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プロセスへの応援と所属欲求を共存させていく話

どーも!きつね@人材育成担当です。
今回はこちらの本を紹介していきます!この本は私の知り合いがこぞって読んでいた本です(そして部屋の肥やしになっていた本です(笑))

今回はマーティン・セリグマンが唱えた「幸せの5つの軸」を基に会話します。

そもそも幸せの5つの軸とは

アメリカのマーティン・セリグマンが唱えた「幸せの5つの軸」を基に、人間が幸せに感じる観点を記載しています。「達成」「快楽」「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」の計5項目です。その中でも、「達成」と「快楽」は、「ないものがたくさんある」1990年代以前が主流の欲求です。

達成:ある成果の対価として出世や高い報酬を得ることで満たされる欲求
快楽:美食や物欲を満たす欲求

しかし、1991年以降は「ないものがない」時代となり、報酬や欲を渇望する必要がなくなったと考えています。そのため、「達成」や「快楽」といった欲求を満たすことに重きを置かなくなりました。

結果として「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」の3点の軸から幸せを感じるようになりました。

①良好な人間関係

私は大学入学をきっかけに上京しました。一人暮らしをしてまず驚いたのは、隣人にあいさつしないことです。
地元が比較的地方の方は分かると思いますが、ある地域に住んでいたら、どこの家に誰がいるかはうっすらと分かります。小さいころには、気づいたら地元の子ども会というコミュニティに所属し、なんでこの組織にいるんだっけ、と思いながら夏まつりに神輿を引いておりました。

しかし、核家族化の増加、都市集中型の経済によって、地元のコミュニティは希薄化していきました。このことから、自分から行動しないと、自分は何者かを象徴する所属組織がないために、アイデンティティが希薄化しやすくなります。加えて、今では多くのコミュニティが存在します。自分がどの組織に所属することで自己が何者であるか証明できるようになったと感じます。

②意味合い

ロベルト・ベルガンディ作「突破するデザイン」を読むと、今後は既存のニーズやウォンツを解決する問題解決のイノベーションではなく、製品に与える価値を転換する意味のイノベーションが必要になると実感します。

本作で例として上げられていたのはヤンキーキャンドルです。
本来ろうそくとは、部屋を明るくするあかりとして作られました。しかし、電球の発明や火事の危険性から、部屋を照らすためのろうそくは避けられるように。そこで、ヤンキーキャンドルは「香りを楽しむため」「寝る前のリラックスのため」といった、新たな理由を付加しました。
今最近の例でいうと、マスクも意味のイノベーションが起きている過程ではないかと思います。本来の目的としては「飛沫防止」でしたが、今では「顔を隠す」「オシャレの一部」として捉えるようになっていると感じています。
人々の生活様式に合わせて価値の与え方を変換していく、そういった発想も覚えておくと価値に対するビットは高くなると思います。

③没頭

チクセントミハイのフロー体験を思い出しますね。
そもそもフロー体験とは、自身の心理エネルギーを1つの目標に向けて集中し、行動できている状態を指します。
フロー体験の8要素やフロー体験に入るためのポイントはまだまだ勉強不足なのでこのnoteでは割愛したいと思います。

どうやって達成していくか

本作ではサラス・サラスバシーの「エフェクチュエーション」が取り上げられていました。エフェクチュエーションとは、成功した起業家の思考様式のことです。

私もこの本を読むのは本当に大変だったので(あと、べらぼうに高いので)日本でエフェクシュエーションを研究されている吉田満梨さんがインタビューを受けているサイトを見ると良いかと思います。

過程との距離感

今後は製品ではなく、作る過程から関与して応援していくことで、自身の所属欲求が満たされ、より良い人間関係も構築できると考えています。しかし、この応援方法には少し危険性もあります。
過程を見ないと応援できないので、何らかの理由で過程が見られなかった場合、コミュニティに対しての疎外感や孤独感を感じやすくなります。そのため、そのコミュニティに対して時間を割かないといけなくなり、結果依存度が高くなります。
もしマズローの欲求5段階説が正だとすると、3段階目の「社会的欲求」が崩れてしまいますので、承認欲求や自己実現欲求が満たされないケースも発生します。(どんなに頑張っても、所属するコミュニティにあまり参加されないから、頑張りを認めてもらえないし、自分のやりたいこともできない、またはそう自分が感じてしまう。)
対策としては、コミュニティへの所属は自由ですが、自分との時間を優先し、コントロールしていくことかと思います。
まずは自分との対話から、そのあとにコミュニティへの参加、の順番で決めていくと健全かと思います。

最後に...時間は有限で、自分が第一です。
自分の目標は何か、やりたいことは何かが見つかったら、自分を軸に時間の使い方を考えていくと、やりたいことができる良い時間になると思います。

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