいわけではなく、「あみだくじで決めるぐらいなら、〇〇がいい」という本音を引き出させるためのマジックワードなのだ。
ゼロから自分の意見を引き出すのは難しいが、比較対象や大枠を決められると自分の軸が見えてくることがある。
マインドマップはこの考えをうまく応用している。本質を突くために具体的な事柄からどんどん連想していき、抽象的な概念に結びつく。
軸は比較から生まれる
今回マックは比較対象というか、踏み台にされてしまった感があるが、何も否定的なものである必要はなく、近いものやより大きいもの、比較のしやすいものならなんでもいいと思う。
ただ悲しいかな、人は否定は簡単なので、否定的なものを例に出すと、すらすらと言葉が出てくるものなのだ。
これがいつでもうまく働くわけではないので注意したいところだが、うまく活用できればきっと、自分の望む最上のランチを食べられることだろう。
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